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環のストーリー

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生きる姿を、音楽と。環のストーリーを紹介します。
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#家族

浅草にある橋のたもとのお寿司屋さん

幼少期の記憶は「前世の記憶か?」と思ってしまうほどに薄い。しかし小学生になる前、父と浅草…

夜型の叔父、世界を変えていた

中学生から大学卒業くらいまで、年末年始は北関東にある祖父母の家で過ごしていた。 祖父母の…

春菊が食べられるようになるみたいなこと

辛いものや苦いものなどは、人間が徐々に慣れることによって美味しいと思うようになるらしい。…

朱色の筆が待っていた

しんと静まりかえる木造2階建て住宅、1階の和室。 そこにいるのは私と父方の祖母のみ。 これか…

あざとさは運命を連れてこない

その人と知り合って初めて一緒に夜を超そうとしていた時、「運命がよかった」と思った。でも「…

愛を贈る準備が整ったら

11月にしては温かい平日の朝。休みだったので両親に会いに行った。 自宅の最寄り駅から西武池…

還暦の母へ。手料理は思い出とともに

 母の味がわからない。母の作った料理のような味がするなと思うことはあるが、それは大体、薄味の和食料理で、確信をもって母の味だと断定できるわけではない。  思い出は不思議だ。日常の大切な風景や楽しさ、非日常の中での愛おしさ、一生覚えていたいと思ったようなことも意外と忘れていたりする。友達と学校にいくときに腹を抱えて笑ったことや、付き合っていた彼女とのデートとか。「楽しかった」という感情とともにいくつかの記憶があるのに、思い出話をすると意外と忘れていることに気づく。そして覚えよ

有料
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ぅち一生ギャルやってくかんね

 中学2年の冬を思い出すと、廊下の風景が浮かぶ。左手に窓、右手に教室が並ぶ。外は曇り。視…

とにかく言いてぇのは「You guys are the best thing that ever happened to me」

 深夜にLINEが鳴る。きっと、親友の伶ちゃんからだ。人生に悩み、親指の爪をかんだとき、私は…