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そもそも単位が違います

トルコの民族格闘技、シャルバルギュレシュ世界大会へ

日本人選手団に帯同したときに出会った国の人たちは、

私が行きたくて知りたくてたまらない国の人たちばかりで

国の名前を聞くだけでトキメキを覚えた。

キルギス

ジョージア

アゼルバイジャン

トルクメニスタン

北マケドニアという初めて聞いた国まで。

私「私が最も憧れているキルギスの人と仲良くなってさ」

実家のリビングで突然話しはじめる私


私「アゼルバイジャンとかジョージアの人とも知り合えて、私の中の地図に彩りが増したわ」

すると、珍しく両親が反応

父「アゼルバイジャンっていう国? 都市の名前か?」

私「いや、国名やで」

母「ジョージアって…コーヒー…?」

私「笑!いやいや、それも国名やで」

うちの両親は地理に興味がない

よって、それらの知識が極端に欠落しているのは承知していた。

私「 ジョージアってさ、グルジアっていうたらわかる?」

父「グルジアはなんとなく聞いたことあるある」

私「もう今はグルジアじゃなく、ジョージアと呼ばれているねん」

父の中の世界地図は学生時代から更新されていないようで、

今でも『ソビエト連邦』と書いてある地図を使い、

それでも問題ない世界で生きているようだ。

私「キルギスはわかるやろ?」

母「キルギスはわかるわ! 有名やわ! キルギスユーフラテス……やろ!」

私「........へ?」

一瞬、私の脳内がスパークして、目の前が真っ白になってしまった。

私(もしかして…)

私「それをいうならチグリス・ユーフラテスちゃう!?」

母「ああ、それそれ!」

私「お母さん、今から重要なことを言うよ」

笑いながら前置きをし

私「それ、そもそも単位が違うわ、チグリス・ユーフラテスは川やねん、国じゃない」

母「うっそ~恥ずかしいわ~笑」

母は自分の勘違いで大笑いするというエコな笑いを満喫している。

それを横目に父がボソッと

父「メソポタミア文明か…」

私「その通り、それはすぐ出るんやな…」

父「それは学校で習ったからわかるわ」

突っ込みどころが多くなって

そもそも私は何の話がしたくて両親に話し始めたか、

自分でもわからなくなる。

またこの展開だ。

話す相手を間違えた。

もう話すことをあっさり諦めた。

若かりし頃はこういう展開に

「私の興味を両親にはわかってもらえない」

と、悲しくなることは多くあったけれど、

大人になってわかってもらえる人が周りにたくさんいるから大丈夫と今は笑える。

逆にここまで話に付き合ってくれただけでも両親に感謝できるようにもなっている成長ぶりだ。

私「それは国、それは川、そもそも単位が違うから」

父母「へぇ~」

ほら、もう私の話に耳を傾けていない。

これは私の人生によくあることだ。

トルコの民族格闘技、シャルバルギュレシュ世界大会の観客席

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