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母の精神が崩壊⑯ 感情は心の警報器

私の父は、ザ昭和頑固親父。
休みがなくても、なんのその。
毎日仕事へ行っていた。

仕事のない日は、付き合いのゴルフ。
平日は、飲み会。

私の記憶の父は、
いつも家にいない。

家庭のことは、母に任せっきり。
しまいには、母を裏切ったこともあった。

母はそんな父を嫌い、
何度も離婚しようと思ったらしいが、
時代的に離婚を恥と思い、
ひたすら、我慢していた。

まさかその我慢が病気への
一歩になることと思わず…



母が精神を病んでから、
父と必然的に話しをしなければならない機会が増えた。

ザ昭和頑固親父は、
自分が知らないことや不都合なことを、
私が少しでも口にすると、
威圧的な態度をとり、何度も言い合いになった。

言い合いになる度、
投げ出してしまいそうになったが、
母が入院前に泣きながら
『治りたい』
と私の手を握りしめた姿が
脳裏に浮かび上がり、私の心を奮い立たせ、
何度も何度も話し合い、言い合いもした。

しかし、本気でぶつかると、
父の人間性が、見えてきた。

父は弱い人間で、必死に自分を大きく見せようと、
もがいていたんだ…

親ではなく、
一人の弱い人間として、
父のことを受け入れてみると、
不思議と自分の気持ちが楽になっていくのがわかった。

私自身が思い込んでいた
作られた強い父親像。
そうではなかったことに、勝手に裏切られたような感覚になり、幻滅していたのだった。


日頃感じる、原因のわからない苛立ちや不安は、感情の裏側にひっそりと息を潜め、あなたを支配してゆく。

感情は、心の警報器。
苛立ちや不安を感じたときは、
怖がらず、なぜそう思うのか、
自分に聞いてみて


あなたを導いてくれるから。





































































































































































































家庭のことは、母に任せっきり。










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