はじめまして、OKZKです。(1) ユング /MBTI
個人塾運営&実用心理分析*のOKZKといいます。本記事は私の自己紹介であり、私の人となりを皆様にご理解頂くことが目的です。全体の傾向として、情報量過多キャラ濃いめです。初めて情報発信するのに、ああじゃないこうじゃないって半年くらい精査していたら2万字超えてました。そして余裕で終わりませんでした。よっていきなりシリーズ化です。でも作文用紙が1枚400字なので、50枚くらいと思って頂いたら大した量じゃないですよね。皆様お付き合いよろしくおねが…え?じゃあこんなこと書く暇あったらさっさと始めろよ、って?へい!よろしくお願いしますm(_ _)m
*当記事において、MBTI / Socionics / StrengthsFinder / Enneagram等の「実用的な心理分析ツールの総称」を「実用心理分析」と定義します。「心理学」という言葉を使うと、将来余計な誤解を生む可能性があると考えましたので、当記事ではこう呼ぶことにします。ただし、三大心理学の一つ「ユング心理学 (分析心理学)」については、このまま表記します。
【簡易略歴&心理分析】
・九州大学 学士/修士/博士 計9年
・関東の理系研究所に就職→3年で辞職
・塾開業7年目 (運営指導:OKZK/裏方:母)
・MBTI: INTP / Socionics: LII
(MBTIメインで記事を書く予定)
・StrengthsFinder: 1.戦略性 / 2.学習欲
/ 3.着想 / 4.分析思考 / 5.回復志向
→「戦略的回復志向」と命名
・Enneagram: 5w4 / △584
はじめに
「勉強の楽しさを伝えたい!」を掲げ、実家で裏方を母に支えて貰いながら、塾運営&学習指導をしています。手で数えられる程の生徒達を日々私一人で指導し、一人一人に合った最適な学習法を探究し続けています。
20世紀に活躍し、ユング心理学を作り上げたCarl Gustav Jungは、「個性化 (Individuation)」という概念を提唱しました。これは、己の心の「影」に光を当てることで、心の成長を促そうというものです。私が生徒たちの学習指導や受験指導を通して感じることは「己と向き合い、壁を乗り越えた生徒達は、なんと大きく成長することか」…!受験とは、まさに己の心の「影」と向き合う場であり、そこに光を当て続け、己の「影」に立ち向かい続ける生徒は、目覚ましい飛躍を遂げるのです。私が伝えたい「勉強の楽しさ」とは、まさにその様な、もう一人の自分との戦い、つまり「影の調伏」であり、自分がかつて恐れた「影」の脅威を、己の手中に収めるその度に、私は新たな力が漲ってくるのを強く感じてきたのです。しかしそれは、努力の真っ只中、必死にもがいている時に感じることは難しく、ある時ふと振り返った時にだけ、己の成長を誇らしく思える瞬間があるのです。私は昔から、そんな瞬間がとても好きでした。
もちろんこれは、勉強だけに限らず、スポーツ、芸術、武道、そして趣味やゲームにでさえ、当てはまります。大事なのは、自分が「影」にぶつかった時、自分が心底「大切だ」と思える分野において、「影の調伏」の儀式に恐れず立ち向かえるか?この経験を幼い頃からどれだけ経験しているか?が、残りの人生にも大きな影響を与えると思うのです。
ユング心理学における「影」とは、とても恐ろしく感じられる己の「弱さ/欠点/壁/限界/境界/コンプレックス/トラウマ…」そういった負の感情の塊です。しかし実は、そこに「光」を当て「影」の力を我が物とすること、「負」の力を「正」の力へと転化すること(陰陽転化)、人はこれによって「強さ」を得る。これが「個性化」の概念です。ユングは世界中の神話・伝承・逸話を研究し、人の心の「癖」を明かしました。つまり「心の動きには一定の法則がある」と言ったのです。彼の研究の中には、当然、東洋思想も含まれており、先程の陰陽転化の概念が含まれていることは、驚くに値しません。
恐らく予備知識無くこれを読まれた方は「胡散臭ぇ…」と思われるでしょう。えぇ、分かります。私でなきゃそっと閉じちゃうね。ちなみに私はバリバリの理系で、心理学は独学です。良く言われるのは「ユング心理学は心理学ではない。実証できないからオカルト。占い。」という意見があるそうです。つまり、余りにも深い精神構造を表現しようとした(類型論)ので、それを確かめる術がないのです。
がしかし、心理学の本来の目的は何でしょうか?人の心に光を当て、動かし、励まし、治療し、豊かにする。その点においては、世界中でユング心理学をベースにMBTIなどの実用心理分析ツールが開発され、普及し、海外では実社会でコミュニケーションの根幹を支えています。大学、就職、企業、医療、あらゆる分野のコミュニケーションにおいて、です。ユングはその生涯をかけて、数多くの証拠を収集しました。そして何よりも、世界ではユング心理学/MBTIという「共通言語」ができています。私は理系ですが、学び、実践するほど、「実用に耐えうる…!」コミュニケーション技術であると感じます。私はこれを生涯を通して理解を深めていきたい、そしてその素晴らしさを伝えていきたいと感じたのです。この技術を、何とか学習指導に生かせないか?そして日本人の心に、さらに日本の深い影に、この技術で光を照らせないだろうか?そう感じました。
子供と対話する者、親、教師、講師、あらゆる指導者がこのコミュニケーション技術を身に付ければ、日本にも変革が起きる気がします。それは政治等の大きなシステムからトップダウンに落ちる号令ではなく、現場レベルから湧き上がるボトムアップの動きです。そして、そうでなければ、本当の意味での変革は起こせないと思うのです。号令だけでは、人は動きません。場が熟す、これが今の日本には欠けていると思うのです。私はそこに干渉したい。
ユング心理学・実用心理分析ツールを指導に用いる目的は、「個性化」を通して、全ての人が力を得ること。そのために指導者は、生徒の「影」に光を当てなければいけません。もちろん、ほぼ全ての生徒が嫌がります。しかしそれは、指導者として私の光の当て方が未熟であったが故です。私はきっとこれからも後悔をするでしょう。しかし、私は「影」に光を当てることを止めません。それが私の業です。
受験業界が成熟し、良書がずらりと並び、効率的な勉強法が共有され、モチベーションが上がる動画が流れ、神授業が解放され、SNSで励まし合い、AIが導入されて…それで日本の教育水準は上がるのでしょうか?それで優秀な人材が育ち、これからの日本には光が差すのでしょうか?日本は40年を失わずに済むのか?これらによって恩恵を受けた人達は、一体誰だろうか?彼/彼女らは日本で新しい価値を生み出すことができるのだろうか?優秀とは?価値とは…?
これらの学習技術やシステム、テクノロジーが発展するのは、喜ばしいことでしょう。が、しかし、最も重要な鍵が、すっぽりと抜けてしまっていると、私は感じます。これで、優秀な人材は、生まれない。日本は、変わらない。きっと、40年も、失う。そう、思うのです。最も大切な視点、それは「そのやり方で、創造性は、上がるのか」?創造性とは、新しい価値を生み出すこと。そこには「途方もない失敗」が必要です。上手くいくかどうか分からないこと、更に言えば、ほぼ失敗するのが確実な実験をやり続ける姿勢、これが創造性のイメージです。それを支えるのは、執念あるいは、狂気。効率的な受験テクニックを享受するだけで、日本の創造性は上がるのか?私はこれに、異を唱えたい。
なぜ日本には、こんなにも深い影が差し込んでしまったのでしょうか?政治や経済、教育改革の失敗もあるでしょう。しかしそれら全てをひっくるめて、包含した、根本的な、全ての失敗の基礎となる様な、本質的な問題が横たわっている気がするのです。それは「日本人の集合的無意識に潜む巨大な影」。日本人には、己の「影」と戦う強さが欠落しているのではないか。肝心要の教育において、効率的な受験技術だけを追求してしまったことで、本来最も重要視すべき、心に光を当てる技術を失ってしまったのではないか?それは、今の教育者の更に上の教育者の更に更に上の…本来は何代にも渡って受け継がれるべき、コミュニケーションの技術が、資本主義や情報化社会によって、洗い流されてしまったのではないか。私がここで言うコミュニケーションの本質とは、他者との対話ではなく、己の心に光を当てる技術です。他者理解とは、詰まる所、己の心の投影であり、自分の理解の範疇を超えた他者を受け入れること等、できないのです。だからこそ、「影」の力を我が物とすること、「影の調伏」により己の強さを得ることが、他者理解には必要なのです。
私は、「学習を通して、己の影に光を当て、影を調伏し、影から力を得る過程」のことを「学習個性化 (Learning Individuation) 」と定義します。当塾の存在意義は、私自身が生徒と向き合い、実用心理分析を用いて学習指導をする中で、この学習個性化法を確立し、普及させることです。
願い
これから、私が塾で実践する指導法や実用心理分析の気付きや日頃の想いなどをセットにして、情報発信しようと思います。私は、様々な実用心理分析ツールをベースにした学習個性化法を確立し、日本の社会に広め、少しでも人と国を強くしたいと願っています。これから、AI (Artificial Intelligence)による激動の時代がやってきます。その荒波を生き残るために、真に必要な強さとは何でしょうか?あらゆるものが、驚異的なスピードで、AIに置き換えられていく時代、人とAIが対立しながらも共生せざるを得ない、そんな時代がやってきます。その中で、勉強の役割とは何だろうか?指導者の役割とは?強さとは何か?AIによって失われないものは何だろうか?
あらゆる「価値」を再定義する必要があります。そして、その「心の準備」をこれからの私達は、必死にやっていく必要があるのだろうと、感じるのです。端的に言えば、人間よりも遥かに仕事ができるAIのおかげで、AIアレルギーとも言うべき、AI管理から逃れる自由を求める声が、将来噴出します。そして、非効率、即ち「人間らしさ」を取り戻そうとする動きが現れます。つまり、これから時代は急加速した後、逆行するのです。その激動の時代において、勉強の意義、そして指導者の役割とは、次の言葉に集約されるのだと感じます。
この金言は、人の核心を突いているからこそ、いつの時代も輝くのでしょう。生徒諸君、Google先生はいつも最速で答えを教えて下さいますね。未来のAI先生は更に優秀です。適当にテキスト見せて「これなに?」って聞いたら答えてくれます。分かりやすい解説付き。では、「私はどう生きるべき?」って聞いたら答えてくれるでしょうか?NO!NOです!なぜでしょうか?この2つの質問には決定的な違いがあります。
AI先生は、既知の(既に知られている)答えを超高速で検索し、尤もらしい答えを提示するシステムです。どうやったらあなたの人生の幸福度が上がるかなんて知りませんよ。統計に基づくので、アドバイスはくれるでしょうね。でもうまくいかなかったら?AIのせい?「人生の幸福度を上げるために、離婚しましょう。」「子育ては諦めましょう。あなたは統計的に向いていません。」「ペットに依存しすぎて危険です。預けてみては?」「はやく立ち直って下さい。応援しています。」…うるせー!AIのくせに!!
統計的に無理だ、と言われたことに価値などないのです。それをひっくり返すのが人生の醍醐味ではないか。己の限界と向き合うこと、「影」と対峙すること、そして「調伏」により力を得ること、即ち「個性化」こそが、人生を豊かにするのではないか!人の幸福とは、心が動くことによってのみ、実現される。AIが跋扈する時代、求められる人材とは、己の「心」を動員し、他者の「心」を巻き込み、未知の世界を切り拓く者だ。従ってその様な人物は、AIには代替できない。
即ち、学問の価値とは、知識や解法をパッキングすることではなく、もっと根源的な価値創造の過程、未知の領域に踏み込む姿勢の獲得である。だからこそ、一生懸命に勉強に打ち込む受験生は、それだけで価値がある。失敗でもいい。自分の「影」と向き合ったことが大事なのです。少し休んだら、なぜ自分は失敗したのか、再び「影」と向き合いましょう。信頼できる人にダメ出しをもらいましょう。温い友達同士で馴れ合わない様に注意です。傷のなめ合いは毒だ。衛生的にも宜しくない。遠慮して貰わず、ボコボコにされましょう。建設的な批判は甘んじて受けましょう。ただし意見が偏らない様に、複数人に意見を求めましょう。…ここで注意したいのは、「他の人と比べて頑張ったか」も重要ですが、「1年前の自分より頑張れたか」という視点を絶対に忘れてはいけない。他者(との)相対評価は現実的に生きていく上で必要な厳しい基準ですが、自己相対評価はもっと遥かに大切な基準です。つまり、「過去の自分より成長できたかどうか」を正確に評価できる力が必要です。これが無い人多すぎる問題ですね。いつまでも悲劇の自己陶酔に浸るのは止めなさい。醜い。もし1年前の自分より成長できたと感じられたら、それをこれから3年続ければいいだけだ。他のライバルは大体やらなくなるんだから。あなたもやらなくなってしまうんだったら、まさにそれがあなたの失敗の原因だ。ただ、ずっと同じ土俵で戦い続ける必要はない。新しい戦場を探してもいいかもしれない。もっと輝ける場所はあるかもしれない。ただし…温い考えは禁物だぁ………立ち直れないくらい凹んだら、3日くらいふて寝しましょう。でも3日も寝てたら飽きます。走ってみたら良いかもしれません。自分へのご褒美もね。忘れず。ポテチとかね。食べなよ。
そうやって膿を出しきったら、反省完了。これが次の挑戦への準備です。そして、同じ轍を踏まない様に試行錯誤する。この一連がまさに「負」を「正」に転化すること、「個性化」です。従って「失敗」とは、力を得る儀式の始まり。それこそがまさに、これからの時代をいかに生きていくべきか、を示す道標ではないか。
苦悩と希望
当塾は、田舎の実家で開いていることもあり、勉強に苦手意識を持つ生徒さんも多いです。それでも、高い目標をもって毎日受験勉強に励む生徒の懸命さは、進学塾の生徒達のそれと何が違うでしょうか。中には、テストの点数では測れない素質を見せる生徒もいます。しかしその原石も、優等生の輝きの前に萎縮してしまうのです。これが社会の損失と言わずして何と言えましょうか。
指導者の役割とは何か?それを毎日突き付けられながら、指導に当たってきました。優秀な生徒を優秀な学校に送り込むことが、本当に塾の名誉か?優秀な生徒は、本当に優秀な指導者を必要としているのだろうか?…優秀な指導者とは、何だ?「優秀」とは「価値を生み出せる」ということだろう?私が生み出せる価値とは何だろうか…
ある日、私はMBTIそしてユング心理学と出会いました。最初は好奇心で学んでいましたが、ある頃から、「これは学習指導や教育にこそ取り入れるべきではないか…!」と思い始めました。それほど強く、私の心は動かされたのです。
あらゆる価値は、どれだけ強い「感動」を呼べるか、ではないか?「優秀な」指導者とは、多くの「感動」を呼べる者ではないか?そうであれば、「優秀な」指導者が向き合うべきは、少数の優等生か?むしろ大多数の中から、何かしらのハンデを抱えた眠る原石を発掘した方が、社会的に大きな「価値」を生むのではないか?「優秀な」指導者の仕事とは、そんな原石に光を当てる試みであり、その輝きで優等生そして指導者の曇った目すらをも覚まさせることではないか…私は、ここに大きな可能性を感じずにはいられないのです。
そのため、私の情報発信のターゲットは、模範的な方々というよりはむしろ、自分の能力を開花させるために必死に模索している学生、現状のシステムを打破するため指導に奮闘している指導者、家庭教育を改善したいと熱望するご両親、将来自分の力を社会に役立てたいと強く願う優等生…です。
官僚・政治家・医師・弁護士・東大・京大…そういったトップ層を輩出する進学校・進学塾を含め、そこに到達するまでの努力・研鑽は、それ自体で大変素晴らしいです。私も昔は憧れていました。しかし、日本の学歴社会がそこばかりに光を当て、優等生礼賛しても、日本という国は一向に改善の余地はないと思うのです。それは、トップ層の方々が必ずしも日本という国を良くしようと想ってくれている訳ではないからです。また一方で、私を含め何かしらの弱者と呼ばれる人達が「誰かが世の中を良くしてくれる」という期待を膨らませ、「裏切られた!」と文句を言っても、しょうがない。
遠くの誰かに期待するのではなく、自分の人生は自分で創るしかない。そして、その力を得るための教育です。蓄えた力で、自分が関わる大切な人達を守りたい。そのために一人一人が強くなろう。光を当てるべきは、光り疲れた少数派ではなく、多くの原石が眠る多数派だ!私はそこに、日本が強くなる可能性を探したい。
教育という価値ある分野に、多くの人が興味を持ちますように。私の記事を見て、一人でも多くの優秀な人材が教育に関わりますように。そんな大それた願いを抱えた田舎で超貧弱塾を運営する一介の塾講師のnoteです。
本記事は、まず皆さまに私のことを知って頂くためのものです。私の記事や取り組みにご興味あれば、応援をよろしくお願いします。
略歴など
一言で言えば、業が深いです。この様な人間は比較的レアだと思います。はぐれメタルくらいレアです。たまに面白くない冗談を言います。真顔で書いています。そういう年頃ですのでスマン。
閑話休題*、以下、少し詳細に見ていきたいと思います。
*正しくは「閑話休題」、 「閑(≒暇)」
ご注意を
INTPの特徴にご注意下さい。
私は一介の塾講師であり、個人プレイヤーです。当記事はあくまで私個人の見解を多分に含みます。もし間違った箇所は、都度修正を加えます。
MBTIとの出会い
私がユング心理学を学び始めたきっかけは、MBTI (Myers–Briggs Type Indicator)との出会いでした。…ごめんなさい正しくは16Personalitiesです。本家MBTIからは酷評されていますが、MBTI を学んでいく内に、徐々にその理由が理解できました。もちろん著作権的なこともあるかもしれませんが、16Personalitiesはあまりに単純化しすぎて誤診断の山が生まれるからです。「MBTIへのいざない」を読むと、タイプ診断に対して、かなり慎重な立場を取っています。それがここまで単純化されると怒髪衝天かな、と。
とはいえ、MBTI を日本に広め、そして私同様、多くの人がユング心理学の素晴らしさの一端に触れることができたのは、16Personalitiesのおかげだと思います。私もお世話になったサイトですし、MBTIを始めるきっかけとして魅力的なので、生き残って欲しいと思っています。
ユング心理学/MBTI考察
ユングのタイプ論では「人の心理機能は8種ある。全ての人は8種の心理機能全てを持つが、主機能は人それぞれ生まれながらに決まっている。」とした。しかし、ユングは、その人の心の中に埋もれた残り7種の心理機能に関して、序列を決定しようとはしませんでした。
恐らく、いや間違いなく、ユングは達人的な観察眼を持ち、その人の言動から、8つの心理機能の内どの機能がどの程度育っているのかを瞬時に見分けることができたのでしょう。そして、それぞれの心理機能の相互作用や力学を熟知していたので、人を数種類のタイプ (例えば16タイプなど)にわざわざ押し込む様な分類法に意味を見出さなかったのではないでしょうか。つまりユングは、8つの心の変化を連続的に見ていたのではないか、と思うのです。これが、私が現在想像している究極的な心理分析法の最終形態です。
しかしそれを実践するには、ユング先生の類まれな才能と、精神科医としての長年の経験があったからこそなせる業であり、我々一般人がその域に到達するには、日々弛まず、途方もない修練を積むだけでなく、何か具体的な道標が必要でしょう。
そんなよちよち歩きの私達にとっての幸運は、ユング心理学を継承したMBTI (Myers-Briggs Type Indicator)やSocionicsの存在です。ユング心理学を基にして、その複雑な世界観を一般人にも分かりやすい様に「実用化」してくれているのです。MBTIは主に欧米で、Socionicsは主にロシアで発展しました。そして日々、その実用性について世界中の人々が議論を交わし、理解を深めています。この2つは、ユング心理学を基にしているという点で同じですが、その骨格は全く異なるとされ、かなりの重複はあるものの、必ずしも互換性は取れないとされています。しかし、私なりの解釈で言えば、この2つのシステムでやろうとしたことは、ほぼほぼ同じなのではないか、と考えています。ここでは僭越ながら、現在の私の解釈を勝手に述べさせて頂きます。
(ここからいきなりマニアックな話になります。私の記事全体の方向性として、考察がメインです。その一端としてご覧下さい。予備知識のない方は読み飛ばされて構いません。)
MBTI / Socionics共に、ユングの理論を拡張する目的は同じでした。つまり、全ての人が8種の心理機能全てを持つのであれば、主機能だけでなく、残り7種の心理機能も表したい、というものです。ではまず、どのように補助機能は決定され得るのでしょうか?
例えば、Fe (F=Feeling, e=extroverted)が主機能の人を考えてみます。通常人間は、自我を境界にして、内界⇆外界に意識を向けバランスを取る必要があるでしょう。従って、主機能がextroverted状態ならば、補助機能はintroverted 状態がバランスがいい。更に、FはJ機能 (=行動の動機を与える機能)であるため、バランスを取るにはP=S or N (=情報を取り入れる機能)が補助機能に来るのが望ましいでしょう (注:PとJは心理機能ではありません)。よって、①主機能②補助機能ペアは、①Fe②Si or ①Fe②Niという形が理想的なバランスです。
仮に、①Fe②Se or ①Fe②Neだと、意識が外界に強く向いているので、内界の情報 (過去の知識や経験)をかなり無視し、偏った行動を取りがちになるでしょう。(これは所謂、MBTIの①-③ループ/不健全状態と言われることで有名です。しかしSpectrum的に解釈すれば、健全な状態で①主機能Fe②補助機能Seである(①②が共にextroverted状態の)方も実際に存在すると思います。しかし16タイプは健常者に限定しているので、その様な個性的な人を含むことができないのではないか?そしてユングはその様に捉えたからこそ…Spectrumで解釈しなければならない少数派の人達がいるからこそ、16タイプ分類/補助機能の断定をしなかったのではないか、と推測するのです。)
私がこう言って誤解して欲しくないのは、だからMBTIやSocionicsが無価値だと言っている訳では当然ありません。大多数を分類することによって得られるメリットも、計り知れません。一方で、この16タイプでは表現しきれない、取りこぼしてしまう個性が確実にあるのではないか、という点に光を当てたいのです。
そして更に拡張すれば、健常者においてすら、16タイプ分類の心理機能スタック/モデルを絶対視することによって、解釈の柔軟性を失ってしまい、取りこぼしてしまう多様性が確実にあるのではないか?ということに光を当てたい。ここに、MBTIとSocionicsの本質的に共通する価値そして限界が見える気がするのです。
具体的に述べます。私のMBTIタイプはINTPですが、心理機能は①Ti②Ne③Si④Feです。そしてマニュアル通りにいけば、①Tiが最強、④Feが最弱です。しかし、同じINTPで比較しても、明らかに異なる個性が存在します。例えば、Enneagramを併用すると、INTP /5w4と、INTP /5w6は、明らかに違います。これは、5w4の方がFを強く持ち、5w6はFがそれほど強くないと推測できます。つまり、同じ心理機能スタック(①~④)でも、各機能の強弱はSpectrumということです。
それでは、生まれながらに右手ー左手両利きの人が居るように、同じJ機能軸で比較した際に、①Ti-④Fe両利きの人はいないのでしょうか?P機能軸において②Ne-③Si両利きはいないのか?そもそも、③SiはP機能、④FeはJ機能なのに、③Pと④Jで強弱を比較することは妥当か?少なくともPはP、JはJで強弱比較すべき (P=S⇆N, J=F⇆T)ではないか?これらをまとめて図にすると、次の様に、様々なINTP像が見えてきます。
このようにSpectrum的解釈を与えなければ、典型的INTP像から外れたINTP (例えば共感型INTP等) は、路頭に迷ってしまうでしょう。でも実際には、強烈な個性を持っている人ほど、典型的なタイプ像とはズレが生じるはずであり、その異質さはどこから来るのか?を内包できなければなりません。そうでなければ、現場の指導者の考えがスタックし、タイプ判定を下した生徒を、典型的タイプ像に無意識に押し込めようとしてしまう危険性があります。それはMBTI / Socionicsが強力な心理分析ツールであるから尚更です。結局は、当然ながら、INTPだって色々ということです。これは即ち、ユング達人が恐らく実践していたであろう、8つの心理機能そのものを見抜く力を養うことに、原点回帰しようという提案です。特に指導者は、この意識を強く持ち、自戒とすべきです。勿論私も。
それでは以上を踏まえ、MBTI / Socionicsに共通する本質的な価値は何か、という今の私の考えを明記します。それは、「健常者に限定した上で、①主機能 ②補助機能の2つを定義したこと」です。MBTI / Socionicsとも、この①と②は共通します。③以降の序列まで厳密に定義することはできないと、考えます。MBTI と Socionicsは、互いに③以降の心理機能の序列が異なるため、解釈にズレが生じます。それも、様々に多義的な解釈をしてしまえば、「あっちではああだけど、こっちではこう」、みたいな変な納得感だけは得られてしまいます。つまりMBTI / Socionicsの限界とは、「健常者の③~以降の序列までは明確に定義するのは難しい&16タイプに収まらないタイプも存在する」だろうということです。
ユング先生は、現在のMBTIやSocionicsを見て、どの様な反応をするのでしょうか?自分の研究がこんなにも社会に役立っている!と喜ぶのか、そうじゃないんだ!と嘆くのか。恐らくその両方でしょうが、後者の割合が高いと思いますね。ただしそれは、よちよち歩きの私達がユング達人に近付くために、必然の過程なのかもしれません。
本当はまだ書きたい所ですが、既に長いので別記事に委ね、キリが良い所で一旦締めます。…即ち、ユング心理学は8つの心理機能をSpectrum的に扱い、言うなれば無限のタイプを扱う究極の心理分析技術。一方、MBTI /Socionicsは健常者に限定を掛けることにより②補助機能を限定し、16タイプだけを扱う汎用技術。私はこの16タイプに柔軟性を持たせ、拡張し、無限のタイプに近付けたい。
健常者に限れば、
①主機能8種 × ②補助機能2種 = 計16種
これだけ見たら、③~⑧は無視していいのか?と思われるかもしれませんが、そうではありません。①②が決定すれば、③~⑧にも自動的にある程度の限定が掛かります。MBTI /Socionicsでは、③~⑧をそれぞれ異なる序列で固め過ぎてしまうことで、お互いの解釈に齟齬が生まれていると思います。私は大まかにMBTIに沿って記事を書いていくことになると思いますが、③~⑧の序列に関する私の考察はまた長くなるので、別記事で。
(私の記事の方向性を理解してもらうために、いきなりマニアックになり、すみません。また別記事では基本的な所も含めながら、できるだけ体系的に作り上げていきたいと思っています。)
MBTIでは、
ユングの3軸:I⇆E、S⇆N、F⇆T
マイヤーズの1軸:J⇆P
合計4軸に関して1つずつ、どちらが利き手かを選び16タイプが決定されます (2×2×2×2=16)。そして、その心理機能の並びに応じた典型的な振る舞いによって、各タイプは次の様に呼ばれています。
この様に、○○○○とアルファベット4文字で表記した方が、それぞれの典型的なタイプ像を取り扱い易くなるというメリットがあるのです。下の例の様に、8種類も心理機能が並んでいたら、混乱しますからね。
INTPの心理機能8つ↓
自我:Ti Ne Si Fe ⇆ Te Ni Se Fi:影
「影」の心理機能についての考察は、近い内に記事にします。
OKZK×MBTI=INTP
さて、私の診断結果は以下の通りでした。
INTP (論理学者) は、16タイプの中で最もオタクキャラが立っていると言っても、過言ではありません。MBTIは欧米ではかなりメジャーなコミュニケーションツールで、海外での議論は白熱しています。その中で、最もいじられているキャラがINTPです。海外では特にミームとして流布しています。
例えば、"MBTI - Levels of Weird"というこのリンク画像@Redditでは、最もディープな世界で生きている…人?これはすでに人ではありませんね。イルカ…?
こちらのリンク画像@海外Quoraは、INTPの"異様さ"について。
"What makes INTPs so different to other types?"
INTJ < "what the hell is that?"
"oh, just my mind" > INTP
(INTJを勝手にライバルだと思ってます。
冗談です。)
曰く、「ネジが飛んでいる」、「非常識」、「温かいロボット」等。私の経歴からして、ネジは飛んでいるでしょう (普通9年も大学行かないしポイッ!てしない)。借金地獄草。また非常識というか、常識を積極的に壊しに行く確信犯 (嫌われそう)。そして、人とコミュニケーションを取るのが苦手で、そのぎこちなさを周りの人は揶揄してロボットと言うのですヒドイデスヨネ。
中にはその異常行動 (の様に映る姿)を見て「サイコパス」と呼ぶ人もいるのですが、私はサイコパスではない。むしろ良く感動して涙を流すことが多いのです。恐らく、感情をもっと殺すことができれば、社会で活躍し易かったかもしれません。しかし、感情を抱えたINTPは、感動することが好き&人のLikeに飢えているため、「多くの人に感動を与えたい!」と渇望するのです。しかし…良かれと思うことが、周りからは異常行動の様に映ると。お労しや。
私の経歴を見ても、INTPであることは恐らく間違いないかと思いますが、少しいきさつを。I・N・Pに関しては、強過ぎて疑う余地はありません。むしろ、もうちょっと何とかならんか?と…閑話休題、気がかりはTかFか。私はバリバリの理系でしたし、数学が一番好きでしたので、まあTだろうとは思ったのですが、それでも内心、「Fも結構気にしてるけどな…?」という意識はずっとありました。つまり、INFP (仲介者) の可能性ってないのかな?ということを、結構長く悩んでいたのです。INTPはその特性上あるあるなのですが、自分のタイプを常に疑っては自信を固め、疑っては固めを繰り返すのです。こちらのミームは酷いですね。病的です。く、狂ってやがるぜ…!
Brain< Babe! It's 4am,
time for doubting your MBTI type again
and spending hours trying to solve
if you've mistyped yourself
Yes honey >INTP
しかし実際に、
とあります。「TとFの違いは何か?」ということを突き詰めて考えると、非常に味わい深い。これはこれで記事を書きたいと考えているのですが、非常にマニアックな話になりそうです。
バリバ理系の私でも悩むということは、恐らく多くの方が、「これって本当の私?」という疑問を抱えていらっしゃるはずです。今の私は、確信をもって、INFPではなくINTPだ、と言い切れます。それは、学習 / 実践する内に、「Fの取り扱いに関しても私はINTP的だ」と、自分で説明できるようになったからです。やはり、MBTIそしてユング心理学を学び、そのメカニズムをよく知ることが、自分本来のタイプ発見、そして自己改善の指針を立てる上で、最善だと確信します。
少し話は逸れますが、そもそも、16Personalitiesだけでは誤診断が山の様に出るはずです。誰もがツッコんだであろう…
「自分は夢想家ではないと思う。」
「自分自身のことを夢想家とは呼ばない。」
…夢想家って何www
「何か深遠なこと聞かれてるのかな…」って騙されちゃいけませんよ。「夢想家って…夢追い人か?おれのことか?」と思いましたね。調べると、「夢想家=実現できるか分からないことをよく想像する人、空想好きな人」ということらしいです。何だ結局おれかと。
16Personalitiesのコンセプトはとても面白いし、社会にインパクトを与えたと思います。(私個人としては)好きなサイトなのですが、肝心の質問票が…。この手の診断サイトは、少なくとも、質問が分かりやすく明確であることは必須ではないでしょうか。私もそうでしたが、初学者は、「何だか奥が深そうな質問だなゴクリ…」とビビっちゃいますよね。質問は分かりやすい方が良いに決まってます。
16Personalitiesのサイトの質問票と結果の関係を分析した結果、一つの質問が一つのパラメータに紐付いており、複合的にパラメータが動く訳ではないようです*。意外とシンプルな構造なんだな、と。
*例えば、
全ての項目で「同意する」を選んで得られた結果から、一項目だけ「同意しない」に変更した場合、「意識(E/I)・エネルギー(N/S)・気質(T/F)・戦術(J/P)・アイデンティティー」のパラメータの内、一つのパラメータだけが変動する。
私なりに咀嚼して作った16Personalitiesの解説質問票があるのですが…記事にするかもしれません。その他の診断サイトも同様に(分析すると)、コンセプトは良質なのに質問が分かり辛いものが多い気が。誤診断に繋がりかねん。
…脱線しすぎましたが、私の夢は、実用心理分析を用いた学習個性化の技術で日本を強くするという大それた夢なので、多くの人が正しく自分のタイプに辿り着けるか、ということは大切な問題だと、勝手に一人で盛り上がっている訳です。
さいごに
ここまで辿り着かれた方へ。少し変わってるって言われません?…失敬。多分ほとんど脱落したのではないでしょうか。脱線しすぎて。あと長すぎか。えぇ、INTPですから。SNSとか情報発信もしたこと無いんで、丁度いい按配も分かってないんですよね。私の自己紹介に皆さん興味持ってくれるか疑問ですが、相手に興味を持って欲しければ、まず自分のことを知って貰うのが筋だと思うんです。なのでまずは自己紹介だろうと。
実はまだこれ半分なんですよね。まだStrengthsFinderの話が残ってるんです。「どんだけ自分のこと話すねんw」、ってね。「ニーチェかよw」ってね。まあ…考えてもしょうがないんで、自分の書きたいことを書いていくつもりです。…そして半分で終わるかすら、了見の限りでは無し!
ボソ。
*豆知識も入れていくスタイル
私の目的は、実用心理分析を基にした学習個性化法を確立・普及させ、人と日本を強くする事です。手で数えられるほどの生徒と日々向き合い、私一人で指導に当たります。田舎の超貧弱塾から日本教育に干渉しようと目論むイカレた野郎だぜ、全く。無茶しやがって…!