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心理学の実験には面白いことがいっぱい!

『すごい心理学』という本をご存知ですか。


心理学の実験からわかった事実(ユニークなもの)を網羅した本。
心理学に興味を持っている人は沢山いても、実際に入門書を読んで嫌いになる人も多いらしい。
そんなもったいない人たちのために“面白い心理学”を伝えたる目的で書かれた『すごい心理学』。

章立てはこんなふうになっています。

まえがき
1章「心の不思議」がわかる心理学研究
2章「え?本当に?」意外な心理学研究
3章「人間」が見えてくる心理学研究
4章ちょっと怖い心理学研究
5章こんなことまで扱う心理学研究
あとがき

章立てを見るとなんとなくその本の内容がわかるものです。
この著書は“心理学研究”の話がされるということは一目瞭然。
一章につき、だいたい15項目に分かれています。
一項目に一つの研究について説明しているので、短編的に読むことができます。
この著書の中から私が面白いと思った項目3つを紹介します。全てを紹介することは誌面が許しませんし、面白い本なのでぜひ見てください。書店に行けば大体置いている(はず?)です。

デキる人は軽いカバンを持つ

まずはこんな研究からです。カバンの重さで人はものの見方が変わるという研究。
ヴァージニア大学のデニス・プロフィットはこんな研究をしてみました。
重いカバンを持たせた人と、軽いカバンを持たせた人に“坂の角度”を推測させる実験を行いました。すると重いカバンを持たせた人のほうが角度を高く、つまりキツイ坂だと思い込んでいたのです。このことからカバンの中身はできる限り少なく、軽い方が、仕事や大学という“坂”も緩やかに感じると言えそうです。大事な発表のために沢山の装備品を身につけていくよりも必要最低限の資料だけを持って望んだ方が良い結果になるかもしれませんね。

誰もが「自分は平均以上」だと思っている

「自己嫌悪によくなるけど?」というツッコミを入れられそうですが。
自己嫌悪が文字通り「自分は嫌なヤツだ」と考えているか、それとも「平均より高いはずの私がこんなことできないなんて恥ずかしい」と思うからなのかは置いておきます。
ストックホルム大学のオーラ・スヴェンソンは運転免許を持っている学生に対し、自分の運転技術を評価してもらいました。スウェーデンの学生の7割が「自分を平均以上だ」と考えていたと言います。ちなみにアメリカの学生は9割が「平均以上」と思っていたらしいです。土地柄が現れていますね。
この自己評価に対する自惚れを「平均以上効果」と言います。本来、平均値は真ん中になるはずです(正規分布にしたがった統計値なら)。だから同じ質問で自己評価をさせれば、平均以上だと思う人は半分以下にならないとおかしいですね。この事実と評価の乖離が重要です。つまり、「自分は本来は、人から見たら平均より下回るのに、平均以上だと思う“勘違い”してしまうことはよくあることだ」というわけです。
私の彼女も「自分は(並のこより)かわいい」と言っていましたが、まさしく「平均以上効果」ですね。今度のプレゼントは鏡と集合写真にしましょうかね(笑)。

「犬は飼い主に似る」は本当か?

犬を散歩させている人が、その犬と似ているということはよくあります。
逆にチワワを買っている人が、ちょっとコワモテだったりすると驚きますよね。
そんな「犬が飼い主に似ているのか」という疑問を実際に研究した心理学者がいるようです。カリフォルニア州立大学のマイケル・ロイがこの研究をしました。
飼い主の写真と犬の写真をそれぞれバラバラにし、カルタのように合わせられるかを判定してみたのです。結果は25組の中16組で一致できました。これは純血種の犬の場合ですが、なかなかの正答率ですよね。「犬が飼い主に似てくる」と言ってもよさそうです。ロイは「犬が飼い主に似るわけではなく、むしろ飼い主が似ている犬を選んでいる」と考察しました。学者らしいリアルな考察ですね。飼い主の愛情で犬が似て来るほうがロマンがあると思いますが。
私の母親はパグを飼おうと画策しています。なるほど、似た犬を選んでいるようです。これはnoteだけの秘密にしますが。

さてどうでしたか。
著者の話に加えて一言ずつ自分の感想(?)を載せてみました。
ほかにも面白い内容があります。
例えば、「高いビールと安いビールでどちらがおいしい?」。私は発泡酒でいいタイプ。兄はどうやらビールの味がわかるらしい。この本で紹介されている実験は皆さんもやりたいと思ったことがあるであろう、子供心をそのままやってみたような研究。「中身が同じで価格の違うビールを“愛飲者”たちに飲ませた」というもの。結果は如何に?
話のたねにもなりますし、実際にカバンは軽い方がいいというのは今でも守っています。心理学を謳う本にはありきたりな内容が多いですが、この本は見かけないユニークな研究が載っていますね。今度は次回作も読んでみたいです。

※すでに続編も出てるみたいです。


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