流動性知能と結晶性知能
キャリアカウンセラーのおかちんです。
今日はどんな一日でしたか?
昨日の『LIFE SHIFT 2』の学びの興奮が冷めません♪
いやぁ、久々に“おもしくて一気読み”しちゃいましたし。
それができたのは、実は放送大学で生涯学習について学んだ直後だったからんですよね。ちょうどタイムリーな話題に出会った感じです。
で、昨日は語り切れなかったどうしても書きたいことを今日は取り上げます。
歳を重ねるとだんだん物覚えが悪くなっていきますよね。わたしも40歳を過ぎたあたりから何となく記憶力が落ちてきて、メモばかりが増えるようになりました(笑)
それを補うようにスマホでスケジュール管理したり、アラートやメールでお知らせを受け取れるようにしたりと、あの手この手で忘れないための工夫をしています。
この“物覚えが悪くなってきた”というのは・・・確実に“老い”です。残念ながら受け入れざるを得ない事実です(涙)
ですがこれ、今に始まったことではありません。
実は人間の脳は25歳あたりをピークに計算や暗記の能力が頭打ちとなり、65歳あたりから低下がみられるんです。この能力を『流動性知能』と言います。新しいことを学び、それを活用して素早く処理する力です。
おおむね、大学を卒業して新入社員3年目くらいまでが、物覚えがよくどんどん吸収できる時期といえます。だから、学校に通って新しい言葉や公式を覚えたり、運動や芸術などの新しい分野に触れることを推奨しているんですね。
一方で、歳を重ねてからも学ぶ欲求はなくなりません。むしろ様々な経験を活かして理解力や洞察力が増したり、多角的なものの見方や創造的な発想ができるようになります。この能力を『結晶性知能』と言います。経験から学び、活かす力です。
こちらは歳を重ねることで徐々に上がっていくので、25歳を過ぎてからが本領を発揮します。経営者層が高年齢なのも、実は結晶性知能を活かしているからなんですね。
端的に言えば、
若いうちはインプット
歳を重ねたらアウトプット
ということです。
そういえば、本を読んでいても、若いころはとにかく目にするものがすべて新しい言葉だったので、覚えることに必死だったように思います。ですが最近ではパラパラっと目を通すだけでも、そのほとんどの言葉は知っているので、何となく頭に入ってきます。いわゆる速読術ができるんです。
それは流動性知能が落ちてきても、結晶性知能で補っているということなんでしょう。
実はここが世代間ギャップの問題の原因になるとわたしは感じています。
若手が一つひとつ覚えることに必死で、なかなか学んだことを組み合わせて効率的にできないことに、思わずイライラしてしまう・・・そんな上司は世の中にたくさんいるでしょう。
でもそれは、若さゆえに結晶性知能が十分に発達していないからなんです。経験を活かそうにも、その経験値が圧倒的に不足しているんです。逆に流動性知能が伸び盛りなので、新しいことを吸収する力は非常に高いんです。だからたくさん経験させて、(失敗も含めて)学ぶことでどんどん吸収させてあげればよいのだと思うんです。
それが開花するのは30代に入ってから。それくらい十分に学ぶことで、将来的に生かせる結晶性知能が身についてくるんでしょう。
『若いうちは、苦労は買ってでもしなさい』
よく言ったものです。それは確実に将来の経験につながります。
ちなみにわたしの中では、このように言葉を置き換えて捉えています。
流動性知能 = 知識(記憶した情報で情報同士が結びついていない状態)
結晶性知能 = 知恵(蓄えた情報同士を組み合わせて活用できる状態)
老いることとは、『知識が知恵に変わっていくこと』だと思います。
ただ、VUCAの時代になり、ただ単に経験が活かせるという場面は減ってきました。これまでの経験則にしがって判断することが必ずしもよいとは言えなくなってきています。
そこは新しい発想が求められますし、直観力が大切になります。これは流動性知能の役割ですから、いまこそ若い世代の自由な発想が活かされる状況だと思うんです。それを支えるのが年配の役目で、安心してチャレンジできるよう環境を整えてあげることが求められていると思うんですよね。
ちなみに『LIFE SHIFT 2』は、ぜひとも年配の方に読んでいただきたいです。わたしも含めて「老いと向き合う」には、とても勇気をもらえる本になっていますよ(笑)
また気が向いたら感想を含めて書いてみます。
明日も素敵な一日でありますように。
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