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俳句・句集

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2023年8月の記事一覧

『現代俳句女流百人』を読む(30〜37ページ)

『現代俳句女流百人』を読む(30〜37ページ)

『現代俳句女流百人』より、俳句を紹介する連載。
好きな句と作者を紹介したいと思う。

井沢正江

繰り返す日常生活でふと
「前もこんな日があったな」
と思う瞬間がある。
そんな気持ちが句に結実した。

そう言われると確かに!の一句。

山田みづえ

野外の猫じゃらしが沢山生えている場所で泣いているのだろうか。
暗喩の可能性もある。

春の帽子の陽気さと、やるせなさの温度差のギャップがある。

鍵和

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『現代俳句女流百人』を読む-黒田杏子-

『現代俳句女流百人』を読む-黒田杏子-

『現代俳句女流百人』より、俳句を紹介する連載。
好きな句と作者を紹介したいと思う。

今回は
黒田杏子氏。



馬と白鳥がいる場所だということが一句から分かる。

景と構成の巧みさ。

怨みの句だと内容が重くなるが、
この句の内容はどちらかというと
結句の「なつかしみ」に比重がある。
そのせいか重さは少ないように感じた。

たかんなは筍の古語。

オオムラサキは蝶の名前。

場所も蝶も固有名詞

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『現代俳句女流百人』を読む-殿村菟絲子-

『現代俳句女流百人』を読む-殿村菟絲子-

『現代俳句女流百人』より、俳句を紹介する連載。

今回は殿村菟絲子氏。

作品の選

街の光景から街全体の憂愁を感じさせる句。

夫の急逝後、「万蕾」を創刊したとのことで、その頃の句。
そういった事情を加味すると、更に深みを感じる。

「祝ぐ」は「ほぐ」で、意味はことほぐとほぼ同じ。

Wikipediaより

また、お名前の漢字表記が正しいかを調べるついでにwikiを読んだ。

その一文に

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「現代俳句」2023年8月号を読む。

「現代俳句」2023年8月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

※()内はページ数。

列島春秋 (6~8)

(6)
存在は刹那の連続 空蝉が鳴く 
旭太郎

落人も見しか一縷の大蛍 
浅川 芳直

(7)
よく笑いよく食べ青き大昼寝 
Araki

濁点のような生きざま西瓜食べ 
馬場 民代

地方の力地区協会報を読む(12)

図書館に指紋をのこ

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