市場を汎用性の高い分け方で区切り、1点集中するマーケティング戦略を実践しよう【第14回利益を生み出すマーケティング】

本記事はエイドリアン・スライウォツキー著「ザ・プロフィット　利益はどのようにして生まれるのか」をマーケティングに応用した内容となっています。

利益アップにつながらなければマーケティングに価値はない。「利益を生み出すマーケティング」というタイトルで、利益につながる実践的なマーケティング手法を紹介しています。

第14回は「点から面への拡大-ローカル・リーダーシップ利益モデル」に基づいたマーケティングを紹介します。

ローカル・リーダーシップ利益モデルとは、要約すると

①小さな単位を独占する

②同じ手法で他の拠点も独占していく

という2つで構成されています。これを現代マーケティングに応用して説明します。

汎用性の高い小さなセグメントを攻めるマーケティング戦略

ローカル・リーダーシップ利益モデルの最たる例はスターバックスです。スタバは一度に多数の地域に展開することをせず、地域を1つ選んで制覇し、次の地域へ、というマーケティング戦略をとっています。

「地域」は横展開しやすい点となり得ます。どこかの地域で成功すれば、その手法を同じ国の同じような地域に応用出来るからです。

このように、汎用性の高いセグメントを独自に考え出し、そのポイントで成功を収めるべく取り組むという手法はマーケティング手法として競合他社に打ち勝つ強力な武器となります。選び出すときの鍵は「人自体の特性がセグメント間であまり変わらないこと」です。

汎用性の高い（横展開につなげやすい）小さなセグメントの例を挙げておきます。

地域

都道府県や市区町村で絞る

大学

東大や京大といった大学名で絞る

コモディティ商品（日用品・必需品等）

水やお米、洗剤といった皆がいつも手にするもので絞る

以上のように「同じ戦略を別のセグメントでも活用しやすいか？」という視点で単位を小さく分けて独占する戦略を立ててください。

点から面に拡大する

正しいセグメントで絞り、その小さな単位で成功を収めることができれば、次は「横に展開していく」という段階に移行します。

成功した戦略を分析し、成功の要因をまとめておきましょう。オススメは、「成功のポイント」として5,000字程度の記事を執筆することです。これにより抽象的でぼんやりしていた内容を具体化・言語化出来るだけでなく、その記事によって他のメンバーにも考えを伝えることができたり、講演会や採用活動で記事をベースに話すことで横展開のハードルを下げていくことができます。

点から面に拡大するときに考慮するべきは

「その手法を別の誰かがそのまま活用できるか」

です。敏腕な経営者やマーケターが努力を重ねて成功させた内容を、誰かに引き継いでやってもらうことで面が完成していきます。しっかりと言語化し、他社に伝えて実践してもらえるように工夫していきましょう。

以上のように面に拡大して初めて、ローカル・リーダーシップ利益モデルに基づくマーケティングは利益を生み出す強力な手段となっていきます。

まとめ

今回は「ローカル・リーダーシップ利益モデル」に基づいて、点から面に広げるマーケティング戦略について紹介しました。ポイントは2点です。

・汎用性が高く同じ戦略を別のセグメントにも生かしやすいマーケットの切り分けを行う

・1つのセグメントで成功した手法をマニュアル化して他者に引き継げるようにする

もし貴社のビジネスにこのモデルを応用できそうであれば、ぜひ実践してみてください。マーケティングは多くの場合、実践して改善することで成果を発揮します。