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でっかいかぼちゃプリン

ずっと作りたかった、大きな大きなかぼちゃプリン。家族でお出かけした日に、デパートの試食で食べた。小さなスプーンのひとすくいで、子ども達からこぼれた笑顔が忘れられない。

どれどれ、今日のおやつに買おうかね、と思ってショーケースをのぞいたら、ケーキのようにカットされたプリンが1ピース480円だった。

えぇぇ、と怯んでいると、息子が「でっかいのあるよー!でっかいのみんなでたべよう!」とホールを指差して興奮している。店員さんも心なしかにんまりしている。当たり前のように4000円と書かれたそれは、立体的で美しい。

ああでも、ぜんぜんだめ。プリンに4000円はぜんぜんだめ。ちょっと1周しよ〜♡と子ども達の手を引いて、そのままメロンパンか何かを買って帰った。

今日はその時の罪滅ぼし、リベンジマッチである。でっかいやつ、作ってやろうじゃないか。

昼食後、習い事へ出かけたのを見計らって、キッチンに材料を並べる。
かぼちゃ1/4
砂糖 100g (計量カップにざっくり半分)
生クリーム(残り、150ccくらい)
牛乳 400cc弱
卵3つ
どれだけ高く見積もっても、1000円もしない。それだけで、私は清々しい。

いちばんはじめはカラメルづくり。上の分量とは別に、ごそっとお砂糖80gくらいを小鍋に入れる。水大1で火にかけて、カラメルをつくる。煮詰まってトロトロになったら火からおろして、お湯大1でのばす。カラメルはそのまま、耐熱ボウルの底へ、とろーり。

レンジでしっかりチンしたかぼちゃは、皮をはずしながらスプーンで潰す。その時、ほろほろと剥がれていく皮を大切に小皿へ集める。

皮も熱いうちに潰して、ブルーチーズ・くるみ・蜂蜜と和えて、白ワインのおつまみに。これはしょうがないなぁーとスタンディングで白ワインをグラスに注ぎ、くいっと一杯。

完全にうまい。
土曜の昼下がり、かぼちゃプリンを作りながら、白ワイン!

飲みながら、生クリーム・牛乳は鍋で煮立てて、卵と砂糖を混ぜたものに少しずつ合わせて卵液にする。

粗くつぶしたかぼちゃと、卵液をミキサーでガーッと混ぜて、冒頭の耐熱ボウルに注ぐ。本当はかぼちゃを濾すべきなんだろうけど、私にはハードルが高すぎる。

オーブンは170度で余熱して、天板にお湯を張り、プリンを置いて50分じっくりと焼いていく。思わず、オーブンのガラス窓越しにじーっと見つめる。耐熱ボウルたっぷりの、でっかいプリン!表面にしっかりと焼き色がついたら出来上がり。

粗熱が取れたら、子ども達の帰宅まで冷蔵庫でしっかり冷やす。私はほろ酔いなので、こたつにもぐってお昼寝。


遠くから、姉弟の口喧嘩が聞こえて目が覚めた。何かを取り合っているのだろう。いつも通り息子が娘を叩き、娘が怒りながら泣いている。
私は目を瞑ったままこたつから這い出し、ううん、と咳払いしてから高らかに宣言した。

「はい、みなさん。なかよし姉弟には、かぼちゃプリンがありまーす。すごくなかよしだと、でっかいプリンになりまーす。」

すぐさま、たたたっと息子が走ってくる。すでに泣き止み、にやついている。娘も「ほんとうに?今から作るの?」と半信半疑でやってくる。

「なかよしですか?」
AIのように機械的に、目を見開いて聞いてみる。2人はぎゅっと身を寄せ合って、「なかよしです!」その目はキラキラと、期待に満ちている。

冷蔵庫から、耐熱ボウルいっぱいのかぼちゃプリンと、飾りのホイップクリームを取り出す。
息子はわぁ〜でっかい!と喜び、娘は取り皿を自主的にダイニングへ並べている。夫も、ちゃっかり座っている。

憧れのでっかいかぼちゃプリンだから、取り分けも大きな大きなスプーンで。下のカラメルと一緒にぐいっとすくって盛り付ける。生クリームをそれぞれ自分で絞って、できあがり。

かぼちゃたっぷり、ずっしり濃厚で、なめらかで、美味しい。カラメルと生クリームと混ざり合いながら、すうっと溶けていく。

美味しいものは、笑顔に変わるから好きだ。
でっかいかぼちゃプリンは、あっという間に姿を消した。

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