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どうやって作られているかに思いを馳せてみよう

あの『ブラックサンダー』が、児童労働をしていないカカオに切り替えると発表しました。


カカオ豆は、アフリカの貧困地域が原産地であり、その多くが強制労働あるいは児童労働によって成り立っている・・・という事実があります。

【児童労働】

世界には、有給、無給に関わらず、さまざまな形態で働いている子どもたちが多くいます。

児童労働に従事する5〜17歳の子どもは、2020年時点で約1億6,000万人-世界の子どもの10人に1人近くに相当します。うち女の子は6,300万人、男の子は9,700万人です。

児童労働の中でも、健康、安全、道徳面で有害な可能性が高い危険な労働、心身の発達を阻害する労働、人身売買や子ども兵士の徴用、強制労働などは、「最悪の形態の児童労働」と定義されます。「最悪の形態の児童労働」の中で最も多くは、危険な労働に従事する子どもの数で、2020年時点では7,900万人(児童労働に従事する子どもたちの約半数)にのぼっています。

ユニセフの主な活動分野|子どもの保護


数十分程度、家の家事を手伝うことなら、わたしたちの生活にもあり得るでしょう。
しかしここでいう児童労働には、学校へ通わせてもらえない子どもも多く含まれています。

児童労働をしている5〜11歳の子どもの28%近く、12〜14歳の子どもの35%が学校に通っていない

つまり4~5人に1人は学校へ通わせてもらえず、一日中大人に混じって働いているわけです。もちろん給料は非常に安く抑えられます。生産側にとっては格安の人件費で労働力が確保できるうまみが存在します。

一方で安くても働かせたい事情もあります。貧困家庭であるほど、世帯収入は少ないために子どもの稼ぎですら貴重な収入源になるわけです。

ここに子どもの人権は存在しません。家庭のとっての労働力であり、収入源としか見られていません。

学校に通えないため、教育を受ける機会を失います。読み・書き・計算・社会常識・・・などの必要最低限の学習機会すら奪われます。
だから大きくなった時に定職に就くことが難しくなります。そのため、学力を必要とせず、経験知のある仕事(子どものころから続けている労働)をするしかありません。しかも、児童労働を悪いことと思っていませんので、自分の子どもにも労働を強いるわけです。
そんな悪循環が長い間続いてきたわけです。


今回の「児童労働をしないカカオに切り替える」という決断は、この悪循環を断つための小さな一歩です。
児童労働を行わせず、正当な働き方を推進している農家と、適正な価格で取引を行うことで、この負の連鎖を断とうという取り組みなんです。


つい先日フェアトレードについて書いたばかりだったので、この記事が目に留まったのかもしれません。


わたしが現地に出向いて児童労働を止めることは、容易ではありません。

しかし、自分が食べるものの原産地や、そこでどのように作られているのかに思いを馳せ、適正な取引が行われている商品を選ぶことで、少しでも改善に向かえばうれしいと思っています。

買う際のちょっとした意識が、実は大きなうねりを生み出すかもしれないのです。お買い物の際にちょっとだけ原産地を確認して、どのように作られているかを調べてみると、興味が湧いてきますよ。



明日も佳き日でありますように

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