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雅楽を25年やってみた

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「なんか日本の楽器したい」と、雅楽の龍笛(りゅうてき)を始めて、いつのまにか25年。思い浮かぶことを書いてみますね。 *参考:初心者向けの説明を別マガジン「雅楽初心者に届けたい実…
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#龍笛

台湾からの音楽学留学生が「『春の海』こそ日本的な音楽と思っていた」と書いたことをめぐる感慨

台湾からの音楽学留学生が「『春の海』こそ日本的な音楽と思っていた」と書いたことをめぐる感慨

「日本的な音楽」ってなんだろう?と、また考えてしまいました。

私と、私が宇治市で主宰している龍笛練習サークル「ばう」のことを、大阪大学大学院・音楽学研究室の呉瑋芳さんが「大阪日日新聞」の「関西の音と人」に書いてくださいました。(2021年1月19日付)

呉さんは台湾からの留学生で、以前私がユーチューブチャンネルの「うじテレビ」に出演した時の収録現場にいました。
番組はこちら
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こちら側の世界とあちら側の世界を行き来する 〜龍笛を奏でて思うこと

こちら側の世界とあちら側の世界を行き来する 〜龍笛を奏でて思うこと

笛の音は古来、向こうの世界とこちらの世界、あの世とこの世を結ぶものと考えられてきました。

あの世というものがあるのかどうか私には分かりませんが、龍笛を吹いていると、隠された世界があるのを感じることがあります。

隠された世界というのは、言葉では表現できないもの、表立って現れないもの、意識ではつかめないもののことです。それは「感じるもの」です。

私たちは普段、頭で色々なことを考えています。誰かに

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その笛の個性に合わせる、努力をするのだ 〜購入した高ピッチ龍笛の吹き心地

その笛の個性に合わせる、努力をするのだ 〜購入した高ピッチ龍笛の吹き心地

龍笛吹きです。
購入した高ピッチ龍笛の吹き心地を、いったん書いてみます。

前置き 高ピッチ龍笛とは
現行の雅楽は、標準音が黄鐘(おうしき・雅楽の音名の一つ)=430Hzとされています。

ただ、洋楽器との合奏を意識して、黄鐘=442Hz調律とされる樹脂製(いわゆるプラ管)が市販されており、購入しました。(タイトル画像・上側の笛)

【関連ノート】「とうとう高ピッチ龍笛を買った」「初心者の時に買っ

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初心者の時に買った樹脂製龍笛は「高ピッチ」だったの?

初心者の時に買った樹脂製龍笛は「高ピッチ」だったの?

2019年12月21日、「とうとう高ピッチ龍笛を買った」というノート(以下、前ノート)を書きました。

その後気付いたことです。

①高ピッチ龍笛は、やや短かかった前ノートで、新たに購入した「442Hz」管と、持っていた樹脂製の「430Hz」管を比べ、長さは同じ、などと書きました。

改めて、手持ちの古典調律の本管(煤竹製)と比べたのがこちらです。

尾(右側)を揃えて撮りました。
【上(奥)=「

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とうとう高ピッチ龍笛を買った

とうとう高ピッチ龍笛を買った

龍笛(りゅうてき)のピッチの話をします。音の高さです。

昭和40年代、「黄鐘」(おうしき。雅楽で用いる音名の1つ)を430Hzとする考えが広まりました。

それまでも事実上は、ほぼそうだったようですが、数字で把握することがなかったようです。(参考 【なぜ雅楽は430ヘルツ?】日本雅楽会)

以来今日まで、「雅楽の基音は430」「黄鐘=430」と数字で表現されています。

龍笛も「黄鐘=430」で

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