ステロイド減量5回目(プレドニン12.5mg→10.0mg)
2021年1月8日。
私は今年最初の自己免疫性肝炎の通院のため大学病院にいた。
2度目の緊急事態宣言が発令された翌日。明らかに人が減っていることを願いつつ向かったのも束の間、いつもより多い患者さんがそこにはあふれていた。
診察券を通し最初に向かう採血ルーム。ここでさえ50分待ちというありさまだ。
なんてこったい。
それだけ日本には色んな病気の人がいるということをまざまざと感じた。もちろん私もその一人。
12月から復職した私は、通院日は欠勤することに了承を得ていた。しかし、業務のピークと重なってしまい、翌日の土曜日、振出で働くというのを前提に、この日は振替という形で休みを取得し病院に来ていた。
治療と仕事の両立って難しいな。
診察を待つ間、そんなことばかり考えていた。
予約時間より診察が遅れるのはいつものことだけれども、この日は特段遅かった。待てども待てどもなかなか呼ばれない。すると診察室の前に一枚の張り紙が出される。
「本日は代診となります」
先生も私と同じで振替られるのか。ぼーっとそんな風に思っていると、とあることが頭をよぎる。
医療崩壊。
もしかして、先生はコロナ患者の対応に回されてしまったのでは。
まさかとは思いつつも、同じ自己免疫の対応ができるお医者さんでもあり、今のこの状況もあり、真意は全くわからないが変な想像が頭をよぎった。
年末の伊藤病院の検査で、肝臓の数値が良好に推移していることを知っていた私は、今日の検査数値にも自信があり、今日からプレドニン10mg/日になるだろうとの確信があった。でももし、先生が違っていたら…よからぬ方向にばかり考えてしまう自分が嫌だ。でもいつもそうしてしまうのが、悪い癖なのかもしれない。もう少し陽気に生きられていれば。
そんな思いに自己嫌悪する中、ようやく名前が呼ばれた。
そして爆笑。
代理の先生は、入院中に主治医よりもお世話になり、さらに初診の時にも診察してくれていた一番仲のいい先生だった。
「久しぶり!あれ、なんか変わりました?入院中と違いますねー。前髪かな?」
陽気で明るくてなんでも話して相談しやすいこの先生に、私はとても親しみを持っている。
友達に再会したような感覚。すごく心が安心した瞬間だった。もっとオシャレしてくればよかったかな。そんな風にさえ思った。
白血球数: 6.5
赤血球数: 4.46
ヘモグロビン: 14.1
ヘマトクリット: 42.1
MCV: 94.4
MCH: 31.7
MCHC: 33.6
血小板数: 247
PT: 90
PT-INR: 1.07
APTT: 30.8
APTT-Cont.: 29.6
フィブリノゲン定量: 195
総蛋白: 6.7
アルブミン: 4.3
総ビリルビン: 1.3
直接ビリルビン: 0.1
AST: 15
ALT: 14
乳酸脱水素酵素: 131
アルカリフォスファターゼ: 42
γ-GTP: 15
コリンエステラーゼ: 204
中性脂肪: 79
グルコース: 99
CRP: <0.03
アンモニア: <17
IgA: 122
IgG: 1014
IgM: 172
ALBIスコア: -2.77
ABI grade: 1
検査結果は何も問題なく良好。
先生も、
「前見たときはアラートマークばかりだったけど、今日は全然心配いらないね」
と安心した様子だった。
この先生に会うと、いつも何かの節目になる気がする。今日会えたことも何かのきっかけなのかもしれない。
そして予定通りプレドニンが10mg/日になった。(前回の処方が残っていたので、正確には1月13日から10mg。)
1日のプレドニン服用量
25mg*7日 → 20mg*10日 → 17.5mg*28日 → 15mg*59日 → 12.5mg*77日 → 10.0mg*…
目標の10mgに到達するまでに181日。長かったのか、短かったのかはわからない。でも確実に私の心は大きく揺さぶられたように思う。そしていよいよ2021年1月13日から10.0mg。本当の闘いはここからなのかもしれない。
どこまで減らすことができるのか。
ステロイドを飲まずに過ごせる日は訪れるのか。
社会に発令されている緊急事態宣言は、私自身へのこれまでの自分との離脱宣言であるかのようだった。
ねえ。あの頃みたいな日はまた来るのかな。
ふーって息を吐きながら、帰り道、私は空を眺めていた。
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