岡利燈

解釈する意志

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解釈する意志

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Black Hole Sun

硝子に映る無気力 誰も知らない擬態 蛇蝎を騙して様相を隠す 恥辱に沈む日輪 沸騰する夏の悪臭 墨に染まる天球 黄白を通じて名を呼ぶ もう一度、喚声を聴く 空っぽの太陽 雨を流してくれないか 空っぽの太陽 訪れないのか 冷たく陰に籠る貝 憔悴の友は温暖を盗む 誠実が崩れる時世 蛇蝎には時に冗長が過ぎる 彷徨う昏睡の境遇 維持を請い願う未成熟 幽世は俗世を追い払う もう吟ずる者は映らない がらんどうの太陽 雨を落としてくれないか がらんどうの太陽 訪ねてくれないのか

    • We Only Come Out at Night

      夜に出向くだけ 暗闇を訪れるだけ 昼間はあまりにも明るすぎるから 夜に出歩くだけ もう一度 知っている振りをする もう一度 道を知っている振りをする 虚ろな空間を通って 見えない秘密基地を通って 夜に出向くだけ 暗闇を訪れるだけ 昼間はあまりにも明るすぎるから 夜に出歩くだけ 独りで歩く 家路を見つけるために、独りで歩く 独りでいる 道を見つけるために、独りでいる 救い上げることはできないけど ちゃんと家に辿り着けるから 出来るよ 出来るんだ 夜に出向くだけ 暗闇を訪

      • Disarm

        微笑みが武装を解く 為されたように分かつ 幼い哀しみに別れを告げる ぼくの全章とあなたの一節 あぁ、月日は燃え上がる あどけない無垢だった とても懐かしい場所 ぼくの行先はぼくの選択 幼い子どもはどうなるの? あなたの恨みがぼくの憎しみ 微笑みを投げよう 穏やかに鋭利を包み込む 放置されたように置き去る 否定に囚われて弱っていく 放置されるものの苦しみ あぁ、時が焦げていく 燃えさかって燻っていく 小さな子どもだった かつての記憶 ぼくの叫びはぼくの選んだもの 幼い子ど

        • Cherub Rock

          陶酔して服従する 信念など何でもいい 何食わぬ顔で 弄りものになる 分かっているはず 誰が正義で、何が名誉か そう言われた 甘い蜜を欲しがるのは誰だ? 金色の香りに満たされて 甘い蜜を欲しがる者は? 結合する大衆性 産業が整列する 用心して疑う 固く締め切った無垢たち 覆面の裏で 震えて怯えている 硝子に映らない場所 甘美な汁を欲しがるのは誰だ? 映る富に魅せられる 甘美な汁を欲しがる者は? 放せよ さあ 放してくれ 秘密の全てを語る 真実と信じざるを得ない 密事の

        Black Hole Sun

          Bullet with Butterfly Wings

          この世は吸血鬼 流す為に送られる 隠れた放火魔 炎に投げられる 何かを得る 苦悩なのか 執着を裏切った お遊びの一節 知っているとしても 振る舞うだろう 何も感じない 労役のように 怒りに塗れても、檻の鼠のまま 失ったものは拾うことができない 怒りに塗れても、檻の鼠のまま 全てを露わにする 家畜以外の何でもない 欺くことはできるか ただ一度の芝居の為に 何を求めるのか 変える気はある 何を欲するか いつ感じるのか 解ったとしても 立ち会うだろう 熱を帯びない 道具のよ

          Bullet with Butterfly Wings

          Zero

          像を映す、汚れた鏡 そこに繋がりは無い 恋人で、虚ろで 石英の夢に浮かぶ顔 祈りは持っておく 本当に必要な時のために 不安を置き去りに飛ぶ 乗ってみようか 自身の為の 本当に必要とする全て 自身の為のもの 虚無は孤立 孤独は清潔 清廉は信心 神は虚しく満たされない 狂乱に酔いしれる 憂鬱を愛しむ 滑稽な偽善者、まじないの王国 流行りの召使いは黄ばんだ歯ぎしり 口外はしない 沈没船に乗っていたとは 沈んでいたとは漏らさない 自身を苛む 押し殺せないもの 飢餓と執着に

          Jeremy

          家で、高い山の絵を描く 頂上に佇み、燦々とする太陽 大きく広げた腕 眼下の濁った水槽に死は横たわる 父は、不可視に甘んじる 認識できないという事実に 増長する王は 彼自身を支配する 今日、教室で口を開いた 今日、教室で声を発した 確かに目にした 取るに足らないはずだった 放ったのは猛獣だった 咆哮をあげ噛みついたのを、忘れることはできない 打ちのめされ、愕然を置き去る ひどい驚きに陥った その日、聞いた限りは 父は、眼にも映さない 着られない服のように 肥大していく王

          Today

          今日はとても素晴らしい 知り得る限りの日 明日まで待てない あまりにも待ち遠しい 目を閉じてしまおう 出ていく前に 願い続けた 人生が与え得るよりも もう疲れたんだ 体裁を繕うのは 今日はかつてないほど素晴らしい ぼくが知り得る限りで 明日まで待てないんだ だって、そんなには待てないから 破り裂いてしまおう ここを去る前に 桃色に結ばれた傷跡 忘れられないんだ 懸命だった 後悔を洗い流そうと 綺麗だった羽は むしられて、しおれてる 身体には棘だらけ 今日は そう、今日

          Creep

          ここで見たとき 硝子に映せなかった 翼みたいに 泣きそうなほど 流れるように漂う 素晴らしい世界を ぼくも特別だったら良かったのに きみは本当に特別だったから ぼくは気味の悪いやつ おかしいんだ 何をしているんだろう ここには居られない 傷ついても構わない 自分の舵を握りたい 健康な身体になりたい 健全な意志を宿したい 気づいてほしかった 近くに居ないときも 本当に特別だった ぼくもそうだったら良かったのに ぼくは気色が悪い 変なやつだ 何をしているんだろう ここには居

          Mayonaise

          満たされることない愚か者 気が付かないほど冷めてる 終わってるね 満杯の哀しみを袖から盗み取って 明日、一緒に逃げ出す 6月 傷を癒そうとして なぜか、同じことを感じる そう、誰も知らない 秘密の行き先 親愛なるものへ送る 人生が乾ききったとき 願いを 正しさに叩かれ、囁かれる 危険な慰みの隙間で 叫べ そして、間違える でも、できるときはやる わかってほしい できるときはやるんだ 会えないときを嘆き悲しむ母 たくさんの時間は与えられない 戻れ 静かに耐えて、打ち勝つ

          Tonight, Tonight

          このときは全てじゃない 幼い子どもを置き忘れて 立ち去ることはできない 常に変わっていく 決して同じじゃない 変われば変わるほど、感じなくなる 信じて ぼくを信じて 信じてくれ 常に移り変わる 虚しさに行き詰まってるだけじゃない 決して同じじゃない 違うんだ 今夜は なんて明るいんだ そう、今夜 自分自身を信じられなくても 間違ってないことは信じきれる ともし火を宿したのなら 残り火は消えないから 湖のほとりの町で そこはきみの生まれた場所 信じて ぼくを信じて 信じ

          Tonight, Tonight

          1979

          叶わない慣らし運転 提出日に追われる幼い未練 大通りを離れた送電線の上で 会うべきだったぼくら 石となって跳ねる銀輪 光線が夜を照り明かして 全てが終わりゆくのを、見ぬ振りをした それでも、構わない 欲求不満を振り回す 知り得る術が無いから ぼくらの骨が灰になる場所 忘れられて、土深くに沈む 空虚と退屈の裏切り 慰みの外出は割り切れない 姑息を繰り返す麻酔の街 清算は近い 下り立てなくても気にしない 罪と灰の土に引け目を感じ 嘆き吐いて、灯りに縋って 街の中へ 音速より