茶道のお稽古はマインドフルネス
小学5年生の時「茶道習いたい!」そう突然に母に願い出た私。
おそらく、お抹茶やお茶菓子を食べてみたいというような理由から始めたんだと思う。
一時的にお休みしている時期もあるが、25年以上細々とお稽古を続けていて、私の中で一番長く続いている『習い事』だ。
私より年上の人は『花嫁修業』という名の下にお稽古に行っていた経験がある人も多いと思うが、
私の世代は全くそうではなく、未だに私は社中(教室)で『一番若い人』のままだ。
「どうしてお茶習っているの?」
「そんな長い間よく続けられるね」
などと周りから言われることはもちろん多々あるが、
「なんででしょうね」
自分でもなぜお茶のお稽古はずっと続けているのか長い間よくわかっていなかった。
みなさんは『マインドフルネス』をご存じだろうか。
その起源である『ヴィパッサナー瞑想』は
訳すと『実況中継』であると教わった。
ヴィパッサナー瞑想は仏教の瞑想方法で、歴史は古い
現代では宗教色を取り払って治療として世界中で広まっているんだそう。
現代版のヴィパッサナー瞑想であるとも言われている『マインドフルネス』は、
自分の行動を実況中継しながら今に集中する瞑想法。
例えば、珈琲を飲む場合
右腕を上げる
↓
腕を前に伸ばす
↓
コップを持つ
↓
口元に持っていく
↓
飲む
そうやって自分の行動をひとつずつ実況中継し続ける。
気を鎮めたり、浄化したり、問題を解決するなどといったことではなく、
今の現状をありのままに受け入れ、ジャッジせず、ただ今この瞬間の自分を観ることを繰り返す方法だということだった。
何十年もお稽古に行っていると、基本的なお点前の順番は覚えてしまっているものだ。
しかし、毎回心の中で
(お茶碗を右手でとって左手で受けて右手でおろす)
(右手でナツメをとって左手で受けて・・・・・・)
次に何を手に取るかわかっていても、毎回そう唱えながらやっているのだ。
今ここに関係のないこと(例えば今日の晩御飯は何にしようかな)などを少しでも考えようものなら、
(あれ? 今どこまでいった?)
と、わからなくなってしまうのが不思議だ。
「何か気になることでもあるんですか」
そう先生にはすぐにバレてしまって苦笑いするのだ。
「だから、私はずっとお茶のお稽古にいってたんだ」
油断していたら、慣れた生活の中で無意識に行動し
過去に想いを馳せたり、未来への不安など、今ここでないあちこちへ意識がバラバラと散っていくが
心身ともに健康でいるために、月に3回でも今の自分にちゃんと戻る作業をずっと続けていたのだと、やっと腑に落ちた。
マインドフルネスは万人にオススメする!
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