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悶絶スパイラル (三浦しをん) 2023.6.15

こんばんは。今日も一日頑張ったからご褒美にコーラを買ってあおぎながら帰ったももこです。

今週読んだ一冊は、『悶絶スパイラル』著:三浦しをん です!
三浦さんのエッセイ面白かったし感動することも‥。

心に残った言葉↓

もちろん私は、イカリちゃんを誘拐することなく電車を降りた。漫画を買って、家に帰って読んだ。自業自得ながら仕事はピンチなままだ。パソコンに向かっていると、イカリちゃんの「ダメ人間!」というキャンキャンした声がよみがえる。そういうものなんだよ、イカリちゃん、と心のなかで呼びかけてみる。そしてイカリちゃんの幸せを、心の底から願う。

悶絶スパイラル

「『放課後』と聞いただけで、切なさと甘酸っぱさと冒険へのときめきと若干のいかがわしさが想起されるもんね。すばらしいよ。比較的新しい、明治期ぐらいにできた言葉のような感じがするが」
「うん。学校制度の確立とともに、役人が作ったんやろうな。それにしては、卓越したセンスや。どうして一緒に、『会社が終わったあと』をあらわす言葉も作ってくれなかったんやろ」

悶絶スパイラル

その傾向は私にもある。自分だって万全に決まり事を守ってるわけではない。むしろ、トンチンカンなことを平然としてる割合は、ほかのひとに比べて多いほうのような気がする。にもかかわらず、変な正義感を振りかざしたり、わけのわかんない義憤に燃えたりするって、おかしいだろ。ぶるぶるぶる、気をつけねば・・・・・・!

悶絶スパイラル

やりたいことが決まっているだけでも第一関門突破なので、あとは流れのおもむくままに(またか)過ごすのがよかろうと思うのであります。でも、大福をかじりながらボサッと待っていても逆にストレスが溜まる、という場合は、自分なりに行動に移すと吉だろう。

悶絶スパイラル


この小説は、私が読んだ三浦しをんさんのエッセイ初の作品!文の運び、語彙力、なにもかもが面白くて、クスッとわらってしまうしツボに合う。
それと、なんだか気が合いそうだなと勝手に思ってしまう考え方も持っていて、昔から大好きな作家さんです。
中でも気に入ったのがイカリちゃんのお話。三浦さんが電車に乗っていた時にぷんすか怒っている小学生(しかも低学年だったっけ?)を見かけたときの話だ。少女はとてもどうでもいいことに友達に怒っていて、しかもそれも電車の中で。そんな様子を見たみうらさんは、正義感を洗脳された彼女をかわいそうだな・・という哀れな目で見るというお話。
その少女は友達のことを「○○しないなんて!ダメ人間!」と怒鳴っていたというのだが、そんなあるルートから外れたら「ダメ」と認定され続けてきた、一種の教育という名の洗脳をされたイカリちゃん(仮名)をわたしもかわいそうだなと思ってしまった。
作者は、イカリちゃんをもっと幸せな人生にできる気がするといっていたし、最後には彼女の幸せを願うという終わり方で余韻が残った。
その日、私の頭の中にはダメ人間という文字がとても強く残っていた。自分のことをダメ人間だと思うことはたまにあるけれど、人のことを思うのはそんなにない。一生懸命働いている店員さん、不器用な柄にもコミュニケーションをとろうとする美容師さん、小さなことでも毎日頑張る整備員さん。私の毎日を振り返ると、そんな人であふれているな…。と。
毎日毎日、みんなが必死に生きていて、時には疲れて自分だけが苦労をしてしまうなんて自己中な考えになってしまう時もあるけれど、この世にダメ人間なんていないんだよな、と思う。
だけど、時々自分にはそう思ってしまう時が私にはある。特に今週は毎日泣いて過ごした。(6月病なのか?)○○病っていっておけば一生病気になれるよね。(笑)
もっと、こうしておけばよかった。あの時顔に出さなければよかった。自分だけが疲れていると思わなければよかった・・などなど。
毎日120パーの元気を出して、毎日疲れる。70パーでいこういこうと思いながら、疲れて今日はだれもいない間に職場の床に寝そべっているじぶんにびっくりした。こんなことになったのは初めてだ。
だけど、疲れを見せないように顔に出さないようにもっともっと頑張ろう。私はダメ人間なんかじゃない。あなたもダメ人間なんかじゃない。少しでも毎日、前に進めている。今日も学校に行ってえらい。会社に行ってえらい。お布団に入ってえらい。本を読んでえらい。何もかもえらい。
私はそんなことをみんなにも毎日思うし、自分にもそう思えるようにしようと思った、そんな素敵なエッセイの感想でした。

明日も70パーで行こうね。



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