「いかにしてクリスマス要素ゼロの『One-Horse Open Sleigh』はクリスマスで最も愛される歌『JINGLE BELLS』になったのか?」~Dr. Seuss『How the GRINCH STOLE CHRISTMAS』第3話
さて今回は、知名度No.1のクリスマスソング『JINGLE BELLS(邦題:ジングル・ベル)』を解説しちゃうよ。
第1話と第2話はコチラ!
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Dr. Seussの『How the GRINCH STOLE CHRISTMAS(邦題:グリンチ)』を正しく理解するには、この歌の「本当の意味」を理解する必要がある。
「クリスマスを完璧に盗んだのに、本人がそれに気付いていない」というストーリーは、『ジングル・ベル』の歌詞が元ネタなんだよ。
だから『ジングル・ベル』には「クリスマス要素」が皆無なんだ…
だけどこの曲を歌うと立派に「クリスマス」が成立する仕組みになっているんだね…
何も知らずにクリスマスを「完璧に」盗んでしまったグリンチのように…
言ってることが、よくわかりませ~ん!
まずは歌を聴いて頂戴。
全然クリスマスと関係のない歌詞だから…
確かに、クリスマスのクの字も、サンタのサの字も出て来ん…
いちおう「そり」の歌やけど、そりを引くのはトナカイやのうて、ただの馬や。
でも日本語の歌詞だと最後に「今日は~楽しい~クリスマス」って言うよ。
あれは「替え歌」なんだよ。
誰かがふざけて歌ったものが、いつのまにか定着してしまったんだ。
ええ~!?そうだったの!?
今まで騙されてた!
でも実を言うと、歌詞の中に「クリスマス」がちゃんと隠されているんだよ…
イエス・キリスト誕生の物語が、歌詞の中に暗号のように隠されているんだね…
だから何も知らずにこの歌を歌っていても、自動的にクリスマスを祝うことになるように出来ているんだ…
そもそも男女の仲を深める婚活パーティー用に普及したこの曲が、実は「赤ちゃんの誕生」を祝う歌になってたなんて、ちょっと小粋な話だと思わない?
確かにそれは面白い…
けど、その「そもそも婚活パーティー用の歌だった」ってとこがイマイチ信用できないな。
あんた以外そんなこと誰も言ってないぞ。
これまでもそうだったじゃないか。
そもそも僕は「誰かが指摘してること」をわざわざ書こうとは思わない。
そんなの時間と労力の無駄だからね。
僕のモットーは「誰も書いてないことを書くこと」なんだよ。
誰も踏んでいない新雪の上へ一番乗りで足跡をつけることに、僕は情熱を燃やしているんだ…
雪国の元気な犬かよ(笑)
さて、大富豪J.P.Morganことジョン・ピアポント・モルガンの叔父であるジェームズ・ピアポントが書いた『ジングル・ベル』は、歌詞が4番まであり、当初は別のタイトルだった。
『One-Horse Open Sleigh』、つまり「一頭の馬が引く屋根なしのそり」という題名だったんだ。
James Lord Pierpont (1822–1893)
なんやねん、その味も素っ気もないタイトルは。
普通にサビの「ジングル・ベル」でええやんけ。
実はちゃんと意味があったんだな。
ポイントは、わざわざ「One-Horse」とされているところだ。
「馬」が「only one」であることが強調されてるんだよね…
そして「sleigh(そり)」も「open」なもの、つまり開放的であるところが重要なんだ…
なんで?
結論から言っちゃうと、「One-Horse」とは「イエス・キリスト」のことなんだ。
そして「Open Sleigh」とは、同じ発音の「Open Slay」のことなんだね…
S・L・A・Yのスレイ?
ドラゴン・スレイヤーのスレイか?
その通り。
だから「Open Slay」で「公開処刑」という意味になっている。
なぬ!?
だけど他の意味もあるんだ。
「slay」は「殺戮する」以外にも「大いに喜ばせる・たまらなく笑わせる」という意味がある。
似たような言葉「kill」と同じだね。
日本語でも笑いのツボにピンポイントで入った時に「死ぬ~!」って言うでしょ?
あと百発百中のキメ台詞「殺し文句」とか…
じゃあ、『One-Horse Open Sleigh』は…
「主イエスが大いに笑わせる」ってこと?
だね。
では歌詞を見ていこう。まずは1番から。
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