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2023年12月の記事一覧

歌集『パルティータの宙』(福田淑子氏)を読む。

歌集『パルティータの宙』(福田淑子氏)を読む。

歌集『パルティータの宙』(福田淑子氏)を読んだ。

歌集について

福田淑子氏の第二歌集である。

宙と書いてそらと読ませる。
この漢字の読み方は歌集の内容に大いに関係がある。

例を挙げると、歌集の帯にある一首。

※「宙」に「そら」とルビあり。

宇宙の宙でそらである。

その他にも、多様なテーマの短歌が収録されている。
それぞれ別々のテーマに見えるが、根底で「自分が生きること、誰かが生きたこ

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『風のアンダースタディ』(鈴木美紀子氏)を読む。

『風のアンダースタディ』(鈴木美紀子氏)を読む。

『風のアンダースタディ』(鈴木美紀子氏)を読んだ。

本について

書肆侃侃房による
新鋭短歌シリーズ34である。

「アンダースタディ」は英語で代役の意。

※語義が広いため、詳細をご覧になりたい方はwikipediaのリンクをご覧ください。

五首選

服を着ると、内側は暗くなる。

しかしこの短歌では、「白いワンピース」なので、白い光で体を包むイメージだろうか。

「読みかけ」という途中さが

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『レダの靴を履いて 塚本邦雄の歌と歩く』を読む。

『レダの靴を履いて 塚本邦雄の歌と歩く』を読む。

『レダの靴を履いて 塚本邦雄の歌と歩く』(尾崎まゆみ氏)を読んだ。

この本との出会い

文フリの打ち上げの席で
「塚本邦雄の短歌についての良い解説本が最近刊行された」
との噂を聞きました。
その本がこちらでした。

塚本邦雄の短歌については一度網羅的に読んで、「読んだことはある」状態になりたかった時でしたから
「渡りに船」の一冊でした。

内容と構成

文頭に塚本邦雄の短歌が一首掲載されており、

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