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自分にとっての野球とサッカーの違い

はじめに

「なんでずっと野球をやってきたのに、サッカーが好きなの?」
よく聞かれる質問です。
自分は16年間真剣に野球をやってきたけど、サッカーの方が好き。
なんでそんなひねくれた状態になってしまったのか。野球をやめて1年以上だった今でもうまく整理できていない(=自分でも認識できていない)部分が多いのですが、今回はそれを紐解いていきたいと思います。そして今後のそれぞれとの向き合い方も記していけたらと思います。

サッカーとの出会い

自分にとって単なる一スポーツでしかなかったサッカーが大きな存在になったのは、大学受験浪人中、とあるサッカー選手のことが特集されたテレビ番組を見てからだったと思っています。
そのサッカー選手とは、本田圭佑さん。

高校卒業後の2年間、大学受験浪人をしたのですが、1年目は本当に苦しかったです。成績もなかなか伸びず、このままでは2浪目に突入してしまうが、とはいえそこから急激に成績が伸びて志望校に合格できる気もしない。本当に生きているのが辛い時期でした。そんな時期に目にしたのが、本田圭佑さんのドキュメンタリー番組。「世界一のサッカー選手になる」という自らの目標を叶えるために、果てしなく努力を続ける姿、また本田圭佑さんの数々の言動は、僕に受験生として戦いつづけるための勇気をくれました。その後は本田圭佑さんの出る日本代表や当時所属していたパチューカの試合を追うようになりました。

本田圭佑さんの姿に自身も勇気をもらい、2年間の浪人生活を終えると、高校野球時代に思うように試合に出られなかったリベンジを果たすべく、大学の野球部に入りました。

野球への想いが弱くなってしまった大学時代

大学野球部に入部した自身は2つの意味で非常にショックを受けました。
1つ目
自分の実力が2年間の浪人生活でかなり落ちていたように感じたこと。浪人中にも時折身体を動かしていましたが、それでも2年間浪人で、実力がかなり落ちていたように思います。「こんなに野球できなかったっけ」と思いました。

2つ目
周囲のレベルが高すぎたこと。
今考えるとよくこの大学の野球部に入ろうとしたなあと思います。同じポジションの同期を見て、「こいつの真似はできないし、このレベルまで自分が成長することは無理だな」と本能的に感じてしまいました。本田圭佑さんから学んだ「成り上がる」という気持ちも徐々に萎んでしまいました。大学を出た後も野球をトップレベルで続けることは無理だろうと察し、「どうせ大学を卒業したらできなくなる野球に、今本気で打ち込む意味ってあるのかな」という思考に陥ってしまっていました。

大学生の前半は、「こういう選手になりたい」という理想がなく、ただただ時間が過ぎていった気がします。集団の中でのキャラクターは一つ確立できたものがあったけど、選手としては全くダメ。チームのためにやるべきことは最低限やったけど、選手として自分の中に主体性がなかなか出てきませんでした。(野球部の全体練習の時間はフルコミットで練習をして、周りからは練習にしっかり打ち込んでいると思われていたと思います)

また、大学生になると高校生の時よりも多くの情報が自分に入ってきます。例えば「野球は世界ではマイナースポーツであり、観戦者数はサッカーが一番多い」とか。これを知った時は衝撃でしたが、冷静に考えてみると野球が世界的なスポーツだったらオリンピックの公式競技から外れないでしょう。高校生の時にイングランドの方と交わした「Do you know baseball?」→「No」という会話をこの時思い出しました。その時は「野球を知らない人っているのか」と不思議に思いましたが、当時感じた違和感は今でもはっきりと覚えています。

心の穴を埋めてくれたのが、サッカーなのかもしれないです。サッカーは選手も監督もファンも感情を爆発させられる。得点を決めた後は喜ぶ時間(ゴールパフォーマンス)がある。上下関係も野球ほど厳しくない。(例えば野球は先輩はさん付けだけど、サッカーはくん付けで呼んだり)試合も時間で終わるから、見やすい。それに野球より世界的な注目度は高い。

ロシアワールドカップのセネガル戦で本田圭佑さんが同点ゴールを決めた時はものすごく嬉しかった。ベルギー戦の衝撃もあり、日本代表に完全に魅せられてしまった僕は、その後日本人選手の国内外での活躍を自然と追うようになっていました。そして次のカタールワールドカップで現地観戦を果たしたのでした。

なぜ野球を大学4年の秋まで続けたのか

「そこまでサッカーへの想いがあるなら、なんで野球を続けたの?」と読む方は思ったかもしれません。
主に以下の3つの理由が思い浮かびました。
1つ目「やめられなかった」
大学野球部のセレクションの際に、高校の先生方に推薦状を書いてもらったので、簡単に辞めるわけにはいかなかったのです。浪人時代に高校の先生方に非常にお世話になった分、ここで簡単にギブアップするわけにはいかなかった。

2つ目「他にやりたいことがなかった」
「サッカー観戦すればいいやん」と思ったかもしれませんが、「アルバイトでお金を貯めて週末はサッカー観戦」の大学4年間もなんだか虚しいように思いました。それに辞めていった野球部の先輩が遊び呆けている姿を見て自分はそうなりたくないというのがありました。明確に絶対にやりたい、と思うものがない限りは野球をここで続けた方が良いだろうと判断しました。

3つ目「野球部の監督が変わった」
2学年上の先輩が引退したタイミングで野球部の監督が変わりました。ということはそこでチーム内での評価がリセットされる。大学の前半、主体的に野球に打ち込めなかった自分にとって復活のチャンスがありました。しかも、監督が変わってからの初めての合宿で自身の評価を大きく上げることができた(偶然も重なりました)。その後コロナのパンデミックで一時部活動も休止となりましたが、何か自分への追い風も吹いているように感じましたし、何より成長実感があり試合に出られるようになったのが嬉しかった。野球を本気でできるあと2年の期間での目標もやっと明確になりました。だからこそ、最後まで野球を続けようと思ったのかなと振り返っています。(大学前半の監督もアマチュア野球界では右に出る者がいないほど素晴らしい監督で、組織を作るという点や選手の起用面で非常に長けている方でした。尊敬しています。)

今後、野球やサッカーとどう向き合っていく?

これは大学後半からずっと考えていることで、今でも決めきれない部分です。
野球は精神的にも肉体的にもしんどいことの方が圧倒的に多かったし、野球人生の最後の7年間(高校・大学)は1試合も公式戦に出られなかった。でも野球は今は嫌いではないし、自分のした選択に後悔はないです。もう少しこうしておけば違う自分もいたかも、と思うことはありますが。
サッカーは大学受験浪人の時からすごく好きになって、大学生の時も今もすごく好き。ただど素人なので、僕がプレーするサッカーは違うスポーツになってしまうのですが。

野球・サッカー、それぞれとの関わり方は、選手、指導者、ファン、クラブスタッフ、この4つに分けられると思います。

MECEになっているかしら

この8つのセクションで分けたときに、これまでの経験、これからも長く続けられそうかという観点を踏まえて、今後あり得そうなものは
B,C,Gの3つかなと思います。

B:野球×指導者
大学で4年間(モチベーションに浮き沈みはあれど)野球をやった結果、人に教えられるだけの技術もついたし、試合の采配も少しできるようになりました。
大学野球部引退間近の時は後輩にアドバイスをすることや部内戦で采配をとることがありましたが、後輩たちが成長している姿を目の当たりにすることは選手時代とは違う嬉しさがあり、さまざまなパターンを考慮しながら作戦やオーダーを考えて、采配をとるのも楽しかったです。それでチームが勝った際にはさらに嬉しかった。教員免許も保持しているので、高校生までの指導のハードルはさほど高くないと思います。

C:野球×ファン
ファンとなるハードルは低いのでなんとも言えませんが、野球はずっとやってきたので、プレーに関する知識はあります。ただずっと野球をやってきた分、純粋に観戦を楽しめなくなりました。どういうことかというと、「なぜキャッチャーはここにボールを要求しているのか」「バッターは何を考えているのか」「守備陣形はなぜこのような陣形なのか」、このようなことばかり(指導者目線、評論家目線なのでしょうか・・・)考えてしまうということです。だから観ていても疲れてしまう。
疲れてしまうから、純粋に野球を観戦するということはほとんどなくなり、知り合いが出ている試合をメディアで観戦するという程度になっているのかもしれません。

F:サッカー×ファン
野球と同じようにファンとなるハードルは低いのですが、コアなファンとなるためのハードルは高いと思います。ゴール裏の住民になりたいと思えるまでの気持ちは今はないです。でも純粋にサッカー観戦は楽しめています。応援するチームが勝ったら自分のことのように嬉しいし、推しの選手が活躍したらもっと嬉しい。自分にとってサッカーは憧れの対象であり、心の逃げ場でもあり、世界中の人と交流するためのもの、世界の共通言語でもあるので。

終わりに

今日初めて、野球とサッカーに対する考え方を言語化して整理してみました。
今の時点で書けることは全て書ききれたのではないかと思います。少し気持ちが楽になりました。
これからも自分の考えが変わることは度々あると思いますが、その都度書き出すことによって、頭の中を整理していけたらなと思います。

P.S.内容に違和感や疑問があったら、コメント欄からでもぶつけてくださると嬉しいです!














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