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詩・散文 「夜明け」

夜明け                               ああだから夜よ 明けてくれるなよ
一つ目の大巨人の凶暴な目が 焼き尽くす眼差しが
街の彼方から瞼を開いてしまうから
陰を塗りつぶし影に追いやる黄金の眼差しが陰を殺して
街は甲虫の背の黒光にも似て黒光る                   黒光る
その眼差しの独裁者よ!
お前は知らないのかそれとも忘れてしまったのか

 夜が明けるか明けぬかの障子に透ける蒼白の光が
 諦念の静けさに震えている
 心臓の鼓動にのって何処までも広がっていく蒼白の光が
 深夜に降り積もる粉雪にも似た蒼白の光が
 肌に
 沁みて                          
                     2007年10月 岡村正敏

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