うれしくて悩むこともある
JCDA(日本キャリア開発協会)のキャリアカウンセリングにとって、最近のテーマとなっているのが『自己概念の揺らぎ』です。
自己概念とは「自分がよしとするモノの見方・考え方」のことです。これは一人ひとりが自らの人生を歩む中で様々な経験し、それを通じて築き上げてきたものです。
そうやって築き上げてきた自分らしいものの見方・捉え方が、何かのできごとをきっかけにグラグラと揺れ動いてしまう・・・それが『自己概念の揺らぎ』です。
わかりやすいケースでは、仕事や家庭でトラブルが起きて悩みを抱えているという状態ですね。「これでいいのか?」「どうしたらよいのか?」と悩むのは、自己概念が揺らいでいる証拠です。
信じてきたものが崩れ去ってしまうほどの大きな揺らぎから、何か自分らしくないと思いながらもあまり気にかけていないような小さな揺らぎまで、その「震度」は様々です。
でも揺らいでいるのは事実です。だから今一度、自分のものの見方・考え方を再確認する・・・というのがキャリアカウンセリングの目的になります。
ここのところずっと『自己概念の揺らぎ』について考えていて、ふと気づいたことがあります。それは『必ずしも辛く苦しい悩みだけではない』『うれしいときにも悩みはある』ということです。
うれしくて悩む?ってなんでしょうね。そこで、こんなケースもあるのでは?と思って、一つ事例をつくってみました。
これはわたしの想像ですので、実在のモデルがいるわけではありません。
ですが、あなたにも似たような経験があるのではないでしょうか?
自己概念が揺らぐ経験=悩みとはいっても、必ずしもネガティブなことだけではありません。むしろ「うれしい悩み」というものも存在します。Aさんの場合は、「迷い」という方がふさわしいかもしれません。
ではAさんはいったい“何に”迷い、悩んでいるのでしょう?
いま条件として挙げられたのは、以下の要素です。
・安定した仕事(業界)
・給与と休日
・家族と過ごす時間
・これまでのキャリアを生かす
・興味関心
・やってみたかったこと
もう少し大きな視点で考えると、次の2方向が見えてきます。
・これまでのキャリアを生かす
・やりたいことをする
キャリアを生かすというのは、いまの仕事で培ってきた知識や技術はもちろん、学生時代に学んでいたことも含めて、すべての経験を糧にするということです。
そして自分の持つ能力を十分に発揮して働くことで、期待に応えたい、活躍したいという思いが込められています。
一方で、やりたいことをするというのは、自分の夢です。仕事としてやりたいことはもちろん、個人的な興味関心や、家族と幸せな生活を送ることも含まれます。
生き生きと自分らしい人生を送る、仕事とプライベートの両面を大切にしたいという思いが込められています。
本当なら両方とも大切にしたいところです。でも状況からどちらか一方を選ばざるを得ない・・・となったらどうしますか?
きっとどちらを選んでも幸せになれるのですが、どちらも捨てがたいというとき、考えて悩んで迷って・・・「自分はどうありたいのか」と自身を見つめ直すのではないでしょうか?
それこそが『自己概念が揺らぐ』ということだとわたしは思います。
今回はうれしい悩みにフォーカスして考えてみました。
あなたはどちらを選んでも幸せになれるとしたら、よりどちらを選びたいですか?
そんなことを問いかけて、今日のnoteを閉じます。
明日も佳き日でありますように
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?