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「好きなことを徹底的に面白がっている人」を見るのが好き

歴史学者の磯田道史さん。
城郭考古学者の千田嘉博さん。
オタキングで評論家の岡田斗司夫さん。
日本モダンガール協會代表の淺井カヨさん。
東京喫茶店研究所二代目所長の難波里奈さん。
Eテレ『昆虫すごいぜ』の香川照之さん(カマキリ先生)。

この皆さんが大好きで仕方ない。共通しているのは、好きなことを徹底的に面白がる姿勢と「その楽しさをすべての人に伝えたい!!」というパッション。人が何と言ってもいい。自分はそれを大好きで、その世界にのめり込めたら最高。誰かと共有できたらもっと最高。

身内でも、高校で数学を教えていた叔父さんがそうかもしれない。法事や盆暮れで会うと「数学はいかに面白いか、数の世界はどう美しいか」を毎回熱心に教えてくれる。数学書のある問いについて「昨日お風呂で解法を思いついた!」と嬉しそうに報告してくれる。正直、理解は追いついていないのだけれど、その話を聞いている時間はとても好きだ。

好きなことをとことん面白がる人は話し始めたら止まらないし、テンションが上がると声も早くなってくる。話しながら前の知識が次の記憶を呼び覚まして、エピソードは想定以上に膨らんでいく。こちらもどんどん巻き込まれる。門外漢なのに「面白い! 楽しい!」が伝わって、ワクワクする。

自分自身にはまだそこまで熱中できることがない。だから本気で面白がっている人に出会うと憧れるし、一緒に時間を過ごしたくなる。「めちゃくちゃ楽しいよ!!」のお裾分けをもらうと「ありがとうございます!!」と返したくなる。

実際、何度も触れていると興味が出てきて関係ないと思っていたジャンルが一気に身近になる。古文書解読や実践から入り込む歴史を知ったのは磯田先生のおかげだし、歴史の中で「城郭」だけにフォーカスする学問があるのも千田先生のおかげで知った。

千田先生がお城ロケに行った歴史番組では、少年のようにキラッキラと目を輝かせて顔を紅潮させた先生と会える。「こんなお城があったんですよ!」という熱いレポ姿を見るだけでこちらも嬉しくなる。千田先生は、ちょっとした土の盛り上がりや木々の並びから古の人たちがどんな意図で何をしたかったのかすぐわかり、私たちも理解できる情報にかみ砕いて丁寧に解説してくれる。見ているうちに、知識だけじゃなくて「そのときの千田先生」も見ていたくてチャンネルを合わせているのだと気づいた。

一回も見たことがないのに『機動戦士ガンダム』の世界観や建築の歴史、宇宙航空史まで知りたくなったのは岡田さんの動画のおかげ。「こんなことに興味持ってるのは僕くらいだと思いますけどね、ハハハ」と大笑いしているその姿がもう楽しそう。大笑いしすぎてヒーヒー言っているときもあるけれど全然嫌味ではない。

モダンガールを知るだけでなく、暮らしも考え方も寄せていくアプローチとその奥深さを知ったのはカヨさんの記事やイベントから。信念を持って選択した強さがいつも格好いい。会社勤めと趣味を両立しながら世界を究める面白さがわかったのは難波さんの本から。純喫茶はここ数年のブームに見えるかもしれないけれど、そのもっともっと前から「好きだから」と積み上げてきた土台が今の難波さんを支えている。

あまり親近感が湧かなかった昆虫に対して「すごいな」とリスペクトする視点を知ったのは香川さんの番組を見たから。というか『昆虫すごいぜ』では昆虫を愛する香川さんの姿を愛でるようになってしまった。その先にあるものが香川さんしかわからなかったとしても「どれくらい面白いことなのか」の熱量はしっかり伝わってくる。受け取れると素直に嬉しい。

本当は自分がその熱中を生み出せればいいのだろうけど、なかなか難しい。だから今日も皆さんの「面白いよ!!」を分けてもらいながら自分のエネルギーに変換している。


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