「日本語の秘密」 川原繁人著
日本語に興味がある。
コミュニケーションに興味がある。
素敵な言葉に興味がある。
興味の幅が広いため、「秘密」という言葉に弱い。
俵万智さんとの対談がおもしろい。
〜この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日〜
はフィクションだったことに愕然とした。
その上、俵万智さんの作品に対するプロ意識の高さに感服した。
川原さんが、言語学者として上乗せしてくる感じに引き込まれていく。
日本語にある音声の妙。
正直、音についての話を、文字で読むには少々、難しさを感じる。
理解が追いつかず、やがて面倒になり読み急ぐ。
著者も話しているが、難しさから興味が湧かず、ページをめくる。
話し言葉と書き言葉を使い分けられているかな?
意識したことはあるか?
1対多の時は、どんな話し方をしようかと考えて話すことがある。
それは、仕事モードというスイッチかもしれない。
話し言葉と書き言葉のスイッチではない。
そもそも、原稿を書き言葉で書いてしまった時、原稿を持ちながら、話し言葉に翻訳しながら話してしまい、内容がボロボロと落ちていくこともある。
つまり、つまり、とつまりを連発。
焦れば焦るほど、主張をまとめようとして、文字起こしするとよくわからないことを言っている。
話し言葉はそもそも、無茶苦茶なのかもしれない。
話し言葉なのに、無茶苦茶じゃない感じな人がいた。
議会での議員の質問。そしてそれに対する答弁。
わかりづらいという人もいるだろうけど、適切な過不足のほぼない話し言葉にしようとすると、極力、書き言葉に近い日本語で話すことが適切な言葉になっていく。
耳で聞くと、そうは思えないが。
題名にある「秘密」とはなんだったのだろう?
日本語にはまだまだ、解明されていない「秘密」があれこれ潜んでいる。
それが同著から何だったのかは、わからず終わったようで不完全燃焼な感覚がある。
使ってみるしかない。使い倒してみたら、日本語になっていく。
私の浅い理解と共に、同著の読書が終わった。