「あきらめ」の先に何がある? / “プライドは低く、美意識は高く。”
0か100かになりやすい性格で、うぉーーーと獅子奮迅のような動きをみせるときがあるかと思えば、その後、アドレナリン切れなのか、まったりモードのなまけものになり、何も手を付けない(というか、手が付かない)ときがある。
もうそういう性質の人間だとは半ば諦めているので、自分のなかの周期で「今はこの地点にいるんだよな。ジェットコースターで言えば、ごとごとゆっくりと高いところに向かって急激に下るための準備をしてるわけだ」とある程度理解できるから、へんな焦りは感じにくなってくる(ただ鈍感になってきているだけかも)。
良くも悪くも、人間変わらないものは変わらない。
スポ根ぎらぎらで「きっと変われるよ!」という言葉には眉唾ものだし、そこに期待して(もちろんそれなりに試しては)自分に失望するという寸劇を何度もやってきたからこそ、変わらないものを”性質”として受け入れて、付き合い方を考えるしかないようにも思う。
一言でいえば、それは自分に期待しない。事実としての自分を認め、理想の自分を諦める。その選択ができるかどうかが大切なんじゃないか、って。
今はそういう精神性を意識的に持ちながら、なんとやっている(ホントにやれてる?)、そんなあんばいの日々を過ごしている。というのを、2019年上半期の反省としておこうかしら。
そうそう、「諦める」という単語が出てきたので、前にオミバカnoteをちょっと振り返ってみる(9/9全文無料公開しました)。
「諦める」とは「明らめる」こと
そんなことを書き留めたんだけど、最近ふと「『あきらめる』の先に個性がある」という感覚をつかんだ。
人と話してたり、自分の(書いたり、喋ったりの)表現を振り返ったとき、「なんかつまんねえな」という感情がフッと湧いてくるのは、「個性を感じにくい」という理由からだった。
個性ってのは、「ユニーク」とか言い換えることもできるけど、「尖り」や「クセ」とも言ってもいいかもしれない。
目の前のものがつまらない理由は、「よくありそうな言葉、表現、内容だ(で? あんたはどうしたいの?)」と心中ザワザワするからで、自分の立場が明らかになっていない人(がつくるもの)に対して感じやすい。
相手のリアクションによってすぐに軸がブレる人は、立ち位置がはっきりしてないせいか、話が右往左往するし、信用もしにくい。
たとえば、ボクの周りだと「まちづくり」に関わってる人が多いのだけど、その立場が不明確な人ほど大衆性を感じて、個性は感じにくく、「やっべ、関わりたくねぇーー」と思ってしまうほど。
そもそも立場として、「まちづくり」という意味も具体的に何をするのかがつかみにくい、ふわっとした言葉に対して、ポジティブなのかネガティブなのか、そのポジショニングが知りたい。
「いやぁ、まちづくりなんて言葉なんて意味わかんないし、元々ボクも興味なかったし、むしろそういうのに絡む人はへんなやつだし、避けたいと思ってくらいです。正直、『まちづくり』と声を大にしなくても、自分たちの身近なレベルから楽しもうとしたり、そこで巻き込める人が増えてきたら、それって”結果”まちづくりなんじゃないすかね」
というのは、まちづくりがネガティブ認識の人の回答例だけど、立ち位置がわかるから、関わり方も見えてくるし、安心感もある。あとは、その人がどんな略歴があって、今どんな仕事(職種、働き方)をしてるかなどが組み合わさって、その人のやってる/やろうとしてることの個性が見えてくるんじゃないかと思う。
ある立場を貫く、ということは、それ以外の立場を明らかにし、その立場をとるのを諦めることにある。それによって、もちろん敵が生まれるだろうけど、反対に、味方も見つかるだろう。そういう「あきらめ」の先に、自分のポジショニングを伝えられるからこそ、嘘がなく、どんどん前に進めるし、どんどん尖っていける(尖ることが必ずしも大事とは思わないけど)。
今思えば、今よりもうだつが上がらない日々を送っていた昔は、その立場が「あっちもこっちも」というふうにカメレオンやコウモリの真似事みたいなことをしていて、自分に軸がなかったときだった。
それは、自分の立場を明らかにすることで、批判されるんじゃないかと、単純にビビってただけだし、”可もなく不可もなく”な方向をとっていたから、自分がクソつまらない人間に思えて仕方なかっただけ。
どっかで開き直るというか、突き抜ける瞬間があるとすれば、それはある立場を明らかにして諦められるときだろう。それは、まわりがあーだこーだ言えるもんじゃなくて、本人が何をどう選択できるかってことだけでしかない。
最後は、備忘録的に、雑誌POPEYEの特集本『二十歳のとき、何をしていたのか?』のリリー・フランキーのインタビューにあった言葉を引用しておきましょうか。
プライドは低く、美意識は高く。
まじ、いらないプライドって多いよな、そう、ほんとに。
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