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「円」を売る理由が見当たらない?

 4月に書いた 「円」を買う理由が見当たらない|損切丸 (note.com) のカウンター note.

 このままでは「円」の「信用」がボロボロになる。|損切丸 (note.com) 等々、厳しい見解も示してきた「損切丸」だが、政府・日銀は徳俵一枚で踏み止まった印象。「利上げ」というより非常識に放置された「超低金利」の調整を始めた事でようやく「円安」に修正が起きた。それでもまだ@139円台に入っただけで未だ道半ば

 アルゼンチンが示唆する「日本の未来」|損切丸 (note.com) というよりも、かつて世界の「覇権国家」から「観光立国」に落ちていったスペイン型の没落を危惧していたが、この国のトップはそこまで落ちぶれてはいなかったようだ。インバウンド需要で 旅行に行くなら「日本」。ー 貿易赤字解消 → ≓ 「円安」に歯止め?|損切丸 (note.com) もいいが、それでは "Rising Sun" (日出づる国)としての復活はない

 ここまでほぼ2年間、「貿易赤字」→「円安」→「貿易赤字」の "無限ループ" 。|損切丸 (note.com) が続いていたが、これが "逆回転" すれば「貿易赤字縮小」→「円高」→「貿易赤字縮小」のループに反転する。相場なんてそんなものだが、それにしても「ドル円」は動き過ぎ。それだけ政府・日銀に隙がある証拠で悪く言えば "オモチャ" にされている。だがFXトレーダーにとっては貴重な収益源でもある

 加えて膨大な経常黒字による 「円高」のマグマ|損切丸 (note.com) もある。不良債権問題に苦しむ "お隣の大国" から撤退する大手企業が相次ぎ、その分生産拠点を日本に戻す動きも加速保有外貨を「円転」する動きは容易に想像でき、自社株の買い戻し等々財務戦略も変化しているはず。「円安」時には収益を膨らませる効果を持つが、@160円でトップを打ったと判断すれば「円」に戻して利益を確定するのが常道だ。そう言う観点から「円買い介入」は大きな意味を持ち、政府との「阿吽」も感じさせる

 今回の「円高」は「ドル安」の側面も持つ

 「ドル」が売られる時。|損切丸 (note.com) でも触れたが「貿易赤字」「財政赤字」で言えば "消費大国" アメリカも大きな問題を抱えたまま。GAFA等の膨大な「デジタル黒字」で影に隠れていたが根本は変わってない

 日本:「異次元緩和」「デジタル赤字」>アメリカ「財政・貿易赤字」

 @110円台から@160円台までの壮大な「円キャリートレード」が展開されたのはこういうベクトルが増幅されたからで、 "逆回転" が起き始めている。JGBも1,300兆円あるが米国債だって24兆ドル(≓3,300兆円)も発行されている。「資金繰り」に注目すれば、日本が1,100兆円もの「預金」でほぼセルフファンディング(自国による金繰り)されているのに対しアメリカは17兆ドル(≓2,300兆円)しかない。つまり米国外に「資金繰り」を頼っている状態であり、筆者が「ドル」を信用しきれない理由でもある

 もっとも40兆ドルを超える「株」の時価総額は圧倒的で、その収益力に引き寄せられて「お金」は「ドル」に集中する。それが現在の「ドル覇権」の正体だが、今年の就業者数が▼80万人も下方修正されるなど実は盤石ではない3回連続+0.75%「利上げ」なんて "離れ業" を使って、たった2年弱で「ゼロ金利」から一気に@5%まで「利上げ」した事は "冷や酒" のように後から効いてくる

 そういう事を経験上熟知しているからこそウォール街から▼0.50%「利下げ」なんて ”噂” が漏れてくるのであって、そうやって「ドル売り」を仕掛けてくる。ただ明後日(9/18)のFOMC慌てて大幅利下げに踏み切れば、かえってマーケットの「ドル不安」を思い起こさせてしまう。今回は▼0.25%で、流れとしては ”Buy the Fact" (事実で買え)か

 「金利差」相場 ≓ (名目)「高金利通貨買い+低金利通貨売り」

 この方程式を信じて疑わなかった "Ms. Watanabe" も今回は考えを変えるだろう。それが本当ならトルコリラもブラジルレアルも爆騰しているはずが実際は逆物価上昇率を加味した「実質金利」でさえも時に理屈通りいかない為替と金利の関係はそれほど単純なものではない「資金繰り」「資本流出」等あらゆる要素を反映して動く

 だからリアルマネーを預かる年金等のグローバル投資家は日々頭を悩ませる3ヶ月後、1年後、あるいは5年後を見据えた 続・日本人にとっての「最適投資」2024 - 大事なのは「投資価値」|損切丸 (note.com) とは一体…。考えなければいけないことは無数にある。それでも "見落とし" が発生するので、筆者のようなオールドタイマーは年々 ”臆病” になる。「損切丸」がこんなにバカスカ書くのもそのせい(苦笑)。まずは3連休開けの東京市場とFOMC後のマーケットの動きに注目してみよう

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