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病院事務職もテレワークできると思うって話

今回は病院の管理職に向けて書きます。
いつもお世話になっております。
いつもご決裁ありがとうございます。

COVID-19が流行して以来、世間ではテレワークがだいぶ普及していますね。
それに対して病院で働く人からは「テレワークなんて夢のまた夢」といった声を耳にします。

でも本当にそうなんでしょうか?

(2/12追記)
ブログも始めました!ぜひご覧ください!
※出来るだけ内容は被らないようにしています。

1.病院職員のテレワークについて

病院には当たり前ですが患者がいます。そして患者が来ます。
外来はオンライン診療が始まったとはいえ、院内には入院患者がいるので対応する医療職がテレワークするのはまだまだ難しそうです。

また、患者情報は電子カルテで管理している病院がほとんでしょうからセキュリティ上の課題も多いです。

ですが、事務職についてはどうでしょうか。

2.病院事務職のケース

結論から言うと、総務・管理部門についてはテレワークが可能だと思います。
ただし、半数は出勤、残り半数はテレワーク、で交代勤務とするのが現実的です。

(1)業務は滞らないか?
半数が出勤していれば問題ないと思います。
前回の記事で総務・管理部門の主な仕事内容を記載しましたが、そのうち出勤が必須なのは現場・現物を確認する必要のある施設、管財くらいではないでしょうか。

その他に院内にいなければならない業務としては、病院に届く大量の各種郵便対応、患者対応くらいではないでしょうか。

(2)でも常に病院には人員がいないと何かあったときに対応できないのではないか?
そちらも半数の人員がいれば十分に対応可能だと思います。
私の勤務する病院の場合、土日の出勤はせいぜい4,5人くらいです。

起きた問題に対して主担当がいないことも多いので、よっぽどすべての業務を把握しているベテランでなければ「それは週明けに主担当が来てから~」と対応すること多いです。

これって半数テレワークでも同じですよね。
何か人員が必要な作業の際は出勤者数を増やせば支障は出ないと思います。

3.テレワークをするために必要な環境

前項では病院事務職はテレワークは可能だ、ということをざっくりと述べましたが、テレワークをするにあたって必要な環境を具体的に書きます。

(1)クラウドサービス
これまでの慣例もあり、どうしても病院にはメールではなく郵便によって情報が届けられる場合が多いです。

ダイレクトメールのように即ごみ箱!な文書も多いですが、中には重要な届出や調査もあります。
テレワークするとなると、それらの紙媒体をデータにして共有する必要があります。

おそらく管理職の皆さまが思いつく解決策は、
スキャンしてPDFに変換、メールで送信
くらいだと思います。
その結果、それは手間だと言って全員出勤の指示を出す…
同じような病院、多いんではないでしょうか。

そこでメールの代わりにクラウドサービスを利用します。
多くの病院ではすでにGsuite(Gmailなどの各種サービス)をはじめとして何らかのWEBサービスを契約しています。
(しかしその機能の多くは使われていません)

Gsuiteの場合、「Googleドライブ」が使用できます。
同じGoogleのサービスであるGmailとも親和性が高いです。

これでテレワークの方は病院にいなくても資料が確認できますし、同時に資料の電子化も済みます。
また、メールでのやり取りですとどれが最新のデータか分からないという事態も発生しますが、クラウドサービスは自動保存機能が備わっているため、データのバージョン管理も容易です。

立入検査のたびに重要なあんな書類やこんな書類を探しまわる必要もなくなります。
スキャンする係は出勤者のうちから当番制にすればよいです。

(2)アンケートフォーム
事務職の出勤が必要とされる理由の一つに、院内各部署や患者からの電話対応があります。

院内各部署からの電話は、急ぎの対応を不要としているものも沢山あります。これをGoogleフォームなどのアンケートフォームでの受け付けに置き換えます。

Googleフォームでは、送信結果が自動的にGoogleスプレッドシート (Excelのようなもの)に集計されます。

スプレッドシートはインターネット環境さえあればどこからでも閲覧可能なため、出勤者からテレワークの同僚にわざわざ連絡しなくてもリアルタイムで院内の情報を共有できます。

また、院内各部署は情報を口頭ではなく文字テキストで入力するため、必要な情報を冷静かつ正確に伝えてくれることも期待できます。

電話だとどうしても感情が入ってしまい、情報を正確に伝えられていなかった、という経験がおありではないでしょうか(問題が起きた現場に行ってヒアリングしてみると初めて知る経緯や事実がたくさん…など)

もちろん本当に急ぎの対応が必要な電話もあるので、そちらは出勤者で対応します。

(3)チャットツール
上述の(1)(2)は非常に便利ですが、どうしても対応が難しい、業務の隙間や穴が出てきます。

その隙間を埋めるのがチャットツールです。
具体的にはSlackがおすすめです。

おそらくこれまでメールしか使ったことのない方はその利便性がイメージしにくいと思います。
ですが、チャットツールを一度使っていただければ、メールを使用することで知らず知らずのうちに労力がかかっていたことに気づくはずです。

例えばメールで何気なく使っている「いつもお世話になっております。」「何卒よろしくお願いいたします。」

…何でお世話になったんでしょうか?何をよろしくなんでしょうか?
「そんなの単なる枕詞だ!」と思われた方、そとそもそれは院内の職員同士のやりとりに必要なんでしょうか?

チャットで毎回こんな挨拶をする人はまずいません。チャットはこうした小さな無駄を削減してくれます。

そして、チャットツールには気軽にスピーディーに情報交換ができるという何よりの強みがあります。
上司と部下が気軽にコミュニケーションが取れる環境は、お互いに多くのメリットをもたらします。

また、機能面を見てみても、Slackはほとんどのファイル形式に対応しています。
そのため、クラウドを経由するほどでもない資料の受け渡しにも使えてとにかく便利です。

(1)(2)(3)で挙げた各ツールは、医療機関や教育機関などの公共性の高い機関では、料金が一般企業より遥かに安価に設定されていることが多いです。

もちろんコストは重要ですが、一度検討されてはいかがでしょうか。

4.終わりに

以上のことから私は病院においても総務・管理部門でもテレワークは可能だと思います。

おそらく管理職の皆さまの部下、特に若手職員はテレワーク導入を心から願っていると思います。

また、他業界の事例なども学ぶ意欲のある若手職員であれば、私が紹介したツールはどれも以前から知っているはずです。

このnoteを読んで、(うちも少しずつならテレワーク導入できるんじゃないか…?)と思っていただけたなら幸いです。

決裁権を持っている管理職の皆さま、
テレワーク導入のご検討、何卒よろしくお願いいたします。

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