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ドバイに法人を作ったら税金0って本当?よくある噂とその真実

ドバイで会計事務所を経営している、公認会計士の岡本です。

3年ほど前から、アラブ首長国連邦の法人設立や税務会計などを仕事で行っており、職業柄もありいろいろな相談や質問をいただくことが多いです。

最近では税金が0と言うことで一躍有名となったアラブ首長国連邦(UAE)ですが、ご相談を受けていると誤解があるところもありますので、税金についてよくある誤解をこのNoteに記載しました。

これからドバイに移住することを検討されている方は参考にして頂けると幸いです。



1.ドバイの会社を作ったら税金がゼロになるんでしょ?


日本でかなり利益が出ている会社を経営されている方は、そういった税金の対策のために海外法人を使ってなんとか節税できないかと考えてご相談いただくこともあります。

結論から言うと、ドバイ法人を作っただけでは節税することはできません。


日本に住みながらドバイ法人を設立し、その売上金をドバイ法人で計上するという方法をとった場合、外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)という税制によって、その売上金はその会社のオーナーである設立者2人として課税されてしまいます。


要するに海外法人として実体がなく、お金だけをただ流しているようなケースは日本側で課税されることになります。タックスヘイブン対策税制については以下の記事で説明しているので、興味がある方は読んでみてください。


2.会社作って半年に一回、ドバイに行けば税金ゼロになるんでしょ?


ドバイに法人を設立し、就労ビザを自分に出すことでドバイに居住するビザを取得することができます。

その際の居住ビザを維持する要件としては、180日もしくは6ヶ月以上連続した期間をUAEの国外で過ごさないということが条件です。なのでドバイで居住ビザを持つ条件としてはその認識で問題ありません。

しかし、ややこしい話なのですが、居住ビザを維持する条件と税金の判断としての居住者は全く意味が異なります。


ドバイにはドバイの税務上の居住者のルールがあり、日本には日本の居住者のルールがあります。
居住ビザを維持するために半年に一回ドバイに行くだけだと、ビザの維持条件は満たしているが税務上の居住条件は満たしていないことになるので、行政手続きとしてはドバイ居住者だけど、税務上は日本の居住者ということになってしまう可能性があります。


3.ドバイに移住すれば税金かからないんでしょ?


ドバイに法人を設立してビザを発行し、移住したら税金がゼロになるという甘い言葉を口にする法人設立業者の人が多くいます。

はっきり言うと、業者は法人を作ることでその手数料が利益となることから、ポジティブトークとしてそういう言い方をします。
しっかりと税金の検討を対策をしていないと危険です。


例えば、ドバイからインターネットを使ったビジネスを日本向けに仕事をする場合は、日本の消費税がドバイ法人にかかってくるケースもあります。


また、ドバイ法人が日本法人と取引する場合、日本側で源泉徴収をされるケースがあり、それを怠ってしまうと延滞税などの罰金がかかるケースもあります。
会社の取引の性質や内容を一つ一つ理解し、取引ごとの税務判断をしないと後になって課税されてしまうケースがあります。


4.ドバイで仮想通貨を利確したら税金ゼロになるんでしょ?


ビットコインなどの暗号資産に含み益があるが、日本で利益を確定してしまうと税金が多くかかってしまうことを心配し、暗号資産の利確のために移住したいという相談も多くいただきます。

現時点で、暗号資産は出国税(国外転出時課税)制度の対象外になっているので、株式と違い出国した段階で暗号資産の含み益に課税されることはありません。

しかし、出国前に暗号資産の利益を確定してしまった場合や、その暗号資産で不動産などを購入した場合は利益が確定されたものとみなされ、日本で課税されてしまうため注意が必要です。


5.海外に1年以上住んでから日本に帰ってきたらいいんでしょ?


居住者や居住者のルールとして、海外に1年以上居住するか否かは重要です。その仕組みを利用し、最初から税金のためだけに海外に2~3年住んだ後、日本に戻ってくる計画の方がいます。

海外に実態として居住しているかどうかは年数だけで判断するわけではなく、財産の割合や収入の割合、家族がどこに住んでいるか、滞在日数や割合、契約している継続的な居住の場所などで総合的に判断で決定されます。

ただ、海外に数年住んでいるだけだと実際の生活の本拠地は日本であると見なされ、日本側で課税されることもあります。

番外編 ドバイに住むにはめちゃくちゃお金がかかるんでしょ?


ドバイに移住するときの初期費用や、住み続けるのにとてもお金がかかるでしょうという話もよく聞きます。

確かに、外食費や子どもの教育費などは日本と比べると高めだと思います。

一方で、野菜や肉、卵などの食料品やガソリン、タクシー代などは日本よりも安いか同じぐらいであることが多いです。


またドバイ移住の条件としても、お金がたくさんないとダメだと考えられている方もいますが、そんなことは全くありません。


ドバイで法人を設立して移住する分には特段の財産条件はありません。極端な話、会社を作るだけの初期費用(だいたい200万円程度)があれば、ドバイに移住することは可能です。

海外で人気の移住先であるタイと比較しても、同じぐらいの金額か、それよりも安い金額で移住できる国です。

まとめ


海外移住をするためには、海外の税制に関する正確な知識が必要です。そういった知識がなく、単に会社だけ設立し準備なく移住してしまうと、三年後四年後に税務調査が入り、過去の税金を厳しく調査をされてしまうこともあります。

私は日本の税理士・公認会計士であるとともに、UAEの公認会計士の資格も保有しています。海外移住やビジネス目的で法人を設立される際には、まずは専門家にご相談されることをお勧めします。

税制面ばかり注目されるドバイですが、実際に現地にいると、日々急速な勢いで経済が発展しているのを目の当たりにすることができます。
そういった経済の発展の中心地でビジネスを行うのも、とても良い成長の機会になるものと信じています。

もしドバイでビジネスを行いたい方がいらっしゃいましたら、一から支援させていただきますので、お気軽にお声かけください。

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