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「雑誌広告2.0」を読んで

これからの雑誌広告の在り方について書かれた一冊。

事例記事は広告主側へのインタビューもあり、
どういうストーリーで決定したかが、何となく分かって勉強になります。
編集者のインタビュー記事もありましたが、ここが一番面白かった。
純粋にこの人たちと仕事してみたい。意見を聞いてみたいと思いました。
雑誌社はこの編集者というスターが支えれているのだぁと感動しました。

巻末には用語集や製本についてなど、これから雑誌の扱いが多い広告主を担当する営業の方も、読んでもいい一冊かと思いました。
雑誌広告の今が包括的に分かるように思えました。

その中での気づきを書いておきます。

雑誌はマスメディアではなく、インフルエンサー

読み放題系のUUも含めると、雑誌のReachはまだある!という捉え方もありますが、その大きさや効率は、もはやマスとはいい難い。
そもそもマスメディアとしてとらえるのではなく、

例えば、「VERY」という巨大インフルエンサー集団と捉えると、
スッと落ちるような気がしました。

雑誌ブランドファンとは本誌の読者であり、WEBメディアのオーディエンスであり、SNSのフォロワーの方々のことを指しますが、このファンはマーケティング対象として非常に価値があると言えます。
読者組織の一人ひとりが、その雑誌ブランドの体現者あるため、その読者組織を通じて発信される情報も(同じ雑誌ブランドのもとに集まるファンだからこそ)、一定の信頼を持って受け入れられます。
一般のインフルエンサーとは違い、雑誌ブランドという共通の傘があるからこそ、その情報に宿る熱量が違うということがポイントです。

「VERY」という、インフルエンサーを大量に携えるような元締めが居て、
そこに読者モデルや、読者といった中規模・小規模のインフルエンサーが
ぶらさがっているようなイメージでとらえた方がよいのかもしれない。

先輩がある資料で「雑誌は宗教」と書いていたがその通り。
紙ならではの、綺麗なGR、考え抜かれたレイアウト、モデル、
ペイドメディアだからこその積極的な受容態度、保存性などなど、
「VERY」という宗教を作りやすい環境がそろっている。
特に「宗教」のキモである「集会」=イベントはすさまじい熱量になるので、コロナ禍でオンラインと言う形にはなりますが、ここは注目したいです

インフルエンサー施策に「格」を持たせる

インフルエンサー施策というと、炎上やらステマやら、ちょっと二の足を踏んでしまいそうだし、漠然とした不安感も分かります。

ですが、雑誌社という冠を付けることで提案しやすくなるぁとは思いました。そして何よりも、「その人が投稿する意味、ストーリーができる」

昨今、「YouTuber」などの活躍も目覚ましく(中略)「個人の時代」になりました。それだと尖りすぎていて「もう少し文脈が欲しい」と言うときに、雑誌のように(中略)文脈があるメディアが、活きてくるのだと思います。

ミッドファネルからはじめるフレームと相性良さそう

小霜和也さんも提唱されているミッドファネルから始める。という考え方と非常に合うなぁと思いました。CRも含めて、トータルでコーディネートしてくれるのであれば、複数紙と施策を実施して、良かったものをトップファネルに上げていくという方法も取れなくはないのかなと。

雑誌=CRブティック

読者モデルや、雑誌独自のデザイン力といった、
単純にリッチな表現を作り出す力がすごい。
Numberのアスリートキャスティング力など

雑誌=アクティベーション

「CookingVERY」や「幼稚園『幸楽苑』付録」、「ソニー展×POPEYE」など、もはやアクティベーション部が提案する領域だなぁと思いました。つまり、アクティベーションアイデアは雑誌起点で考えると、もっとアイデアが出てくるかもなと

雑誌=チャネル開発

編集長ともなれば、その界隈ではスターなわけで。アパレルや、書店、レストランなど、彼らの人脈を駆使すれば、チャネルを開発することだって可能

一言でいうと

雑誌は、メディアとして見るのではなく、インフルエンサー集団であり、
CRブティックであり、アクティベーションカンパニー





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