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美しいルートで旅する旅人。写真撮ったり、文章書いたり、喋ったりしながら、次はどこへどう…

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美しいルートで旅する旅人。写真撮ったり、文章書いたり、喋ったりしながら、次はどこへどうやって行こうか、頭の中の地図に線を引いて過ごしています。

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長谷川等伯は私に圧をかけてくる

まだ27歳だったと思う。 ヒールで京都の街を一日中歩いても、帰りの電車に駆け込み乗車できた頃だ。 没後400年 特別展覧会『長谷川等伯』 毎日新聞からもらったチケットを持って京都七条へ向かった。 歴史を学ぶ大学を卒業したといっても、地理で卒論を書いた身の上であり、 歴史は嫌いだった……という人よりはちょっと知っているかな?程度の私は、長谷川等伯は「画家なんだろう」ってな具合だった。 国宝『松林図屏風』 長谷川等伯と言えばこの絵らしい。 「あそこにその絵があるん

    • それは残そうと思った人が残したもの

      自分が大学生だったのは、もう20年も前の話だと気が付いたのはキリよく40歳になったからだ。 私って大学で何を学んだんだろう・・・・・・ 「史学科だったので歴史を学んだんじゃないの?」 なんて、そんなしょーもないことは言わないでおくれよ 歴史が好きだからという理由で選んだ大学であることは確か、 実家からチャリで通えて…という言葉も付け加えておこうかな? 大学に通い始めてから、教授が研究しておられる歴史の深いところを教わる毎日にトキメキを覚えていたが、 何よりもあり

      • そもそも単位が違います

        トルコの民族格闘技、シャルバルギュレシュ世界大会へ 日本人選手団に帯同したときに出会った国の人たちは、 私が行きたくて知りたくてたまらない国の人たちばかりで 国の名前を聞くだけでトキメキを覚えた。 キルギス ジョージア アゼルバイジャン トルクメニスタン 北マケドニアという初めて聞いた国まで。 私「私が最も憧れているキルギスの人と仲良くなってさ」 実家のリビングで突然話しはじめる私 私「アゼルバイジャンとかジョージアの人とも知り合えて、私の中の地図に彩り

        • プリンセスは選べるシステム?

          私には、若くで結婚し実家から車で4時間の場所で暮らしている妹がいる。 ありがたいことに女の子を3人も産んで、私は何もしていないのに3姉妹の伯母さんにしてもらえた。 年に数回、妹の家に遊びに行くと、姪っ子はみるみる大きくなっていく。 「おばちゃん、プリンセスごっこしよ」 (本当はお姉ちゃんと呼ばれているが、ここではわかりやすくこう書いておく) そう誘われたとき『お姫様ごっこ』はいつの間に『プリンセスごっこ』と英語で言われるようになったのか、姪っ子は英語を話せるのかと軽

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        長谷川等伯は私に圧をかけてくる

          それって…アグネスチャン的なことですよね?

          大河ドラマで『麒麟がくる』がスタートする頃だったと思う。 明智光秀の主君であり、織田信長の義父である『斎藤道三』が登場する。 「お母さん、今度の大河ドラマで斎藤道三を本木雅弘さんがやるらしいで!」 歴女の私だけれど、残念なことに家族の誰もが歴史に疎いので、母が興味を示すであろう切り口で話しかけた。 「ああ、大河ドラマな、サイトウドウな、お母さんでも聞いたことある人物やわ」 いつもは歴史の話をしてもあんまりノッてこない母だから、ちょっと嬉しくなった。 「へ!お母さん

          それって…アグネスチャン的なことですよね?

          藤田嗣治からの挑戦状

          2018年、冬の京都へ。 『没50年 藤田嗣治展』が京都近代美術館で開催された。 京都の四条にあるロシア料理店 『レストランキエフ』にて 自分のノートに『藤田嗣治展』の感想を、そこはかとなくかきつくる。 はじめまして、嗣治さん 明治生まれの藤田嗣治は、生涯の約半分をフランスで過ごしたらしい。 藤田嗣治の絵はどの作品が有名かというより 『乳白色の肌』 といわれる独特の色味への評価が高く、中でも裸婦像でそれが際立っているらしい。 私自身、藤田嗣治の絵を見るのは

          藤田嗣治からの挑戦状

          初めて『旅したい』と思った場所は?

          行ってみたい!!!! 人生で初めて旅行したいという気持ちを抱いた時のことを覚えていますか? 私の場合は小学校の6年生の歴史の授業で『鎌倉時代』を習った時だった。 今の今まで、飛鳥だ! 奈良だ! 京都だ! と言っていたと思うと、急に鎌倉ってなに? それってどこなの? 大阪生まれ大阪育ちの私からすると、教科書に出てくるほとんどの場所は実際に知っている場所だったのに、突然のニュープレイスだ。 「鎌倉ってざっくり東京の近く」と聞いて (日本の首都くらいはわかる、そして行っ

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          茶道のお稽古はマインドフルネス

          小学5年生の時「茶道習いたい!」そう突然に母に願い出た私。 おそらく、お抹茶やお茶菓子を食べてみたいというような理由から始めたんだと思う。 一時的にお休みしている時期もあるが、25年以上細々とお稽古を続けていて、私の中で一番長く続いている『習い事』だ。 私より年上の人は『花嫁修業』という名の下にお稽古に行っていた経験がある人も多いと思うが、 私の世代は全くそうではなく、未だに私は社中(教室)で『一番若い人』のままだ。 「どうしてお茶習っているの?」 「そんな長い間

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          曜変天目は自分が美しいことを知っている

          モノにも意思と意識がある。 私は一つの茶碗に在り方を学んだ。 【大徳寺龍光院 国宝 曜変天目茶碗】 小学生のころ「茶道を習いたい」と母に突然いったらしい私は、今でも細々と茶道のお稽古に行っている。 その割には茶碗にそれほど詳しくはないが、全く知らない人よりは知っているはず。 曜変とはその柄のことをさし、天目とはその形をさす。 曜変天目は世界にたった3つしかない茶碗で、その全ては日本にある。 中国福建省で南宋時代に作られたものだが、曜変の柄ができたものは不吉とされ

          曜変天目は自分が美しいことを知っている