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嘘またはそれに準ずるもの

いつからだろうか?非常に嘘が上手くなった。

高校時代まではあれほど、NOをNOと言っていたのに、理不尽な事を理不尽だと憤っていたのに。

今、高校生に戻ったら、私は一つ一つ理不尽だと感じた事をメモに残したい。
表紙に書くのだ、「人間は忘却する生き物」と。

「この悔しさは絶対忘れない」と思ってるそこの私!必ず忘れます。テストに出るよ!

人間に潔癖で、許す事が困難であったあの頃から、私は自分のシワが見えない様に、たるみに気づかぬ様に、目を逸らし、嘘をつく様になった。


会社員になった頃からだろうか、嘘に拍車がかかったのは。

上司が語る武勇伝。「あの頃俺はすごかった話し」
特に私が会社に入った頃は、バブルの残党とも言える年齢の人が幅を聞かせていて、銀座でー六本木でーとよく聞かされた。

そんな時私はこう言っていたのだ。
「わぁ、すごい」目をキラキラとさせて、あたかも興味がある様な面で。嘘である。

ー今を生きよー


こんなのもある
「俺、今、年収1千万」(こういった一部で行われる年収の公表は何が言いたいのか。)

そんな時も私は平気でこう言っていた。
「えっ、すごい、いーなー」目をキラキラさせて、尊敬の面持ちで。嘘である。

ー税務署に言えー


嘘をつく事が許す事なのでは無いか、と考えていた時期がある。自己を大きく見せようとする人の自慢や牽制を、私は許してるのではないか。

なんて傲慢な考え方。

残念ながらこれらの嘘=許す事では無い。
似ていている様に感じていても、まったく違う。

ー自分をごまかすなー


私は、あの頃の自分が嫌いだったものの塊だった事がある。   私はそれを知っていた。

(本当は少しだけしょうがないじゃないとも思う。しょうがないじゃない、人と関わらなくてはいけないのだから)

(あと少しだけ相手を恨む気持ちもあるかも。私って末期)

今は歳をとり、そういったものから解き放れて・・はいないが、頻度は減った。
それでも時々、喉元から毛玉でも出るんじな無いかと思う様な時がある。

「でも、まあ、しょうがないよ。何も考えるなとは言わないけどさ、考えすぎるなよ。」

今日も誰かに肩をポンポンと叩かれてる姿を想像して、仕事に行く。


おわり。

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