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就労選択支援(仮)と就労中の福祉サービス一時利用について

厚生労働省は現在、社会保障審議会障害者部会において就労支援のあり方について検討をしています。令和4年5月16日(月)社会保障審議会障害者部会(第129回)において、参考資料が出ておりましたので簡単にまとめます。

今後報告書がまとまると思います。いまは未だ検討中ということです。

就労選択支援(仮称)について

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 参考資料 29ページ
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 参考資料 30ページ
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 参考資料 31ページ

就労選択支援(仮称)は、福祉サービスを受給する前に就労アセスメントをきちんと取り、適切な支援(A型・B型・移行・もしくはハローワークなど)に繋げるための施策かな。また、就労系サービスを利用している方のニーズをより細かく把握するために、(希望に応じて)就労選択支援を利用することができ、利用者のニーズに沿った選択ができることが目的だと考えられる。(就労する事業所と別の事業所がアセスメントを取ることも一つのポイントかも)
福祉的就労から一般就労の動きを活性化させたいところと推測。

就労選択支援について現時点での疑問

1.就労選択支援は誰が(どの事業所)やるのか。
利用する事業所とアセスメントにかかる事業所が異なるということなので、計画相談事業所になるのかな?それとも障害者就業・生活支援センター?市町村?もしやハロワーク?謎。

2.就労アセスメントって専門的な知識必要ない?
誰でもできるわけではないよね。しかも全障害者それぞれを網羅するってなると、アセスメントを取る人のスキル(本人のニーズをきちんと把握しアセスメントを踏まえた上で支援をすることができるか)が気になるところ。

なんにせよ、サポータが増えることは良いことなのかもしれない。

就労中の福祉サービス一時利用について

これは非常に気になる。次年度から企業や官公庁が障害者を雇用する際に、短時間(20時間以内)でも障害者雇用率に算定できるようになる予定なので、興味深い。

上記の件はこちらの4.障害者雇用率制度における障害者の範囲関係 参照

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 参考資料 32ページ

簡単に言うと、就労系のサービスを受けながら就労もしてOK!ということだと解釈した。徐々に福祉的就労から一般就労まで慣らしていくということになりそうだ。
これは面白い。これまでは、施設外支援(トライアル雇用)に限っては福祉サービスとの併用は可能だったが、今後は短時間勤務(10時間程度?)でも可能ということだ。(市町村によっては併用OKだったところもあっただろう)
本人もこれまで居場所と感じていた事業所と職場を行き来できることは安心にもつながるかもしれない。就職までのグラデーションができたみたいな。
ただ、事業所の職員は施設内の支援から施設外(職場環境調整や職場のキーパーソンとの連携)が必要になってきそうなので、忙しくなるかもしれない。

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 参考資料 33ページ

もしや、リワーク支援は福祉サービスでOKってなるのか

さらに33ページは「リワーク支援」ではないか!就労係ということは、A型もB型もリワーク支援を行う時代が来るのか?ここ興味深い。就労支援とリワーク支援は支援員の動き方やアセスメントをちょっと異なる気がするからなー。どうなっていくのだろう。

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 参考資料 34ページ

福祉サービスとジョブコーチの併用ってできるのかな?

さらにさらに、34ページ。もしかして、福祉サービスとジョブコーチ支援の併用が認められる?(正確に言うと、訪問型職場適応援助促進助成金も得られるのか?)でも、障害者就業・生活支援センターが主体となるかな。まだわからないところ。
これまでは、福祉サービスを終了し、ジョブコーチ支援を行い、定着支援、障害者就業・生活支援センターみたいな流れだったと思うけど、早期に支援が必要ってことになりそう。前職の名残であるが、これできたらありがたいかも。

現状では、同一法人で福祉サービスとジョブコーチの助成金を重複して支給することができないことになっています。

就労中の福祉サービス一時利用について疑問

1.就労のし易さはあるけど就労系サービスのゴールをどこに置くか迷いそう。20時間以上勤務になったらかな?サービス利用が長期化しそうな感じもしなくはない。

2.「就職支援」と「復職支援」って全く別物だと思っていたんだけど、休職をしてもし就労系サービスに戻ってきたら事業所は同じ支援を行うのかな?

3.そもそも就労支援の専門性ってなんだろ。就職させること?定着させること?だとしたら、そのノウハウってどこで身につけられるの?

多分3については(雇用と福祉の分野横断的な基礎的知識・スキルを付与する研修の構築に関する作業部会)において話し合われているだろう。

終わりに

福祉サービスって時代に応じて試行錯誤していくんだろうなーって思う。就労支援なんて、個別性が大事だと思うし、支援者が積極的に「これがいいよ!」って言うものでもないし。でも、ずっと就労支援をやってきて気になることは「専門性ってなんなのかな?」ってとこなんだよな。そもそもそんなのあんのか?必要なのか?って主張もあるだろうし。

いろいろと調べたり勉強しながらアウトプット出来れば良いなと思います。
本音は、エッセイ的なことを書きたい。

厚労省の議論によっては内容が変わるか可能性があります。その場合は修正していきますので、よろしくお願いします。

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