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【質問】カフェインは一日に何mgまでにすべきですか?
コーヒーやお茶、エナジードリンクから日常的にカフェインを摂取している人は多いでしょう。以前に
なんて記事を書いたりもしてますが、これらの効果の多くのウエイトをカフェインが担っていると考えられております。
しかし難しいのが「一日にどのくらいのカフェインをとってよいものか?」というところ。カフェインには上記のようなメリットもある一方で、カフェインをとりすぎると、
睡眠障害
頭痛
イライラ
神経過敏
日中の眠気
疲労感
仕事へのモチベーション低下
集中力低下
認知能力低下
筋肉の硬直
インフルエンザ様症状
血圧上昇
といった様々な症状が出ちゃう可能性があるんですよね。見ての通り、カフェインの摂りすぎはカフェインの禁断症状と似たような状態を引き起こす可能性があるってんで付き合い方が難しいわけです。
カフェインは一日どのくらいまで摂っていい?
もちろん、カフェインへの反応は個人差が大きいんで、一概に言えないというのは当然ですが、結論から言えば、
健康な成人の場合は一日400 mgまで!
というのが大きな目安となりましょう。これは、欧州食品安全機関、米国科学アカデミー、カナダ保健省などが採用している基準で、定期的な摂取量が400 mgを超えると上記のようなデメリットが出始めるというんですな(最大でも800 mg)。ただし、カフェインの半減期は大体5時間くらい(個人差は大きいが)であることを考えると、就寝前に100 mgでも摂取すると睡眠の質に影響が及ぶ可能性が高いぞ!って注意書きもあって、睡眠という観点では量と同時にタイミングにも十分注意すべきでしょう。
また、妊娠中の女性や子供はさらに摂取量の目安を低めに設定すべき。といっても現時点で十分なエビデンスがあるとは言えないんですが、以下のような情報は参考になるでしょう。
EFSAやその他のレビューでは、妊娠中、授乳中の女性は、カフェインの摂取量を1日あたり200~300mgに制限することを推奨している。それ以上摂取すると吐き気や流産等のリスクが高まる可能性がある(特に妊娠中はカフェインの代謝・排出により多くの時間を要することを覚えておくべき)
子供のカフェイン摂取量は2.5~3.0 mg/kg/dayを目安としているケースが多い(EFSA、カナダ保険省など)。具体的には、
4~6歳:~45 mg/日
7~9歳:45~62.5 mg/日
10~12歳:62.5~85 mg/日
といった感じ。2013年には科学者チームが「入手可能な科学的証拠は、エナジードリンクに含まれるカフェイン濃度と、特に子供、青年、若年成人の健康および安全への悪影響との間に強固な相関関係があることを示している」という趣旨の書簡をFDAに送っていて、より慎重な態度が求められる
カフェインが数時間の間血圧を上昇させることはよく知られているが、健康な成人の場合、上述の一日400 mgまでというルールを守れば心血管疾患のリスク上昇につながる可能性は低いと考えられている。しかし、既に血管や心臓に問題を抱えている人における長期的な影響については十分なデータがなく、お医者さんに相談の上ケースバイケースで判断するしかない。ちなみに、心臓や血管に問題を抱えている場合、カフェインが致死量に達する場合もあるため、慎重に考えるべき(一般の成人の場合の致死量は150 mg/kg程度)
mgとかで言われてもよくわからんのだが?
ってことで、大体のカフェイン摂取量を目安をお伝えしてきたわけですが、実際のところ「自分がどのくらいのカフェインを摂取しているのか?」
を正確に判断するのはかなり難しかったりします。というのも、コーヒーやエナジードリンクの製品、豆の種類、収穫処理方法、保存方法、抽出方法(エスプレッソ、フィルターなど)といった各種要素によって一杯に含まれるカフェインの量が大きく変わってきちゃうんですよ。具体的な商品別にみれば、
Monster Energy: 145 mg
Coca-cola Energy: 99 mg
Red Bull: 76 mg
Coke Zero: 36 mg
Starbucks medium roast, short: 155 mg
Dunkin' Donuts brewed coffee, small: 150 mg
Starbucks Doubleshot: 110 mg
McDonald's regular brewed coffee, small: 109 mg
Starbucks Dark Mocha Frappucino 70 mg
Nespresso Livanto and Roma, smal: 51 mg
って感じで、ばらつきの様子が見て取れるでしょう。同じ店のコーヒーでもアイスかホットかによって1.5~2倍程度カフェイン含有量が変わってきたりもしますしねぇ。
また、8種類の抽出方法について比較検討した2019年の研究では、抽出方法によって3~6倍の差が出ることを示してまして(エスプレッソが最も高濃度)、やはり個別具体的な検討の必要性が伺えるでしょう。
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というわけで、いつも同じコーヒーしか飲まん!って方はすぐに計算できるでしょうが、いろんなところで色んな種類のコーヒーを飲む!って方は要注意。たまに基準をオーバーしちゃう分には大きな問題はないですが、慢性的に摂取しすぎると上述の悪影響が現れると同時にメリットも得にくくなってきますんで。
繰り返しになりますが「基準」ってのは個人によってばらばらですんで、睡眠や血圧、気分の日記等を参考にしながらオリジナルの基準を設定していただければよいかと思います。
参考になれば幸いです。ではまたー。
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