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決めつけではなく、
思い込みでもなく、
想像の翼を広げて大きく捉える―――

そんな感覚を得た昨日の学び。

幼少期から大人までの経験を語り、問いかけと内省による自己探求を繰り返すことで、ありたい自分や自分らしさに気づく。

自分が物事をどのようにみて、どのように考え、どのように解釈するかというプロセスを、構造的に捉えてみようという試みでした。

お互いに語り合う中で、幼い頃の自分がいまに繋がっていることに気づいていきます。それへまるで一本の糸で紡がれているかのように。


例えばこんな感じの話、というわたしの創作事例を取り上げてみます。

子どもの頃、学校の先生から「あいさつは元気よく自分から」と教えられました。それ以来、地域の方にも元気よくあいさつし、みんなから褒められたという経験をしてきました。

高校や大学ではスポーツに励み、持ち前の明るさや元気のよさが買われて営業の仕事に就くことになりました。

ところが先日、お客様のところに出向いた際にいつものように元気よくあいさつをしたところ、「そんな大声であいさつしなくてもいいから」とお客様から注意をされてしまいました。

それ以来「元気よくあいさつするのは迷惑なのかも」と考えるようになり、控えめにあいさつすることにもやもやした気持ちを抱くようになりました。

この方の場合、「あいさつは元気よく自分からするべき」という自分のポリシーを持ち続けてきました。
逆に言えば「元気よくあいさつできるわたしは素晴らしい」と自信や誇りを持って生きてきたわけです。

それが、「そんな大声で」と否定されてしまったんですね。大きなショックを受けました。
声の大きさを控えればよいだけ……とは捉えられず、「大声であいさつする自分は良くない」と悩むようになってしまったんですね。

問題と自分を切り離すことができず一体化して捉えているから、自己否定へと繋がってしまっています。


でもこの方にとって「自分から元気よくあいさつする」ということは大切なものです。例え自分が揺らぐようなことがあっても、簡単には手放せない“愛しい自分の一部”なんですよね。だから行動を否定された、すなわち自分自身を否定されたと捉えてしまう……

ただ、こうして悩むのは悪いことではないと思うんです。
まして「あなたには問題がある」と指摘するのはお門違いかと。


だからキャリアカウンセリングを通じて、
・なぜ悩んでいるのか
・何に悩んでいるのか
・どのように悩んでいるのか
を相談者自身が明確に捉えられるようにすることが大切だと思うんです。

また、
・なにが悩みを生み出しているか
・どんな自分の一部が揺れ動いたのか
・本当は自分はどうありたいのか
に気づくよう、自問自答を促す役割をキャリアカウンセラーは担っていると考えています。


この「悩みの構造を明確にして、相談者とともに言葉にして表現できるようにすること」が、概念的理解の目的だとわたしは捉えました。

悩むということは、大切な自分が傷つき辛い思いをしているから。
でもどこかで「もしかするとこの自分は良くないかも?」と、薄々気づいていたのかもしれません。
それを改めて指摘され、直面したことで葛藤が起きている感じでしょうか。

好き・・・だけど嫌い、弱い・・・けれど大事。
そんな自分の中の矛盾した部分は誰しもが持っているでしょう。
でも普段はそれを明るみに出すことなく、気づかないふりをして生きています。
そして気づきたくないから他人事の世界へと追いやって、○○が悪い、○○がいけないと、自分の意識の外へと追いやろうとする―――
でもそこには大切にしたい「か弱い自分=可愛いらしい自分」がいるからこそ、守ってあげようとする反応なのかもしれません。


こうやって悩みのプロセスを順番に形にしていくと、先ほどの
・なにが悩みを生み出しているか
・どんな自分の一部が揺れ動いたのか
・本当は自分はどうありたいのか
という問いに向き合っていく準備ができると考えています。

一人では向き合えなくても、信頼できる人が寄り添ってくれればできるかもしれません。そこにこそ、わたしたちキャリアカウンセラーの専門性があると感じています。


一晩経って、ようやく自分でも言語化できるようになりました。
むしろ、言語化したくなったというのが正しいかも。
それくらい心が揺れ動く、素敵な学びの時間でした。

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最後は宣伝で締めました!




明日も佳き日でありますように

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