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私の学び直し英語、簡潔な文章を書くために学び直す英文

学び直している、英語を。

noteやブログ、Webライターの仕事で文章を書いている。簡潔かつ流れるように最後まで読んでもらえる文章を書くために英語を学び直している。

簡潔な文章を書くために「なぜ?」英語を学び直しているのか、と疑問に思われた方はおおいだろう。

英語の文法を学び、英語で書かれた文章を読むことが、簡潔な文章を書くいちばんの近道になると判断したからだ。

ではなぜ、英語を学ぶことが近道になるのか。すこし話は長くなる。ある日、筒井康隆さんのエッセイを読んでいると、「ストーリー構成はカフカに、文体はヘミングウェイに影響された」と書かれていた。それを読んだときは「ふ~ん」としか思わなかった。

漂流怪人とよばれた、きだみのるをご存知だろうか。『 ファーブル記 』を翻訳し、『 気違い部落周游紀行 』など今の世の中で発売しようものなら、アチコチで炎上しそうな本を書いた怪人だ。

その怪人きだみのるの文章は、開高健曰く「いわば紙のうえにとつぜん白い窓がひらいたような鮮明さがあった」と書きしるしている。

きだみのるの文章は清潔で白く、簡潔で鮮明、深窓の貴公子が書いたように高貴で青い血の通っている文章だった。

開高健は聴く「どないしはったら、きださんのような文章が書けまんの」

きだみのるは答える。「横文字を読むこと」

開高健はさらに尋ねる「日本の文章はいけませんか」

きだみのるは「あかん」と答える。

筒井康隆さんときだみのるの言葉がつながった。昔の文豪は英語ができ、フランス語ができ、おそらく漢語は必修だっただろう。だから、簡潔で鮮明、それでいて格調高い文章を書けたのだと推測した。日本の口語文を簡潔に書くには、英語を学べばいいのだ、と。

あなたは、どう思いますか?

思い立ったら吉日、眼のまえの白く光る画面で英文法の学ぶ本を探す。ズラズラと画面に表示された、英語を学ぶ本が。

いろいろと検索していると、コレダ、といった一冊を見つけた。『 ヘミングウェイで学ぶ英文法 2 』筒井康隆さんが影響をうけたヘミングウェイで学べる英文法、これしかないといったドストレートな一冊。

なぜ、1でなく2なのか。1から買えよと思われた方もおおいだろう。ストリートファイターも2からなので問題なかろうて。2には、ヘミングウェイといえばの『 老人と海 』の一部が教材として掲載されていたからだ。英語を学ぶ教材はそろった、さぁ英語の勉強をはじめようじゃないか。

そのまえに、あとひとつだけ、きだみのるは簡潔な文章を書くには、「女はイカン、女は男を腐らす」もう、いまのフェミニストが真っ赤な顔になり、血管がキレそうな言葉をはかれる。そして「上にのって性行為をしてはイカン。下か横になって性行為をしなアカン」といわれた。開高健ではないが「はぁ、さよですか」としか答えざるをえない。

女性と縁がなくなって幾星霜。簡潔かつ鮮明な文章を書けていない、げせぬ。

横道にそれすぎた。さて、『 ヘミングウェイで学ぶ英文法 2 』は、アルコールの靄(モヤ)がかかった蒼ざめた脳みそに知的興奮と刺激を与えてくれた。ヘミングウェイの小説テクニックも解説されており、理解しやすい教材だった。

いまのご時世は、学ぶための教材は豊富であり質がよい。『 ヘミングウェイで学ぶ英文法 2 』があれば、もっと昔から英語を勉強していたのに、とは思わない。勉強しろよ、と与えられたら反発したであろうことは容易に想像できる。よい教材があってもヤルキがないとダメなのである。

そして、大人には、授業も試験も受験もない。だからこそ自発的に机にオッチントンして勉強する必要がでてくる。

英語を学ぶ、さて、どのように学ぶと簡潔な文章に最短距離でたどりつけるか。文章を模写する、これに尽きるだろう。

というわけで、ヘミングウェイの英語文を書き、翻訳文を書き写した。

書き写したことで分かってきたことがある。まず1つ、ヘミングウェイの単語は中学レベルで十分理解できるということ。大学入試のために勉強したターゲット◯◯◯◯ほどの単語は、まったく、ちっとも、ネバー必要としない。ヘミングウェイの文章は、英語を学びはじめた英語初心者向けの文章といえる。

2つめ、英語を日本語に組み立てる、これは瓶のなかで帆船を組み立てるぐらいむずかしい。

ヘミングウェイの英文を書く、じぶんなりに訳す、翻訳文を確認する。翻訳分は、なんと簡潔で分かりやすい日本の文章であろうか。私の翻訳した文章は酔っ払いがロボダンスをしているようにカクカクで読みにくい。

あわよくば翻訳の仕事もできるレベルまで勉強しちゃうゾとか思っていた夢は砕けちりはべり。

書き、翻訳し、分かったことは、単語は分かる、単語はたいして重要ではない。ではなにが重要なのか、文法である。

オツムのなかが日本語文法脳のままでは、英語の文を理解しスムーズに訳せないのだと気づく。基本の基本、英文法を学ぶ必要があると。

さて、また英文法の教材を探すかと思ったのだが、『 ヘミングウェイで学ぶ英文法 2 』には英文法が分からない、苦手な方はこの本がオススメと紹介されていた。

『 英文法基礎10題ドリル 』と『 英文法入門10題ドリル 』さっそく購入した。

ペラペラとめくってみる。構成は章が4つ、講は36。はて、何が10題なのだろうか、と思った。そして、入門と基礎、どちらが先なのだ。「基礎はサッカーでいうパス練習・シュート練習。基礎はボールを止める・蹴る」だと書かれている。基礎のほうが先のように考えたが、正解は入門からはじめるのがよいそうだ。

また、アマゾンの会員であれば無料で読める本でも勉強をはじめた。無料で速習という言葉にひきつけられずにいられない。

さて、教材はそろった。ここで問題がモクモクとわきでる。

勉強をする時間、そう、英語を勉強する時間がない。勉強をする時間はコショウよりも黄金よりも貴重である。そこで、英語を読む、この一点にしぼって勉強することに決めた。英語を書く、聴く、話すは勉強しない。時間は有限、目標にむかって取捨選択だいじ。

勉強に集中でき、三食用意してもらい、勉強をしているだけで、ホメられた学生時代ではない。そして、その黄金時代を怠惰にすごした私。後悔と懺悔の気持ちしか残っていない。若者よ勉強だけに集中できる時間は、あなたが思うよりも貴重ですゾ。

学び直すにも、24時間のどこからか学ぶ時間をひねりだす必要がでてくる。どこからか、それは、やはり早起きするしかあるまいて。自己啓発本をペラッとめくってごらんなさい、必ず、はやく起きましょうとオウムのようにあちらこちで書かれているだろう。

はやく起きるしかないのである。学び直すには。布団の包容力、夜酒の魔力をふりきりるのだ。朝起きのススメ的な本を買うだけ無駄むだ、ユースレス。1分でも2分でも、はやく起きるしかないのである。

はやく起き、英文法の勉強をはじめた。解説を読み、フムフム分かったゾ、という万能感、テスト問題にすすむ、まったく理解していない挫折感。

文法を覚えられない、前置詞、過去分詞、エトセトラ、理解できない、覚えられない。かくじつに、わかいときよりも、記憶力は、低下している、みとめざるをえない。わかいころであれば、教科書をポイッと放りなげていただろう、かくじつに。

いまの私は知っている。私は天才でも超人でもなく、ただの凡人であり、才能もなければ記憶力もない人間だと。英文法を身につけるには、石のうえにも3年ほど座り続ける必要があるのだということを知っている。

英語の文法の勉強を続けていると、ある日カチリと脳の配線がつながるような、パズルのピースがはまるように、正解を導きだせるようになってきた。幸せ成分が脳にあふれだす瞬間である。

私の学び直しは、英語・英語の文法を学びつつ、簡潔な文章を書けるようになるのが目標だ。

そして開高健が絶賛していた『 鮭サラーその生と死 』を翻訳するという野望もある。まずは、『 鮭サラーその生と死 』の英語のタイトルを探すところからスタートしなければいけないが。

イクラのまま怠惰に40年ほど川を漂っていた。英語力は、大きい鮭のように成長するのか、途中でパクリと食べられ消化されるのか、それは朝はやく起きられるかどうかにかかっている。


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