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環のストーリー

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生きる姿を、音楽と。環のストーリーを紹介します。
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#親友

中野のコンビニで笑顔がひきつる

「坂本くん〜〜〜!いいわね、あんた本当にいい笑顔」 純二店長は、まるで甥っ子や姪っ子でも…

西新宿でふと気づく役割

縛られるのがこの上なく嫌いだ。 誰でもそうかもしれないが、自分は特にその気持ちが強いと思…

新宿三丁目のカラオケに一人でこもる日々

ああ、今日はもうカラオケに行かないと無理だという日がある。仕事で疲れていたり、ストレスを…

上北台に置いてきた思い出

「ねえ、上北台って覚えてる?」 「覚えてる!覚えてる!よく練習試合行ったよな〜」 「だよね…

雑司ヶ谷にあるお墓は怖くない

友達の学がカナダから帰ってきて、東京で遊んでいた。あちこち歩き回っていた私たちは、池袋か…

吉祥寺で表舞台に立って泣いた日

体調は悪かった。正直なところ外に出ていいかどうかはギリギリな日だった。 2023年10月28日、…

練馬の環状8号線でチャリに乗っていた高校生は高円寺に行かないそうです

環状8号線を走っていて練馬あたりを通るとむずむずする。それは高校生の頃の恥ずかしい記憶がいまだにちらつくからである。 私は高校生の頃、本格的に古着文化が好きだと自覚した。そして、古着を買うためにいろいろな街に繰り出すようになった。練馬あたりに住んでいた私は、古着屋の多い高円寺にチャリで行くようになったのだった。 しかし、中学生のころと打って変わって古着が好きだとしっかりと自覚すると、雑誌を読んで知識がためるようになる。そして、知識がたまればたまるほど、自分の今持っている洋

遠い存在と決めていたのは私だった

春の匂いを感じると、学生時代がふと蘇る時がある。 特に高校生の頃のことだ。 今、胸を張って…

寂しさと戦っていたのかな

友達の愛ちゃんがくれた質問を何度も思い出す。 「環を1番占めている感情って何?」 僕は切な…

中学1年は最高と最悪だった

自分の律儀さがいけなかったのかな、と絶望を抱えた。 「もう連絡すんな」と文字が並んだガラ…

面倒くさいくらいの方が面白い

1月末の月曜日。 友達の佳(よし)が働いている美容院に行った。 佳とはこの美容院で、美容師…

逃げろ!イカちゃん!

「お〜い!!!!戸田隆〜!!!!」 中学校の下校時間。 校門を出ると、中学校の隣にある民…

いのちあるかぎり、触れて、生きて

爽やかな風が吹く黄昏どきだった。 6月2日夕、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)。色とりど…

親友に贈るベイベー、ダーリン

 小説「スロウハイツの神様」(辻村深月著、講談社)にこんな一節がある。  現在は親友である狩野と正義が出会ったころ、互いがより一層仲良くなる存在であることに気づいた場面だ。私は初めて読んだとき、高校の同級生で親友でもある行天、美香、桃香たちとの関係にピタリとハマる言葉だと思った。思い出したのは、毎年末にやっている「今年の曲ベスト10」を発表しあうイベントだ。  私たちが4人で仲良くし始めたのは高校を卒業してからだ。2010年から共通の友人を介してよく集まるようになった私た