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もし「100億円」持っていたら...

 なかなか想像するのが難しいかもしれないが、例えばアメリカみたいに一等100億円の宝くじが当ったとしよう。「インフレ」「投資」を考える時、丁度良い ”頭の体操” になる

 「預金」が第1選択肢になるだろうか?

 「お金」に堅い人なら保守的にそういう事を考えるかもしれないが、銀行破綻のリスクを排除するなら預金保険でカバー出来る1,000万円以内にしたい。そうすると10,000行「預金」しなければいけなくなる。いかに銀行過多の日本でも残念ながらそんなにはない

 そしてより根本的に ー 果たしてそれは「安全資産」なのか?

 4年前に「損切丸」を始めて 「お金のマニュアル」 -損をしないコツ- 其ノ6 お金持ちの理屈|損切丸 (note.com) なんて書いた時は反応が薄かったが、今となってようやく意味をなしてきた

 100億円も持ったら、まず考えるのは減らさないこと。特に今のように物価が上昇する「インフレ」が一番怖い。何しろ ”モノ” の値段が倍になれば「お金」の価値は半分になる。「通貨」で考えればこの2年で「円」は▼50%近く減価しており「円」を持つ事自体が大きなリスクになった

 対「インフレ」投資として取るべき資産配分は大きく3つ

 1.株
 上場されている株は市場流動性も高く、まとまった金額でも換金が容易。「配当」を狙う方法もある

 2.不動産
 大きな金額をアロケーションするには大事な資産。ただ売買には時間がかかるため換金性には劣る
 e.g., 5年以内の短期売買益には40%もの税金がかかる。5年超なら20%

 3.外貨
 1つの「通貨」に資産が集中するリスクをヘッジできる。金額が大きくなるほどその必要性が増す

 日経平均は再度@40,000円を超えたが、ドル建日経平均ではやっと@$250ドル円が@150.50だった3月につけた@$268には遠く及ばない

 「円建投資」で見るとNYダウや英FT、独DAX、日経平均が年初来およそ+20%で足並みが揃った印象。「新NISA」で人気のS&Pは+30%台だ ↓

 不調の中韓株でも+10%台は維持しており、とにかく「円」で持ったままよりはマシビットコインに投資した ”勇者” のリターンは+60%台

 株価単体で見ると日経平均は2年間で+50%超上昇しており、世界の株式市場でもトップクラス。ただトルコアルゼンチンの株式市場同様  「通貨安」で名目値が押し上げられた部分もあり素直に喜べない

 ドル円は@162円に迫る勢いだが、ここまで来ると "違う気配" が漂う

 まずは日銀による「利上げ」。いわゆる "催促相場" になっているが、株価が上がれば日銀は動き易くなる。まさに 「円安」が「円高」を呼ぶ ー 「キャリートレード」だって本当は怖い|損切丸 (note.com) の展開だが、あとは「財政健全化至上主義」の財務省をいかに説得するか

 もう1つ気を付けなければならないのは「もしトラ」「通貨安」は「近隣国窮乏化策」と呼ばれており、製造業の輸出競争力を高めるトルコやアルゼンチンと違うのは日本は経済規模が大きく技術力・資金力があることアメリカはもちろんのこと、自動車で競合するドイツも実は苦々しい思い「もしトラ」となればあの御仁が黙っているはずがない。日本としてはどうやって「人手不足」を解消するのかが復活の鍵となる

 現在のドル円が高過ぎると判断している筆者の ”100億円の分散投資” ならこんな感じ 

 さすがに「現預金」をゼロには出来ないが、10%ぐらいまで圧縮しないと "怖い" 。あとはFXの「円安」やそれぞれの資産価格の評価になるが、金額が10億円に減れば「外貨」の比率は落とすだろう

 筆者は「運用」のプロではないので "BEST" じゃなくて "BETTER" でいい|損切丸 (note.com) どちらかというと「守り」に重きを置いた布陣。還暦で今後海外で暮らす可能性が低い「損切丸」はこんな感じだが、世界に挑む人では選択も変わってくる。もっと「外貨」「暗号資産」を組み込む人もいるだろう

 ある生保が30年JGBの@2.5%について言及していたが、確かにそこまで金利が上がれば「円金利資産」も有効。とにかく「インフレ率」を下回る金利は「損切り」と一緒。逆に十分金利が上がれば株・不動産 → JGBへの移し替えも選択肢になる(だから株関係者は「利上げ」が大嫌い。苦笑)

 「異次元緩和」から30年振りに脱却する「日本」はやはりマーケットの鍵アメリカのように@5%までいかなくても政策金利(O/N)~2年の金利が@3%を超えたら80%以上の資産を「円金利」に戻すだろうが…。道のりは長そうだなぁ

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