見出し画像

スペシャリスト・マーケティングを活用してリーディングカンパニーを目指そう【第9回利益を生み出すマーケティング】

本記事はエイドリアン・スライウォツキー著「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか」をマーケティングに応用した内容となっています。

利益アップにつながらなければマーケティングに価値はない「利益を生み出すマーケティング」というタイトルで、利益につながる実践的なマーケティング手法を紹介しています。

第9回は「すべてを知りつくすことの強み-スペシャリスト利益モデル」に基づいたマーケティングを紹介します。

スペシャリスト利益モデルとは、要約すると

①何か一つの分野を深堀りして専門集団となる

②提供するメニューを適切に細分化し、有利な価格設定を行う

③新しいソリューションを見つけた時にスペシャリストとして有利に繰り返し売れる

という3つで構成されています。これを現代マーケティングに応用して説明します。

まずは提供するブランドの価値を1点に絞る

スペシャリスト利益モデルは、その全てがそのままマーケティングの内容とも言えるような利益モデルとなっています。

例えばApple社はコンピュータの会社として創業しましたが、iPodで音楽プレイヤーの専門集団となり、「iPod nano」「iPod mini」「iPod Classic」といったメニューを提供して収益力を上げた後、iPhoneやiPadといった「i〇〇」で新しいスペシャリストとして繰り返し有利に販売を進めていきました。

この利益モデルは、マーケティング戦略の1つ(スペシャリスト・マーケティング)とも言えます。

そのため、スペシャリスト利益モデル①「何か一つの分野を深堀りして専門集団となる」はそのままスペシャリスト・マーケティングを採用したい企業へのアドバイスとなっており、

「ブランドの価値を一言で言い表せられるか」

を意識すべきです。

例えば弊社の「OmniDX」というマーケティング支援サービスは「オムニチャネル・マーケティング」の専門集団として、価値をオムニチャネル・マーケティングに絞り、提供しています。もともとオムニチャネル・マーケティングへの知見が高いからこそ、その分野でスペシャリストとして商品を洗練していった方が良いでしょう。

核心をついたメニュー設定と価格設定

マーケティングにおいて、ほとんどのサービスで欠かせないのがメニュー設定と価格設定です。

メニュー設定

松竹梅の法則で「ライト・スタンダード・プレミアム」という3つのメニューを展開するケースがほとんどを占めていますが、スペシャリストだからこそ、既定の枠には囚われないようなメニュー設定が出来るはずです。

専門家は、どの機能にどれだけコストがかかり、どれだけニーズがあるのかを知り尽くしているので、低価格帯メニューはコストが抑えられて、かつニーズのある機能を、高価格帯にいくほどコストが必要になってくる代わりに、さらなるニーズを掘り起こすことが出来る機能を付加していきましょう。こうすることで、サービスとして適切に十分な収益を上げられるメニューが出来上がります。例えば「OmniDX」はマーケティング支援サービスを「インスタグラムプログラムの企画・コンサル・フル・ビジネス」・「オムニチャネルプログラムの企画・コンサル・フル・ビジネス」というように8つに細分化して提供しています。

価格設定

ここもスペシャリストだからこそ、顧客がいくら出してくれるかという知見を持っています。各メニューに対して顧客がいくらくらいまでなら出してくれそうかを適切に見極め、有利に価格を決定することで、より大きな収益力を手にすることができます。例えば「OmniDX」は1万円、3万円、7万円、10万円、30万円、70万円、100万円という企業向けの価格設定を行っています。

以上のようにメニュー設定と価格設定を、ありがちな設定に囚われずに核心をついた形で提供することができる専門集団になれば、高い収益力を手に入れ、積み上げた利益で新たな投資を展開することができます。

新商品の開発に精を出す

スペシャリスト利益モデルでの失敗として多いのが

「1つのスペシャリスト商品に甘んじて、次第に模倣され競争力を失い、淘汰されていく」

というケースです。

スペシャリスト・マーケティングを完成させるには、「常に新しいソリューションを生み出してく体制を作る必要があります。スペシャリスト商品が売上のピークに達するのはせいぜい3年ほどで、その後の売上は右肩下がりになります。そのため、3年に1度は新商品を出していかなくてはいけません。

ただ、1度スペシャリストとして成功をしていれば、その恩恵を受けることも可能です。顧客や消費者に対して

「この企業は専門集団としてうまくいくはずだ」

というブランディングに成功していれば、そこをマーケティングの1手段として活用し、新商品も「〇〇のリーディングカンパニーが新しくリリースした□□」という形で繰り返し有利に売れるようになります。

スペシャリスト・マーケティングで大切なのは、1つのスペシャリスト商品で手にした利益を次へ次へと投資し、新たなソリューションを生み出し続けることです。

まとめ

今回は「スペシャリスト利益モデル」に基づき、これとほとんど同義なマーケティング手法を「スペシャリスト・マーケティング」と称して紹介しました。ポイントは以下の3つです。

・商品の強みを何か1つに絞る

・メニュー設定と価格設定に時間とリソースを割く

・常に新商品の開発を行う

この手法は多くの企業やサービスで活用出来るもので、正しく行えば、上手くいく可能性も高いです。皆さんのビジネスのお役に立てれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?