見出し画像

彼は友達(ゲイ)-同性婚について-

 (noteやTwitterで極力政治的なことに触れたく無いのだけれど)

衆院予算委で、岸田首相が、同性婚の法制化に関し「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」と否定的な考えを示した。というニュースが流れた。
2023.2.1

 私が馬鹿なのか、関連ニュースを何度読み返しても、何が変わり、何が変わる事を恐れているのかが、まったく、ぜんぜん、これっぽっちも、わからない。
(よほどワクチン陰謀論の方が、恐れている事がわかりやすいなと思う)

 だって、いるよ?認めようが認めまいが、ただ人として、同性愛者はあなたの隣人として、友人として、時には家族としてそこにいるよ。

 夫にはゲイの友達がいる。6・7人の高校時代のグループの1人で、けれども彼がゲイだと言うことはそのグループの本人を含めて3人しか知らない秘密だった。

 夫と結婚する前は私も彼と良く遊んだ。男3人だけの飲み会の時も「つまんないから来てよ」って夫では無く彼に呼び出されたりして。(「男の飲み会はサッカーと仕事の話しかしないからつまんない。」が彼の言い分で、私も概ね同意である。)
 家に来た事もあるし、彼の家(実家に住んでいた)に遊びにいった事もある。彼のお母さんとお会いした事も、その愚痴を聞いたこともある。

 彼は当時遠距離恋愛をしていて、彼の恋の話も時々した。

 最初に「ゲイの友達なんだ」と紹介された時、最初に一緒にお酒を飲んだ時、最初の最初は(もしかしたら最後まで)「初恋は?」とか「ずっと男性が好きなの?」とかって恋の話を彼にはあまり突っ込んで聞けなかった気がする。(その点長年の友人の夫は一層デリカシーが無いぐらい、ガシガシと躊躇なく聞いていたけれど)

 当時15年ほど前は、同性愛は当たり前ではなくて、何が差別になって何が彼を傷つけるかが分からないのが怖かった。のを覚えている。(今だってまだ当たり前とは言い難いけど)

 夫と結婚する前、2.3年はよく一緒に飲んだけれど、夫と結婚し、パタパタとグループの彼以外全員が結婚したしばらく後。今まで内緒にしていたグループの他の友達に「俺ゲイなんだよね」ってポロリと言った後、(頑なに隠していたのに、突然ポロリと言ったので隣で飲んでいて本当に驚いた、彼の心情はポロリじゃ無かったのだろうと思うけれど)、その次から彼はグループの集まりに来なくなった。
 飲み会も、年1回の旅行も、頻度が高かった3人での飲み会にも。
 パタリとした拒絶。

 もう、世界が違うから。とか言って。

 世界って何だろうか。

 私の大学からの友人は皆独身で、私だけが(驚かれながらも)結婚した。
 今でも私達はしょっちゅう飲むし、行ける旅行には一緒に行く。そりゃ既婚の私が1番出席率は悪いけれど。(現在はコロナにより頻度は激減している)

 異性愛者同士であれば、独身だろうが既婚者だろうがそう世界は変わらないのに、そこに同性愛者というファクターが含まれた途端、世界が変わってしまうのはのは、とても不思議。とても悲しい。
 本当に世界は違うのだろうか。本当に?
 けれど、彼にそう言わせてしまう土壌が、日本にはあるんだ。

 先に述べた通り、私は馬鹿なのか、同性婚が法政化されたのちに、「悪く」変わる部分が、ひとつもこれっぽっちも思い浮かばない。
 変わったとしてもさ、コロナやら何やら、私達は変わっていく社会に順応して生きている、私達は案外柔軟だよ。私達はもっと幸せになれるんじゃ無いかな。

 同性婚が法で認められていたら。いや、もっと言ったら、もし同性も異性もなく、区別なく愛し合う事が当たり前になっていたら。彼と私達の世界は続いていたし、夫の友人も、夫も彼も(時々私もお邪魔して)、いまでも一緒に笑ってたんじゃ無いかな。と思う。

人間はもっと幸せになれるんじゃ無いかな。
同性愛者も異性愛者も無く、差別も区別も無く、全員が幸せになれるじゃ無いかな。

 私はただ、彼を誘って断られて、肩を落としている夫を見たく無いだけなのだけれど。

彼は友達(ゲイ)。
みんなに括弧が付いて、みんなから括弧がとれる日を夢見ている。

#同性婚


この記事が参加している募集

#これからの家族のかたち

11,336件

#多様性を考える

27,832件

最後までありがとうございます☺︎ 「スキ」を押したらランダムで昔描いた落書き(想像込み)が出ます。