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すべてなんてない?

石田衣良さんのエッセイ
『恋は、あなたのすべてじゃない』
今ちょうど半分くらい読み終えたところなんですが、これって「恋」だけじゃないなぁっておもいました。
「恋」の部分にはいる言葉は「仕事」でもいいし、「家庭」になるのかもしれないし、「趣味」とか「友」、「学校」とかもはいるのかな。
人それぞれあるとおもうんですが、なんにしても「○○」がすべてになることはそんなにないんじゃないかなぁって今のわたしは考えています。
たとえば短期的に恋のはじまりはその人のことばかり考えてしまうとかもあるかもしれないけど、仕事だったり学校だったり家庭だったりとなんらかきっと所属するものがあって、そこでの自分もいるはずで。
そんなことを言いたくてのタイトルな訳じゃないってことは承知しているつもりだけど、そんなに人ってわりきれるものじゃない気がしました。
でも、たしかにその時その時間はすべてだっておもってしまうほどのめりこんでいく恋だってあるかもしれないし、それも恋にかぎらずだけれどそんなに没入できるものがあるってそれはそれで幸せなことなんだろうなともおもいます。

わざわざいうまでもないけど、とても良著です。
やっぱり石田さんが大好きです。
音楽では男性アーティストの方がよく聴くけど、こと小説に限っては女性作家さんの方がよく読むなかで、わたしにとってはめずらしく無条件に手に取る作家さんかもしれない。
IWGPほど鮮やかに現代を切り取っていく作品をしらないもの。

なんてことで、さめざめと雨の降る中とりあえず出かけてみようと車に向かってます。

恋はわたしのすべてじゃないけど、それでも恋はやっぱりたのしい。

また、お目にかかれますように。

おくり化粧師 Kao Tan

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Kao Tan
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