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「記者トレ」 井藤元監修・毎日新聞社編

猫も杓子も「ライター講座」

あなたも人に伝わる文章が書ける!
技術やスキルをどんなに学んでも、ライターにも記者にもなれやしない。
WEBに量産されるどうでもいい文章は、薄っぺらい誰が書いても同じ
AIに書いてもらったほうがいいものばかり。

この本は?

この本を手に取って、安心した。
記者になるとは、姿勢や生き様であると書いてあるから。
(そんな言い方したら、読者は離れていくからそうは書いてないが)

今風な言い方からすれば、
「AIに負けないライターになるために!」的なことだろうか。

そんな簡単である。
人間として生きるだけ。

生きる姿勢(抜粋)

基本姿勢
・問い続ける(絶えず疑う)
・興味の幅をもつ
・いい文章を読む
・10調べて1を書く
・何がニュースなのか

取材時の心構え
・事前準備は必須
・現場を大事に
・相手に敬意を
・相手に興味を持つ(好きになる)
・言葉以外にも観察せよ
・雑談から予想外は始まる
・潮目に気付け
・キーワードを探り当てる
・相手の言葉を鵜呑みにするな、言い換え、要約して共有する
・理解はしつつ、同調しない
・想定外を呼び込め

執筆時の心構え
・仮説・問題提起をする
・熱の注入
・五感で書け
・捨てる勇気をもて
・具体的に書く

記者にならない人にも

この本の趣旨は、記者になるためのトレーニング。
一般の人には関係ないの?もちろん、そんなことはない。
プロの記者とは、文章力だけじゃなく、
・読解力
・批判的思考
・コミュニケーション力
という現代に必要とされる能力が必要。
これらを身につけるトレーニングは、多くの人に役立つという理屈。

記者の守破離

記者になったばかりの頃、考えていたことは、
「文章を完成させる」こと。
記事には型があり、構成があり、覚えることから始まる。

「伝わる文章を書く」ことに目がむき始める。
伝わるといっても、幾つも解釈がある。
まずは、正しいこと。
正しい使い方をした日本語で書くことで誤解がなく伝わる。
1文は短いほど、誤解がない。
細い暗黙のルールがあることに気付き、のめり込む。

「私にしか書けない文章を書く」ことに注目し始める。
表現方法や語彙という人もいるだろうが、
取材をする記者としては、取材で何を聞いてくるか、
何を引き出すかに注目する。
文章を完成するための質問では、おもしろい話は聞き出せない。

おもしろい話

誰も聞いたことのない話、本人さえも気付いていなかったこと。
コーチングのような、話の道を一緒に歩くような体験になることもある。
想定外の話にしか、おもしろいことはない。(言い過ぎだけど)
奇跡を起こす。
奇跡を起こすためには、当たり前の事前準備。
事前準備は、高い山に登り始めるには、
1合目から出発するより、車で行ける5合目から頂上を目指すほうが
頂上には辿り着きやすい。事前準備は5合目まで取材前に行っておくため。

頂上に辿り着いたからといって、いい記事にはならない。
5合目から登り始めたので、頂上までの時間は短縮できる。
だから、余裕が生まれ、余計な話をしたくなる。

記者という生き方

おもしろい話が好き。
おもしろい話は至る所にあり、発見するのは自分だ。
おもしろい話を人に伝えれば、おもしろいと言ってくれる。
聞いた人も楽しくなる。
もっとおもしろい話を聞きたくなる。発見したくなる。






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