谷田君と私と山田君［ダイエット(プロローグ)]

予兆はあった。なんか最近、裸になった時、やけに母を思い出すなって。
屈んだ時に、ほんのりとウエストあたりで、やけに他人行儀な自分（お腹のお肉）と自分（お腹のお肉）が出会うかな・・って。
名誉のためにいうと、段々腹にはなってない。こう・・屈んで、なんか床に落ちた物を取る時・・無理な体制になった時にちょっといつもより動きづらいなって。
あと最近、やけにオヤツ食べてるなって。オヤツが美味いなって思ってた。秋かな、秋かもな、あれ？春だな、薄着になる春だなって。

まじまじと裸の自分を見ると、「あれ・・ママ？久しぶり・・」って思った。コロナでなかなか会えない母（のお腹）がそこにいた。ちょっとミニサイズで。ポヨンとのびのびと。
でも、うちの谷田君（タニタの体重計）は
「いや・・そんな、ちょっとアレだけど・・まだまだ大丈夫だよ」っていう。
「気のせい気のせい、気のせいだって、まだ大丈夫だって？」っていう。絶対言ってた。

ダイエット開始前日

昼風呂上がりの夫が言った。
「なあなあ、俺3年ぶりぐらいに体重計乗ったんだけどさ？アレ何？10の位分かんないんだけど？」
そう、うちの体重計は私との紆余曲折をへて、10の位が映らなくなっている。
ここにいくまでは色々な歴史があった。『5』か『9』か分からない時期や『3』か『8』か分らない時期・・もうずっと『1』の時期・・それらを経てたどり着いたのは、10の位がうんともすんとも言わない「ヒントなんかやんねーよ」の時期にきてる。もうそこにはただ闇が広がっていた。
それでも私たちは上手くやっていた。私の場合、10の位『3』のはず今更ないし、『5』とかなないない・・『4』でしょ『4』『4』に決まってる『5』はやめて！！っていう願掛け込みで、上手く付き合ってきた。
が、ここに来て、3年体重測っていない夫（身長約180）の登場だ。
「1の位が2だから・・62か72の筈なんだけど、どっちだろう、皆目検討がつかないわ」
・・
「これだから、高身長スタイルの良い人間は本当に困る、もう、無頓着、無頓着がすぎる、どっかで己の体重の検討を付けて、いわば基礎を身につけてから谷田君に相談して欲しい物である。はーやれやれ。」って言ってたら、もっとやれやれって顔をされた。
で、サクッと新しい体重計を買われた。
こうして、私と谷田君との10年に及ぶ歴史が終わった。（タニタは結婚祝いでもらった）

10の位なし

ダイエットその日

玄関を開けたら、置き配されていた荷物と目があった。Amazon様様だ。早速荷物を解いて、体重計を取り出し電池を入れた（夫が）。
夫チョイスの体重計はオムロンだった。山田君がきた。ようこそ山田君。（オムロンの現社長を調べてみました）

一番を夫に譲った。そこはほら、私は昨日も谷田君と話し合って己の把握はバッチリだから、全然自分を分かってない夫に一番をね。
測り終えた夫が爽やかな顔で洗面所から出てきて言った。
「6だったわ、63.5キロだったわ」
「は！？」って言ってた、思わず口から出ちゃってた。これは異なことを言うな、って思った。昨日谷田君と話してた夫は「○2キロです」って言われてなかった？何？その1の位の変動？え、もうこうなったら注目すべきは10の位じゃなくて1の位じゃない？そこ、重要視しないから無頓着野郎って言われるんだよ。

焦って山田君の前に行って、焦っててもちゃんと身長を登録した。『156.5』センチって。
この『.5』が重要だから、私、細かいところもよく見るタイプだから、小数点以下も重要視してるよ、頼むよ、山田君。って気持ちで、パンツいっちょに成った。（私はパンツいっちょで体重計に乗るタイプでもある）

・・・・・2キロ増えてた。ちゃんと10の位は想定どうりだったけど、1の位がちょっと谷田君と山田君の意見が分かれちゃったみたいで・・昨日の谷田君の申し出より、2キロ増えてた。・・・そんなことある？

谷田君との10年間が走馬灯の様に私の頭に浮かんだ。そういえば、10の位に初めて不具合が出たときに、軽くこずいたりしたかな・・って。でも、私たちは上手くやったきたはずだ。
時に喧嘩をしながら、上手く付き合ってきた。

私は、谷田君を信じる。10年私を支えてくれた、谷田君を信じるから！

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と、言う事でダイエットを始めました。
苦行を行う事になったので、いつもよりテンション高めに記録します

つづく。(ダイエットもnoteも)