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【読書感想】学びのきほん はみだしの人類学

学びのきほん はみだしの人類学 ともに生きる方法 松村 圭一郎 NHK出版

文化人類学って大学の授業でとっていたけどその授業に関して残ってる記憶は一つの映画を観たことだけだ。その映画では最終的に白人が黒人の村みたいなところを襲撃するという感じだったんだけど、その殺戮の残酷さ、人を人とも思わないようなシーンの連続に衝撃を受けてしまってその前後のストーリーも、他の日の講義内容もなぜその映画を観ることになったのかも思い出せない。それが私の文化人類学の記憶。

今回読んだこの本は文化人類学ってなんだろう?と思ってパラパラと読むに丁度いい感じだった。国際系の学部の人やそういうことに興味がある人、日本語教師やそれを目指している人には自分の興味があることや資格試験の範囲との重複があるのでいいんじゃないかなと思う。それ以外に読書好きな方にも平野啓一郎の『私とは何かーー「個人」から「分人」へ』の話が出てきたりするのでおもしろく読めると思う。

残虐な映画のシーンも文化人類学の変遷を読んでいくと支配―被支配の権力関係のもとで別の国や地域に住む人たちを自分達を形作るための研究対象として、知る前から自分達とは違うものであるという前提に立ってしまうことの危うさの話とつながっていたのかなと思える。

サブタイトルがともに生きる方法とあるようにこの本はそういう観点で入門的に読めるものであると思うので、別の観点や詳しく知りたい人のためにうしろにブックガイドがあるのもありがたい。

夜中に目が醒めてわけもわからず感想文下書きを書き始めてしまい、いつもないおちがさらにないがこれにておやすみなさい。


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