【備前焼の研究】プロの鑑定士は古備前焼の鑑定で何を見ているのか?査定評価のノウハウや要件を古陶磁鑑定美術館が公開!古備前鑑定は古陶磁鑑定美術館。
古陶磁鑑定美術館は、古備前焼の研究・調査・分析・鑑定・評価・蒐集・展示・継承を行う美術館です。
今回のnoteでは、古備前焼の鑑定をする際に、プロが「どんなポイントに気を付けて鑑定をしているか」を解説します。
すなわち、実際に古備前焼の鑑定を専門で行っている、現役の美術館研究員 兼 鑑定士のノウハウを、特別公開してしまいます!貴重な内容ですので、ぜひご覧ください。
さて、「古備前焼の鑑定」と言いますと、皆さんが想像するイメージは、和服を着たベテラン鑑定士が、虫眼鏡で壺を念入りに見入っているような、そんな姿を想像するのではないでしょうか?
たしかに昭和期頃までは、そのような風景が、古美術商や茶道具商の間でもよく見られました。しかし、現在の鑑定の世界は、科学的な見識や、考古学、歴史学的な根拠を踏まえて行われることが圧倒的多数となっています。
それらの際に検討される要件が、以下のポイントです。
①考古学的価値:どれだけ時代や年代を経過しているものなのか?どういった文化や文明の下で作られた品物なのか?を評価する項目。
②美術/芸術的価値:品物の芸術的美術的価値を評価する項目。
③希少性:品物のレア度を評価する項目。伝来や伝承など。
④保存状態:品物のキズや状態を評価する項目。
⑤市場性(需給):品物の人気や流行等の市場評価を評価する項目。
つまり、これらの要件をそれぞれ検討して、古美術品(古備前焼)の評価額(鑑定額)が算出されるのです。『古美術品の現在価値』=【考古学的価値】+【美術/芸術的価値】+【希少性】+【保存状態】+【市場性】ということですね!
古美術品は、ただ単に時代が古いから高く売れるという訳ではなく、それぞれの品物の芸術性や希少性や保存状態などを細かく考慮して価値が決定されているのです。
『中国の古美術品』は、近年、中国人の富豪による買戻しが加速しているため、値段が高騰している傾向があります。そういった品物は、【市場性】が高く評価されていることになります。
また、逆に日本の茶道具などは、茶道人口の減少から、足元の価格が下落傾向にあります。この場合は、【市場性】が低く評価されることになりますので、ベースの価値から市場性を考慮した割合を【割引】して算定します。
このように、古備前焼(古陶磁器・古美術品)の鑑定評価は、総合的な視点から客観的な判断を行っていくことが大事になります。
これらのポイントは、鑑定士だけでなく、コレクターや収集家、数寄者の方々が、古美術を愉しむ際や選ぶ際の参考になりますので、ぜひ意識しておくと、趣味に「深み」が生まれてくるでしょう。
『骨董数寄に鑑定は不要』といった価値観も確かに真理の一つでしょう。
しかし、折角古くから伝わった「モノ」だからこそ、そのモノの作られた時代や産地を「鑑定」することで、「モノから作品」へと、伝承していって欲しいというのが、私たちの願いです。
単純にイメージしてみてください。品物の作られた時代が分かれば、その時代の文化や文明に思いを馳せられるのです。江戸時代でも、桃山時代でも、室町時代でも・・・。
時空を超えたその楽しみ方こそが、日本文化の愉しみ方、骨董の醍醐味ではないでしょうか?
古備前焼の鑑定は、古陶磁鑑定美術館にお任せください。皆様の大切な古備前焼を、一点一点、丁寧に鑑定いたします。
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