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小海 淳
2016年3月20日 21:35
—————————————————————————鏡を見ていて 気がついたおまえは沈みゆく夕陽なのだ引き裂かれ、しわだらけで、やつれて燃え尽きてしまったそうしてようやく、おまえは美しいものになったおまえは金持ちで、いい家に住み、愛のことをよく知っていたそれから全てを失って、あるいは売り払い、そして忘れてしまった空っぽの部屋で、見慣れたシーツの色だけがおまえをなぐさめる夜毎くるま
2015年11月12日 18:33
あの頃窓の外にあった快活なざわめきは、今も同じように窓の外にあって、私はここで彼らの声を聞いている。遠くの声の美しさ、近づく足音、きしむ窓、私は溜め息をついてまた筆をとる。起こらなかった事事の余韻。 あの踊りの輪は、おまえのためのものではないんだ。だけどおまえはここで、木靴を履いて踊ることだってできる。ただ、やらないだけさ。床が傷むし、音を出すと大家が嫌がるからさ。 なだらかな午睡の中で、
2015年9月24日 12:49
雲の速さにおびえて顔を伏して歩く子らこんな天気では獣たちも干からびていくだろう私たちはどうしてこんなに途方に暮れているのだろう吹き飛ばされた人人を何もできず見送ることにさえ私は罪を感じなかったのに今このなんでもない時になって私はすべてを贖いたいと思う風の吹くことを私はおまえに謝らなくてはいけない空の高さを