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INFJ のみんなへ⑰(国際協力:ブータンで死にかけて考えたこと)

みなさん、こんにちは!(*'ω'*)ノシ
暑い日が続いておりますが、皆さんお体は大丈夫でしょうか?

筆者(INFJ)は以前、国際協力の教育系プロジェクトに携わっていたのですが、その仕事先のブータンで死にかけたことがあります。

そこで今回、国際協力の仕事に興味のあるINFJの方がいらっしゃったら、その方に向け、その時考えたことを記録として残しておこうかな、と思って書きました。

(夢のある話ではないので、あらかじめそこをご承知いただけると幸いです…。)

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ある年の冬、私は出張でブータンに約二週間行くことになりました。日本からブータンへ行くためには、タイを経由する必要があります。また乗り継ぎの都合上、タイで一泊しないといけないかったり、ブータン行きの便が早朝だったりと結構面倒な旅です。日本を出発してその次の日の朝、眠い目をごしごししながらようやくブータン入りしました。

(ブータンの国際空港 パロ空港↓)

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午後から現地の事務所へ行き、普通にパソコンで仕事をします。冬のブータンの首都ティンプーは晴れており、青空が綺麗です。夜は現地のスタッフを含めみんなでご飯を食べます。そしてホテルに向かい、「つかれたなー」という感じで普通に就寝しました…。

異変は明け方に起こりました。なんか具合が悪いな…と起きたら吐き気とめまいがすごく、意識が遠のくのを感じました。「体が全然動かない…。」このままではいけないと、最後の力を振り絞って同僚に連絡し、部屋の鍵を開けて床に倒れました…。そしてそのまま急患として病院に運ばれました。

なぜそうなったのか原因は不明でした。おそらくティンプーが高地にあることが大きな理由だったのでは?と考えます。ティンプーは標高2,200m(富士山の5合目くらい)にあります。遺伝的に高地に合わない人が、飛行機で急にその高さまでいってしまうと高山病になってしまうようです。そして高山病は着いてすぐではなく、タイムラグがあってから症状が現れることが多いそうです。

その後の3日間、治ったと思ったら突然同じような症状が起こることが続きました。自分も周りも全く意味がわからず、どうして?という感じでした。

茫然とする意識の中で考えたのは、自分の死体をどうしよう…ということでした。基本、死体は飛行機で持って帰れない(高いし手間)のでその選択肢はありません。ブータンでは火葬?宗教的タブーは?とぼんやりと考え、横になりながら携帯で調べました。鳥葬もあるのか…それもいいなぁと思ってました。

最終的に計三回救急に運ばれ13本の注射を打ちましたが、同僚や現地の方々のおかげで体調は回復し始めました。皆さんには本当に迷惑をかけ、今でも申し訳なく思っています…。

その後、もちろん事務所に行けるような状態ではないので、しばらくホテルの部屋で仕事をすることになりました。

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その私の泊まっていたホテルの部屋の窓からは大きな「チョルテン」が見えました。

チョルテンとは仏塔のことです。ブータンの仏教徒の人達は、こちらに来て、お祈りを唱えながらこの仏塔の周りを歩いたり、ひざまずいてお祈りをしたりします。また、座って楽しそうにおしゃべりをする人も沢山います。みんなの集会所って感じです。

(ホテルの前にあったチョルテン↓)

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ホテルから出られない私は、毎日窓からこのチョルテンを観察していました。おじいちゃん、おばあちゃん、ちっちゃい子連れのお父さん、若い男の子や女の子のグループ、どう考えたって今は仕事の時間では?という平日に来る大人達…。みんな和やかに仏塔の周りを歩いています。

そして夕方になってくると、家に帰る人たちが見えました(ブータンは冬は仕事は4時に終わるらしいです)。ホテルのとなりにある家には人が集まって何かのゲームをしているのか、毎日賑やかな声がします。

ここでは、ゆっくりと時間が流れているのです。

ブータンで「8・8・8」という言葉を聞きました。これは8時間寝て、8時間働き、8時間家族と過ごすという意味です。ブータンの人は自分たちの宗教や、友達との時間、家族との時間をとても大切にしているのですね。

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そこで、ふと自分について考えました。

微力ではありますが、ブータンのプロジェクトが始まって二年間、ずっとこの国のために出来ることは何だろう?彼らの幸せってなんだろう?と考えて自分なりに頑張ってきました(そんなに役には立っていないのは百も承知です…ごめんなさい)。

でも、今こうして横たわって死にそうな自分を鑑みた時、彼らの幸せを考えると同じくらい、果たして自分は自分の幸せを考えてきただろうか?生活を大事にできていただろうか?と思いました。

ブータンのこの光景や人から「あなたは幸せですか?」って問われている気がしたのですね。

答えは「ノー」でした。

この出張で、私はこの仕事から一度離れようと思いました。自分を大事にしていない人が、果たして他人の幸せを語れるだろうか?と考えたことが大きいです。

確かに、世界情勢を見た時に苦しんでいる人達はいます。今すぐ行動すべき、仕事を続けるべきという意見もあると思います。でもそれは、数カ月、一年、自分のために時間を使った後、やはりこの仕事をしたいと思った時でもいいかなと思いました。そして、そうすべきだとも思いました。

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多分、国際協力に興味があって、人の助けになりたいという人は優しい人が多いのではないでしょうか…?それはとても素晴らしいことだと思います。でもその反面、他人のことを優先して頑張りすぎてしまうこともよくあるのでは?とも思ったりします。どうか自分の生活や幸せも同じくらい大事にしてあげて欲しいな、と思います。

国際協力に夢を持っている人達にはちょっとネガティブなことになってしまったかもしれず、大変申し訳ないのですが…こういう考えもあるよ、という一つの参考になれば幸いです。

長文を読んでいただき、ありがとうございました(*'ω'*)人(*'ω'*)

ブータンの新聞が読んでみたいマニアックな方向け↓
「kuensel」https://kuenselonline.com
ブータンの学校は英語教育なので英語が通じます(*'ω'*)


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