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続・逃げ出す「お金」。向かう先は... @2024

 3/5 ブルームバーグ社記事 抜粋
 JPモルガン(JP) マルコ・コラノビッチ氏(チーフストラテジスト):「米国株の劇的上昇と暗号資産(仮想通貨)ビットコインの6万ドル突破はフロス(泡、細かなバブル)が蓄積していることを示唆」
 ゴールドマンサックス(GS) デービッド・コスティン氏:
「大型ハイテク株の高いバリュエーションはファンダメンタルズに裏付けられている」

 逃げ出す「お金」。向かう先は...@2024|損切丸 (note.com) の続編

 ストラテジストの個人的見解かもしれないが、ウォール街の "2巨頭" 「JPモルガンチェース」と「ゴールドマンサックス」でこれだけ意見が反駁するのも珍しい。それだけ現在の ”高値” で売買いの火花が散っているという事

  "2巨頭" といってもその性格は大きく異なる

 JPは「ドルの巨人」「預金」「貸出」等で「お金」の動きがつぶさに見えている。まさに 銀行は知っている。|損切丸 (note.com) 例えば@7%に上昇した住宅ローン借入が鈍っているのも見えるし、企業行動から景況感も推し量れる、e.g., 株価が@195ドルでダブルトップを形成して業績が振るわないアップル社 ↓ 、etc.  米国債の「逆イールド」を是認する立場だ

 GSは違う。こちらはより「証券」的で株等の売買動向が見て取れる。特にHFT(High Frequency Trades、高頻度取引)やAI取引が普及してからは、 "マシーン" が以前より高速・高回転で取引するため「買い相場」が増幅、持続しやすくなっている

 ここで鍵になるのが 「いつも買う相手」のいる有り難み - 今度は「インフレの免罪符」 |損切丸 (note.com) 「買い手」の創出

 典型は「過剰流動性」が生んだ "怪物" ビットコイン|損切丸 (note.com) のETF。これでファンド、投資家から「買い注文」が受けやすくなり、高速・高回転の「買い相場」を増幅出来るようになった。市場規模の小さい暗号資産なら尚更で、強気になるのも当然だろう

 割高感が指摘されて久しい米株については "Far East" (極東)から「新NISA」という "神風" 「オルカン」やS&Pファンドから恒常的に月2,000億円も「買い注文」が入ってくるのはとてつもなく大きい

 イギリスの大手行で20年以上も「資金繰り」を担当して「お金」のフローを追っていた「損切丸」はどちらかというとJP寄り。年単位で俯瞰すればそれでおおよその予測はついた。ヨーロッパもアメリカもしつこく国債を買ってくるのはそれだけ景気に減速感が見られるから。それも "FACT" の1つ

 ただ「相場のAI化」を見ればGSの意見もさもありなん。向こう3~6ヶ月ならGSの見方が正しいのかもしれない。彼らはまさに "日計り" 勝負で "ババ" は「日経平均」か「マグニフィセント7」か「ビットコイン」か、それとも「お金」か?|損切丸 (note.com) の懸念などものともしない。ただ一晩で@69,000ドルから@59,000ドルまで動いたBTCは ”ババ抜き” なんて生易しいものではなく "絶叫系コースター” 。とても怖くて乗れない(苦笑)

 『FOMO』=Fear of Missing Out(買い遅れの恐怖)

 日本株を巡る状況はちょっと違う。これだけ急激に上がるといわゆる「持たざるリスク」が意識され、「お金」の価値 - "一度一方向に走り出すと止まらない日本人" |損切丸 (note.com) 「米株安」「円高」をものともせず上がった「日経平均」の腰は強い頭の重いS&Pや「ドル円」を見て日本株に向かう「新NISA」も増えてくるだろう。実際運用成績は日本株の方が上

 M菱UFJとN村証券の意見が真っ向から対立なんてこともない。前者からは3月に「マイナス金利廃止」(筆者も同意見)のコメントが出てドル円が@150円を割り込んだ「銀行」としては業績の上がる「利上げ」は歓迎+1%ぐらいの「利上げ」では今の日本株の勢いを削ぐこともないだろう

 あとは「インフレ」の動向次第だが4月から本格化する「賃上げ」がどう影響してくるか。筆者はマンション・アパートなどの「賃貸料」の動向 ↓ が鍵を握ると見ている

 日本は戦後の住宅事情の悪い時に制定された "居住者保護" 名目の「借地借家法」が未だに続いており、大家が「家賃値上げ」をしにくい。幸か不幸か、これが*日本の「インフレ」を抑制してきた。ただ広めの部屋を中心に東京の家賃は急上昇 ↑ 「賃上げ」と同時に「家賃値上げ」が社会的に許容されるようになると状況は一変する。様々な法律が「昭和」のまま放置され多くの齟齬が生じているので「借地借家法」にも手が入るかもしれない

 ちなみに知人に聞いた話では、オーストラリアでは大家が退去を勧告したら住居人は出て行かなければならないらしい。当然「家賃」は上がりやすく、不動産価格上昇の原動力になっている。世界的に見れば日本の方が異例

 色々な意味で日本は「変革の時」「米中分断」の影響もあり、いくら「実質金利」が高くても「お金」は中国やブラジル、ロシア、あるいはトルコには向かわない。それも日本株(+BTC? )を後押ししている。世界的に「資金フロー」が大変革していく2024年逃げ出す「お金」はどこへ向かうのか...。興味は尽きない

 JGBも1980~1990年台に付けた@6~8%(  標題グラフ)になるとは想定していないが、多くの人が思っているより円金利は上がると個人的には予想している。その時初めて「日経平均」が "ババ” になるかもしれない





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