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日本高野連のクラウドファンディング、なぜうまくいっていないの?!

こんにちは、思考力特訓中の恩田です。

本日は以下を取り上げます。

記事によると、

「日本高野連が、夏の甲子園を無観客で行う費用を捻出するために、クラウドファンディングを実施している。朝日新聞社のクラウドファンディングサイト『A-port』で支援を募っているが、目標額の1億円に対し、8月19日時点で1075万円ほど、達成率11%弱とあまりはかばかしくない。締め切りの8月末までに目標を達成できるかどうか、かなり心もとない。」

「高校野球は入場料収入を財源にしています。その収入が大きく減る一方で、PCR検査やベンチの消毒など感染防止対策にかかる費用は膨らんでおり、運営は極めて厳しい状況に陥っております。」

とのこと。

この記事執筆時点(9/5)、クラファンは終了しており結果は、

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目標1億円には遠く及ばず.....未達に終わったようです。

高校野球はアマチュアスポーツの中でも花形で日本の夏の風物詩、スポーツの域を超えて日本の伝統行事と言っても過言ではないと思います。

そんな国民的イベントにも関わらず、人々からの支援(金)を得られなかった。

何故なんでしょう?


1.MECEで分解する

思考を進めるにあたり、問題を分解して原因を究明したいと思います。

問題=「クラファンで支援が集まらなかった」


では、支援してもらうためには何が必要でしょう。

第一段階として、そのクラファンの存在を知ってもらわなければなりません。

知らなかったら支援できませんから。

つまり、

「クラファンの存在は知られていたか?」

「知っている」or「知らない」に分解できます。


第二段階としては、知っているを「(知ってて)支援する」or「(知ってるけど)支援しない」に分けられます。

多くの認知を得たとしても、そこに協力したくなければ集まりません。


つまり本問題は、

①そもそも高野連のクラファンをどれだけの人が知っていたか?

②仮に知っていたら支援したいか?

ここを突き詰めると今回の問題の原因が洗い出せると考えます。

それぞれを見ていきましょう。



2.高野連のクラファンをどれだけの人が知っていたか?

私は全く知りませんでした。

このクラファンが行われていたのは、

Aーportという朝日新聞が運営するサイト。

私は勉強不足でこのサイト自体も知りませんでした。

では、数あるクラファンの中でこのA-portの資金調達力はいかほどに?

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※クラウドファンディング「資金調達額」ベスト100(1位から100位まで)

https://shikin-pro.com/guide/6025

上記サイトでベスト100までの案件にA-portは入っていません。

この事実だけで断言することはできませんが、A-portがランキング上位のMakuakeやReadyforと比較すると、クラファンプラットフォームとして訴求力や大衆認知度が劣る場であることは否めないと思われます。

この訴求や認知において「場の重要度」を示す一例がZOZOTOWN。

ZOZOは出店料・手数料が割高なのは有名ですが出店希望は数多です。

これはZOZOが売れるプラットフォームだから。

売るためには「売れる場で売る」ことが重要。

高野連の場合、場の選択を誤ったことにより認知度が上がらなかった。

これ、「目標未達」に終わった要因の一つと言えるのではないでしょうか。

(ただA-portは朝日新聞ですから。。この辺りは業界内の見えない力があるのかもしれませんけどね)



3.仮に知っていたら支援したいか?

じゃあ仮に、高野連のクラファンを多くの人たちが知っていたとします。

そうしたら目標金額の1億円は集まったでしょうか?

私的にはこちらもNO。

恐らく集まらなかったのではと予想します。

クラファン成功の鍵は、

「(支援者が)得られるリターンへの期待」

「純粋に応援したいという気持ち」

で、恐らく高校野球の場合は後者の「応援による支援」でしょう。

そうなると「応援したい人」をどれだけ集められるか。

A-portを見た人たちが応援したくなる気持ちが芽生えるか?

う~む。。。

サイトから伝わってくるのは、

「無観客でやるから金がない。だから金を出してくれ」

これだとちょっと気は乗らず、まずは自助努力しろよとなります。

私であれば、

・財政状況を全て説明
・入場料収益の1本足から、広告料・放映料・グッズなど収益の多角化など抜本的な改革
・出場校への補助金の廃止もしくは減額
・他のアマチュアスポーツと足並みを揃える
・まず上記4項目に注力し、その上で無観客で大会を運営する場合の費用を開示。

これらが大前提で、これをやりきった後に、高校野球の歴史・背景、そしてこれから・未来を描き共感を醸成します。

高校野球は日本国民に長きに渡って愛されてきた国民スポーツ。

共感は得やすいでしょう。

しかし、何となくですけど、(高野連含む)スポーツの連盟は中央集権的で何かしら腐敗がまみれているのでは?と勘ぐってしまいます。

これだと共感どころか反感を買います。


人々から応援、サポートを得るには

「正直さ、誠実さ、透明さ、大義、みんなのしあわせ」

「高校野球をどうしたいのか?ビジョン・世界観」

高野連が大義の上で考え抜いていたら、結果はもう少し違ったのではと思います。


あと最後にクラファンの調達目標が1億円は高すぎない?

という意見もチラホラ聞こえます。

これについては、

1億円以上はあるにはありますが、やはり社会的な意義を感じるられるプロジェクトに対してですね。


今回の学び

①「集める」ためには「認知」、認知のためには対象の目に触れやすい「場」「媒体」を選択する。まずは「対象顧客」が「知っている」状況を作る

②対象顧客が行動を促すには、提供者側の自己・価値観・ビジョン・どういう世界を作りたいのかの開示が必要。そうすればここに共感してくれる人(してくれない人)が現れる。

以上になります。

本日もお読みいただきありがとうございました。








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