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マーケットの "裏の顔” - 突然の「派閥解消」とJGB急落の関係(?)

 「明日は利上げなさそうですよ」

 10年以上前になるが、某通信社の記者さんが筆者の携帯に電話してきた。政策決定会合のまさに前日。丁度東京に出張で来ていたロンドンの同僚と飯を食いに行く所だったので、その事を告げたらビックリしていた。マーケットでは「利上げ」も噂されていたが、結局「金融政策変更無し」

 これで何か儲かったわけではなく、もちろん事前の情報漏洩は御法度。だが筆者が現役当時、「日本金融村」ではこんな事が頻発していた。出元が ”政府関係者” だったり時には某新聞だったり...。表に出ない "裏情報" が飛び交っていた

 「何かあったのでは?」

 だから今日(1/19)の東京市場引けでJGBの気配値が「金利急上昇」を示すとつい疑ってしまう。週末に何か日銀関連の記事が出るのでないか... e.g., 「マイナス金利解除へ、デフレ脱却を宣言」とか。殆ど病気(苦笑)

 一番関係がありそうなのが首相による突然の「派閥解散」宣言。与党内では ”クーデター” との見方があるようだが、これには確実に「影のシナリオライター」が存在する。「裏金疑惑」で国民の不満が噴出する中、今これを仕掛けられたら「派閥を維持する」とは言い難い。今後あるであろう選挙へのダメージは計り知れないだろう

 更に驚いたのは80代のお爺ちゃん(元・幹事長)が率いる「派閥」があっさり「解散」に動いた事。陰謀論を語るつもりはないが、検察の「逮捕」「不起訴」の方針が出た直後のこの動きを見ると、何か「バーター」≓「裏取引」があったのではないかと勘ぐってしまう。例えば「派閥解散」に応じれば「逮捕」は見送るとか…。5年も経てば真実が語られようが、こういう ”政治劇” は久々に見る

 一連の動きには当然 "政治的思惑" がある

 3ヶ月前にも いよいよ「解散総選挙」モードに突入。ー 日本は経済構造のリフォームへ?|損切丸 (note.com) を前振り的に書いたが、「増税」に理解を示す現首相は財務省の ”推し” 。一度気運は頓挫したが「マイナス金利解除」「YCC廃止」→「デフレ脱却宣言」は「解散総選挙」に向けての切り札「カード」を切るタイミングを虎視眈々と狙っている

  ”クーデター” とも揶揄される今回の「派閥解散」現首相としてはかなり思い切った仕掛けだ。最近随分ニコニコしていて変だったが、こんな戦略を用意していたとは。 "普通な見た目" に似合わず "策士" なのかもしれない

 「政治からの独立」を大義名分としている中央銀行とその金融政策だが、実は日本に限らず欧米でも政治との関連が深い

 直近なら パウエル議長の "心変わり" 。|損切丸 (note.com) バイデン大統領の "心変わり" (?)。|損切丸 (note.com) あれだけ「インフレは一時的」と言い張っていたパウエル議長が突然「利上げ」に転じた。確認は出来ないが ”バイデンフレーション” の衝撃。|損切丸 (note.com) で困った ”親分” (=大統領)から「インフレを何とかしろ!」と勅命が下っていたのは間違いない

 これがマーケットの "裏の顔”

 「一般人にはそういう情報が無いから不利」

 そういう不満も理解するが、では筆者が現役中に得たような "裏情報" が必要かというとそんな事はない。一連の流れをつぶさに追えば、自ずと "帰着点" は見えてくる。今回は「インフレ」と「円安」がキーワードだが、徐々に深刻化する生活苦を鑑みれば今回のような ”クーデター” は遅かれ早かれ起こりうる「利上げ」然り

 「金利」という一種特殊なマーケットの性質からいつも「準備」を迫られた「損切丸」的には "裏情報" はあまり価値がない。出回った瞬間には既に勝負が決しているからだ。これは個人による「投資」にも同じ事が言える
*FXや株の超短期トレーディングには有効かもしれないが、そういう ”スパイディール” は「インサイダー取引」と見做される畏れもあり推奨できない

 だからコツコツ、コツコツ ”状況証拠” を積み上げ、連関性を想定しながらシナリオを立てて「準備」する。筆者が今も昔も心掛けているやり方だ。そして大事な事は必ず ”裏” =データを取ること。そうでないとただの陰謀論や個人的希望になってしまい、確認を怠れば十中八九 "やられる"

 さてこの週末に本当に「日銀関連の記事」が出るどうか(苦笑)。ただマーケットの "裏の顔” として現政権と財務省・日銀の関係性についてはそれ程ズレはない。あとはタイミングの問題。筆者の「準備」が実るのか、今回の ”クーデター” をちょっとドキドキして見つめている。ドル円日経平均、そして何と言ってもJGBは要注意+2%を超えたCPIや強い日銀短観など ”状況証拠” は揃っている

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