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大好きな花で、高校時代を過ごした大熊を彩りたい【おもせ〜ひと vol.3】

福島県大熊町の”おもせ〜ひと”(=面白い人)を数珠つなぎ形式でご紹介するインタビュー企画「おおくままちの”おもせ〜ひと”」。
3人目にご紹介する”おもせ〜ひと”は、大好きな花で大熊の盛り上げを考えるTさんです。

Tさん
福島県浪江町の出身。福島県立双葉翔陽高校に通い、高校時代は大熊で過ごしたそうです。高校、大学で農業を学び、栽培農家での経験もお有りです。
大熊町を花で彩りたいと模索中。現在はクマプレで開催されるイベントで花壇の植え替えをするワークショップを計画中です。

ジモットワーカーのお茶会で紹介していただきました。普段はzoomで町の様子などを情報交換されているそう。私達インターン生も温かく受け入れてくださいました。

大熊で過ごした高校時代や、大好きな花で町を彩りたいという思い。大熊町の交流スペース「クマプレ」で計画中のワークショップについても伺いました。


暗いイメージの街を花で彩りたい

ーTさんは大熊でどんなことをしていますか?

Tさん:大熊を花でいっぱいにして町を盛り上げようと思っています。
クマプレの前に花壇があるんですけどまずはここの整備から始めていって、だんだん町の中に広げていったらいいなと模索中です。

Tさんが整備したクマプレ前の花壇

ーどうしてこの活動を始めようと思ったんですか?

Tさん:大熊は避難指示で人がいなくなっちゃって、壊れたものばっかりあって。でも、花があれば暗いイメージがちょっと和らぐんじゃないかなと思っています。
そうなれば花を見に大熊に来てみようという人も出てくると思うし、そういうところを目標に今やっています。

人がいなくなっちゃって・・・。
夜に明かりがなくて、建物もボロボロになって、未だに『ゴーストタウン』なんて呼ばれることもありますね。
かと言って『復興復興』で新しいものばっかり作っちゃうと、元々いた大熊の人は「なんか、昔の大熊じゃなくなったね」とさみしい気持ちになると思うんです。
じゃあ、元々あった自然を活かして景観をよくしていこう。」
そう思ったのが活動のきっかけです。

Tさんが植えたペチュニアの花

ー目標はありますか?

Tさん:最終的には富岡の桜並木みたいになって、花を見に色んな人が来てほしいです。
来た人が、「花がいっぱい咲いててきれいな町だったよ」と言ってくれる様になって、そこからイメージアップに繋がっていけばいいなって思ってやってます。

「あの時の大熊に近づいてほしい」

ー高校時代は大熊で過ごしましたが、当時の町はどんな印象でしたか?

Tさん:人と自然が共生して緑豊かなよくある田舎町みたいな感じでした。
大熊は梨が有名でした。今は更地になってしまい、草だらけになってるところがあるんですが、あそこって元々は一面が梨畑。高校では梨の受粉を体験したり、選果場に行ったり、梨はすごく町の押しでしたね。

ー高校時代を過ごしたことが活動のモチベーションなんですね。

高校時代が私の人生の中で一番楽しかった。
近所の人で集まってお茶飲んで
田舎ならではのゆったりした時間をもう一度味わえたらなと。
あの頃の大熊に近づいてほしい』という思いはあります。

Tさんの母校双葉翔陽高校(大熊町写真館より)

ー未来の大熊はどうなっていて欲しいですか?

Tさん:すごい便利な都市になってほしいとかは別に思わないです。
これから復興していって近代的なものばかりだとちょっとアレ?ってなるし。
だからこそ、
昔の風景を思い出せるような自然環境は残していきたい。
その残すところに私が手を貸せるのならばという思いです。
花を見て悪い気分になる人はいないので、心穏やかになってもらいたいです。


ー9月17日にイベントを計画中とお聞きしました。

Tさん:来場してくれた方と、クマプレの花壇を一緒に植え替えれば面白いんじゃないかと企画してます。今は私一人でやっているんですけど、町民の方とか一緒に作業してもらえる方が増えていくと盛り上がるかと。

私の考えを町民としてどう思うのかを聞いてみたいです。町民の方から、
「もっとこうしたほうがいいよ。」
というのがあれば教えてもらいたいです。

イベントに向けて土を準備中です

町民も町民外も見に来て

ー避難されている町民の方に向けて伝えたいことはありますか?

Tさん:いろいろ頑張っている人がいるから見てあげてねと。
学生さんとかが大熊町に来て発信したりしてて、すごいなと思います。
それぞれの事情があるから無理に帰ってきてとは言えないけど、気が向いた時でいいから、大熊町に来てくれたらいいかなぁ・・・と。

━町民外の方に向けて伝えたいことはありますか?

Tさん:大熊町に興味を持ってもらえたなら是非一度来てもらいたいです。
画面で見る大熊町ばかりじゃない。生きてる大熊町を感じてもらえたらいいのかな。


編集後記

大好きな花を活かして町に貢献できるのが素敵だと思いました。
Tさんは大熊町出身ではありませんが、高校時代を過ごした地で活躍をされています。
「一番楽しかった時期」と表現していましたが、大熊で過ごした時間をすごく大切にされていると感じました。

今の大熊町は雑草が生い茂る緑の風景が広がっています。Tさんの活動が広まって、カラフルな花々で大熊町が彩られていけば、楽しい町になりそうです💐

インタビュー:殿村・中井
編集:中井

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