オクダマリ(たぬきでゴー)

今年四月、一番大切なひとをお見送りしました。応援してくれていたので、私の祖父の茶道の本…

オクダマリ(たぬきでゴー)

今年四月、一番大切なひとをお見送りしました。応援してくれていたので、私の祖父の茶道の本をわかりやすい現代語版にしたいと思います。英訳も同時に進めています。日本で生まれ育っていると、何気なく知っていること、その由来。え、茶道って宇宙観なんだ。応援してください。 平穏、平和。

最近の記事

3. The truth of the tea ceremony

The words that simply express the mind of the tea ceremony are "和敬静寂(wakeiseijyaku)" (*1).(*1) harmony、respect、purity and tranquilityIt is a wonderful pleasure thing that these four verses have been respected and handed down from generation

    • 茶味 Origin of the tea ceremony 2

      After all, the tea ceremony was thought to have been put together by Rikyu. Anyone who talked about the tea ceremony came to say "Rikyu" anyway.However, it was by his master Jōo Takeno and his disciple Munehira Namnbou who made the tea cer

      • 茶味 INTRODUCTION 1

        It has been three years since Prof. Haruji Nakamura built the tea room Fugenan (*1). *1 Hermitage of silence* Haruji Nakamura Pioneer of free education in the Taisho era. Founder of Seikei Gakuen. I was given a valuable lesson that I sho

        • The taste of tea 2、茶道の由来(整え版)

          結局、茶道は利休によって、まとめあげられたと考えられ 茶道の話をする者は、利休、利休、という。 その利休が茶道を大成することができたのは、 その師、武野紹鴎と、その弟子の南坊宗啓との縁が大きい。 よって 、茶道を説明するには是非とも、彼ら師弟3人の問答を考察する必要がある。 一般的に茶祖と言われ、茶道を日本に持ち帰り広めたのは、村田珠光である。 珠光は幼名を村田茂吉といい、南都称名寺※に住み、三〇歳ごろから紫野大徳寺※の一休和尚についていた。 ※称名寺(しょうみょうじ

        3. The truth of the tea ceremony

          The taste of tea 12 真の生活

          【和敬清寂】を身につけ、【精行倹徳】の燈を得て、 さらに整え高めながら、「わび茶」の道を歩いていく時、 名目だけの稽古から、生活の真意にうつっていき、 【賓主応接】の礼儀、【彼此談論】の和合は【法喜禅悦】の求道心を好み、【感謝報恩】感謝して恩返しをしようという気持ちになり、それを続け、ここに飾らない生活が営まれる。 正しい構えの体を、清潔な衣服でおおうことによって、端正な姿が得られるので、衣服よりもまず、その構えを省みる時に自分の醜い姿をそのままにして、いたずらに流行を

          The taste of tea 12 真の生活

           The taste of tea 11・無碍自在.思いのまま

          「茶境」は決して、いつも四畳半にだけ存在してくれているものではない。 わざと趣きを作り喜ぶ茶室の外に、 主客共にその趣きというものに、捉えられた天地から逃れて、 わざとなんの趣きを作らずそこに真の趣きがあり、 わざとなんの働きも営まず、そこに真の所作があるというようになれば、 茶席や茶会を超越して、【和敬清寂】と分けへだてない、真実の対象が、随時、随所に見えてくるのである。 紹鴎は、花紅葉のように、かなりの壮麗(規模が大きく整って美しい)を極めた書院臺子(しょいん

           The taste of tea 11・無碍自在.思いのまま

          The taste of tea 10 茶境

          主人も客も世俗の汚れを洗いさって、 静寂の中、仲睦まじく過ごし 悠然として楽の心に願い通りになっている時、 それを茶境という。 降り積もる雪の、楽しさに、天王寺屋宗及(※)思いがけない時に、利休の庵を訪れた。 まだ、暁会を催していないのに、門の戸は、すでに細く開けられていた。 案内をお願いして、腰掛けに、座れば、 庵から、漏れる名香が静かな路地に薫ってきて、その趣きは、ひときわである。 迎えられて、席に入れば、 とても松風の音がさわやかである。閑談をしばらくし

          the taste of tea 8 器うつわ

          珍しい器に対する物欲は、部屋の埃、心の汚れである。 一箪食 一瓢飲(論語より・わずかばかりの飲食物)を持って、 足りる楽しみを知らずに、境遇に満足することの本質を忘れて、 一を得れば、二を願い、三の器を五に働かす、その工夫を忘れて、いたずらに、他人の宝をすべてうらやむ。 このままでは、茶はかえって、心身のわずらいになってしまう。 まして、器ものの新古、価値の大小は、この道を楽しむ人の論じることではない 豊富秀吉邸の溜まり場に集まった、諸大名が茶器の品評をしておられ

          the taste of tea 8 器うつわ

          The taste of tea 9

          豊臣秀吉は、徳川家康邸に遊びにいくという、狙いを伝えた。 家康は、この話しを受けて、家に帰り、 大きな都市ではいつでも美食で飽きているであろうが、 ただあっさりと茶だけでもてなすのでは、良くないかと思い、 お堂と露地を払い清めて、 自分で、壺の口を切り、 朱斎に命じて一袋の茶をひかせた。 翌朝、秀吉邸に伺い、突然やってきたことを謝り、 すぐに帰り 自分で水屋に入って茶を点検した。 茶が非常に少なかったので朱斎を呼んでなぜかを聞いた。 家康の愛息子の水野監

          the taste of tea 7所作と言葉

          心の働きが、その時の状況に合わせた動作となる。 これを「所作」という。 言い換えれば、主人においては、もてなしぶり、客においては、客ぶりである。 この二つが交じり合う時、 主人は、客の心になり、 客は主人の心になって、不昧公の、 「主人の粗相(あやまち)は客の粗相、客の粗相は主人の粗相」 という主客和楽の境地が開かれるのである。 「馳走」(もてなし)と言うのは文字の示す通り、かけ走るのである。 すなわち主人自らが、奔走し尽力し、客をもてなすことである。 こ

          the taste of tea 7所作と言葉

          The taste of tea 6 自然の趣き(味わい)

          客を迎えて、もてなしをする時、 その主人の真心は、一種の趣きになって現れる。 それゆえ、この趣きは 出さなければならないというよりは、 主人の心から自然に現れるはずで、 これを自然の趣きという。 この趣きは客の心身を加えて 一切のわずらわしい雑事を忘れさせる状態で、 この状態を作るものは、人工物もあれば自然物もある。 とりわけ、自然物はその第一位である。 自然物は人工品と違って 全ての人の共同所有で、全ての人の共同所有のまま 楽しむことができるため、

          The taste of tea 6 自然の趣き(味わい)

          The taste of tea 5 自己の姿

          江戸中期の雑誌に、 葛飾の権兵衛という 面白い話がある。 ある年の春、権兵衛は、太太神楽(だいだいかぐら・関本神社に古くから伝わる神楽)を奏でようとして、 村民13人を引き連れて、 伊勢の大廟にお参りをした。 世話をする神職の何某、 山や海の珍味を出し切って遠くから来た客に【馳走】(もてなし)してから、 さらに薄茶をお出ししようとして茶室に案内した。 権兵衛を始め13人が席につくと、神職はていねいに挨拶をして、 茶器を運び出して、心を込めて、茶を点て、

          The taste of tea 5 自己の姿

          the taste of tea 4 かすかなる感じ

          心身を鍛えることの第一歩は、感受性を鋭敏にさせることである。 そのためには、特に、ある世界を作って、そこに引き入れ、そこに浸り、それを味わい尽くさなければならない。 これが教育であり、茶道の練習である。 結局、そのある世界とは、茶室のことである。 細かいところまで、よく気づかされることができるのは、大きい広い、散漫に散らかった部屋ではいけない。 立居振舞のために動く風も、感じるような小さな部屋でなければならない。 珠光は、今までの大きな部屋を縮めて、はじめて四畳半

          the taste of tea 4 かすかなる感じ

          The taste of tea 3・茶道の真諦(整え版)

          茶道の精神を簡単に表現する言葉は【和敬清寂】の四文字である。 この四文字が尊重されて、脈々と伝えられてきたことは、とても素晴らしいことであり、とても嬉しいことである。 この四文字を言い換えれば、能和、能敬、能清、能寂の四綱領である。 和、は和合(親しみあって仲良くすると言う意味の和)、 調和(全体的に整っているという意味の和)、 和楽(互いに打ち解けて楽しむ意味の和)、である。 「礼の用は和を貴しと為す」(これは論語の言葉で、礼儀正しいということは、秩序を重んじること

          The taste of tea 3・茶道の真諦(整え版)

          The taste of tea 2、茶道の由来(整え版)

          結局、茶道は利休によって、まとめあげられたと考えられ 茶道の話をする者は、利休、利休、という。 その利休が茶道を大成することができたのは、 その師、武野紹鴎と、その弟子の南坊宗啓との縁が大きい。 よって 、茶道を説明するには是非とも、彼ら師弟3人の問答を考察する必要がある。 一般的に茶祖と言われ、茶道を日本に持ち帰り広めたのは、村田珠光である。 珠光は幼名を村田茂吉といい、南都称名寺※に住み、三〇歳ごろから紫野大徳寺※の一休和尚についていた。 ※称名寺(しょうみょうじ

          The taste of tea 2、茶道の由来(整え版)

          茶味 The taste of tea 序話の序話

          こんにちわ。 大正9年に出版された「茶味」という茶道の本を、読みやすい現代語にして載せています。英語訳も載せる予定でいます。 私の祖父、奥田正造 によって 「わび茶」「茶道の成り立ち」などのことが書かれています。 祖父は、明治19年(1884年)飛騨高山で生まれ、7歳の頃より、国分寺の住職について千家表流を習っており、25歳の時に有楽流を習っているとのこと。 その後祖父の教えていた茶道は、教育のための茶道ということで流派はありませんが、しいていうなら「不言流」と呼ばれて

          茶味 The taste of tea 序話の序話