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シン・日曜美術館『ゴジラ 神曲 春と修羅』4


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1989年5月某日(日曜)
深読み探偵学校


おかえもん 17歳

国難?

きまた 木俣先生

全壊した建物が約10万9000棟、全焼が約21万2000棟…

190万人が被災、10万5000人あまりが死亡あるいは行方不明になったと推定…

帝都東京が破壊され焼き尽くされて、大勢の人々が亡くなり、運よく生き延びた人の多くも死ぬか生きるかの瀬戸際にあったのに…

とし子がどうしたとか言ってる場合ではないでしょう…

関東大震災

東京 神田 日本橋(1923年9月)

おかえもん 17歳

何ですか、この風景は…

まるで原爆投下後の広島・長崎か、東京大空襲の直後みたいじゃないですか…

クリス君 ノーラン 汗

岡江君、これは原爆でも大空襲でもない…

賢治が樺太(サハリン)旅行を基に「オホーツク挽歌」全五歌を書き終え、「風景とオルゴール」を書き始めた頃…

1923年(大正12年)の9月1日…

東京は未曾有の大災害「関東大震災」に襲われたんだ…

おかえもん 17歳

建物を破壊し、人々を襲う炎と熱風の竜巻…

ゴジラの放射熱線みたいだ…

関東大震災 本所石原方面大旋風之真景,帝都大震災画報

「本所石原方面大旋風の真景」

きまた 木俣先生

ちなみに、関東大震災を巻き起こした関東地震の震源地は、神奈川県の三浦半島沖だった…

東京に向かうゴジラが三浦半島の観音崎沖で「発見」されたのは、そのせいですね…

おかえもん 17歳

賢治が最愛の人トシを想いながら「風景とオルゴール」を書いている最中に、未曾有の大災害「関東大震災」は起きた…

つまり『ゴジラ』の原作者 香山滋は、これと第五福竜丸の被爆事件を組み合わせて物語を書いたと?

きまた 木俣先生

その通り。

賢治の中で燻り続けていた「帰らぬ人トシへの想い」を吹っ切れさせたのが、ゴジラ級の国難「関東大震災」でした。

その経緯を綴ったものが、全十三篇からなる「風景とオルゴール」…

「無声慟哭」「オホーツク挽歌」と並ぶ『春と修羅』の重要パートです。

クリス君 ノーラン 汗

だから賢治は『春と修羅』の最終章「風景とオルゴール」でダンテ・アリギエーリの『神曲』を元ネタに使ったんだ…

ダンテも賢治と同じように最愛の人ベアトリーチェを忘れられないでいた…

しかし地獄や煉獄を経た後の天国篇では、属人的な愛から究極の愛のかたち「天空の白いバラ」にまで昇華させた…

きまた 木俣先生

そういうこと。

それでは『ゴジラ』の核心である「風景とオルゴール」を見ていきましょう。

まずは、8月初旬の樺太旅行の後の心境が綴られた第一歌『不貪慾戒(ふとんよくかい)』から…

不貪慾戒

油紙を着てぬれた馬に乗り
つめたい風景のなか 暗い森のかげや
ゆるやかな環状削剥(くわんじやうせうはく)の丘 赤い萱の穂のあひだを
ゆつくりあるくといふこともいゝし
黒い多面角の洋傘(かうもりがさ)をひろげ
砂砂(すなさ)糖を買ひに町へ出ることも
ごく新鮮な企画である
   (ちらけろちらけろ 四十雀)
粗剛なオリザサチバといふ植物の人工群落が
タアナアさへもほしがりさうな
上等のさらどの色になつてゐることは
慈雲尊者(じうんそんじや)にしたがへば
不貪慾戒(ふとんよくかい)のすがたです
   (ちらけろちらけろ 四十雀(しじふから)
    そのときの高等遊民は
    いましつかりした執政官だ)
ことことと寂しさを噴く暗い山に
防火線のひらめく灰いろなども
慈雲尊者にしたがへば
不貪慾戒のすがたです
(一九二三、八、二八)

おかえもん 17歳

これはまだ8月中、東京が火の海になる前の心象スケッチ…

だけど賢治は8月初旬の「オホーツク挽歌」の時と違い、トシについて何も言及していない…

クリス君 ノーラン 汗

そりゃ当然だ。タイトルが『不貪慾戒』だからな。

おかえもん 17歳

「ふとんよくかい」って?

クリス君 ノーラン 汗

君はそんなことも知らないのか?

「不貪慾戒」とは「不慳貪(ふけんどん)」とも言い、仏教において守るべき10の戒律「十善戒」の1つ、「激しく欲を抱くべからず」という戒めだ。

おそらく賢治は慈雲尊者の著書『十善法語』を読んだのだろう。

慈雲尊者 雙龍庵巖上坐禅像 宮沢賢治 春と修羅

慈雲 雙龍庵巖上坐禅像(1718-1805)

おかえもん 17歳

十の戒律? 他には何があるの?

きまた 木俣先生

殺すべからず(不殺生:ふせっしょう)
盗むべからず(不偸盗:ふちゅうとう) 
姦淫するべからず(不邪淫:ふじゃいん)
嘘をつくべからず(不妄語:ふもうご)
妄言するべからず(不綺語:ふきご)
暴言するべからず(不悪口:ふあっく)
二枚舌を使うべからず(不両舌:ふりょうぜつ)
激しく怒りを抱くべからず(不瞋恚:ふしんに)
誤った見解をもつべからず(不邪見:ふじゃけん)

ですね。

おかえもん 17歳

なんだかモーセの十戒みたいだ。

クリス君 ノーラン 汗

賢治は前章「オホーツク挽歌」の最終歌『噴火湾(ノクターン)』で、帰らぬ人となった最愛のトシにもう一度会いたいという願望を爆発させていた。

そんな自分を戒めるために書かれたのが『不貪慾戒』だ。

歯止めが利かなくなりそうな自分自身に対し「激しい欲を抱くべからず」と言い聞かせていたのだろう…

おかえもん 17歳

なるほど。だから全体的に静かな感じがするのか。

妄想炸裂の8月初旬の状態から、ちょっと落ち着いたってわけだね。

きまた 木俣先生

はたして、そうかしら?

おかえもん 17歳

え?

きまた 木俣先生

私には賢治の心象が、落ち着いたとは思えません…

「トシに会いたい」という間違った欲を本当に捨てたのなら、わざわざ「不貪慾戒」なんてタイトルにしたり、「不貪慾戒のすがたです」なんて2度も強調するかしら?

おかえもん 17歳

あっ… 確かに…

そうじゃないから、そんなふうに…

クリス君 ノーラン 汗

しかしミス・キマタ。『不貪慾戒』にはトシについての言及がありません。

きまた 木俣先生

それは、巧みに隠されているから…

私には詩の全編からトシへの激しい想いが伝わってきますよ。

賢治の心象は、ちっとも「不貪慾戒」ではありませんね。

クリス君 ノーラン 汗

そんな馬鹿な…

馬に乗って森の中を散策したり、町へ買い物に出掛けたり、色鮮やかな田んぼを眺めてターナーの絵を思い出したり、山の斜面を観察したり…

どこにもトシのことは書かれていない…

いったいどういうことなのでしょう?

きまた 木俣先生

賢治の語っている心象を、細部まで注意深く読むのです。

まず1つ目の心象から、何を感じますか?

油紙を着てぬれた馬に乗り
つめたい風景のなか 暗い森のかげや
ゆるやかな環状削剥の丘 赤い萱の穂のあひだを
ゆつくりあるくといふこともいゝし

クリス君 ノーラン 汗

雨除けを着て、濡れた馬に乗る…

冷たい風景の中、暗い森の蔭や、えぐられた跡のある丘や、赤い萱の穂の間を、ゆっくり歩くのもいい…

おかえもん 17歳

ん? 何だか「8月」じゃない感じがするな…

クリス君 ノーラン 汗

日本の「東北」の8月下旬は、こんな感じの季節じゃないのか?

「岩手」というところは、北欧みたいな土地なんだろ?

おかえもん 17歳

確かにお盆過ぎにもなると朝晩は涼しくなるけど、さすがにここまで寒々しいイメージはない…

よっぽど標高の高い山の中なら、わかるけど…

この賢治の心象は、もう晩秋から初冬って感じだな…

クリス君 ノーラン 汗

晩秋から初冬?

まだ8月なのに嘘をついているということか?

きまた 木俣先生

そして2つ目の心象…

黒い多面角の洋傘(かうもりがさ)をひろげ
砂砂(すなさ)糖を買ひに町へ出ることも
ごく新鮮な企画である

おかえもん 17歳

ここも引っかかるな…

なぜ「砂砂糖」を買いに出かけることが「新鮮な企画」なんだ?

しかも「砂砂糖」って?

「砂」の字が被って、バランス的にイマイチな感じがするんだけど…

クリス君 ノーラン 汗

固形タイプではなく、細かい顆粒の白砂糖だと言いたかったのでは?

おかえもん 17歳

「馬から落馬」と一緒で蛇足だよ。「砂糖」という言葉自体に「砂」が入ってるんだから。

「砂砂糖」じゃ、何だか「砂利砂利した砂糖」って感じだ。

きまた 木俣先生

そのジャリジャリ感こそが、賢治の心の中にあったもの…

このとき賢治の中に「ジャリジャリしたもの」が心象となって現れていたのです…

おかえもん 17歳

ジャリジャリしたもの?

きまた 木俣先生

まだ賢治の心象の正体に気付きませんか?

それでは続きを見ていきましょう。

ここでコーラスのような合いの手が入ります。

(ちらけろちらけろ 四十雀)

おかえもん 17歳

「散らけろ散らけろ、シジュウカラ」か…

よくよく考えてみると「散らけろ」って、ひどいよなあ。

「飛んで行ってしまえ」とか「ここから消えてしまえ」とか「去ね」ってことでしょ?

四十雀は可愛い小鳥なのに…

クリス君 ノーラン 汗

シジュウカラはよく鳴く鳥だ。だから鬱陶しかったんじゃないのか?

賢治が詩作に集中できないくらいに。

おかえもん 17歳

だけどなぜ賢治は四十雀を出したんだろう?

四十雀は夏の季語のはず…

また季節外れだ。

クリス君 ノーラン 汗

「洋傘」に合わせたのだろう。

シジュウカラは「ネクタイ」をした鳥として有名だ。

おかえもん 17歳

なるほど…

だけど「洋傘だからネクタイ」って安易すぎるんじゃないかな…

「ちらけろちらけろ四十雀」は後半でも繰り返されるし、何だか深い意味があるフレーズのように思えるんだけど…

きまた 木俣先生

その通りです。

この「四十雀」は、『不貪慾戒』という心象スケッチの、肝とも言える存在ですね。

心の中に「四十雀」が群がっていたので、賢治は念仏のように「散らけろ散らけろ」と唱えていたのです。

クリス君 ノーラン 汗

賢治が心の中に群がる四十雀を追い払った?

どういうことですか、それは?

きまた 木俣先生

まだ気付きませんか?

この「四十雀」とは、賢治の最愛の人「宮澤トシ」のことですよ。

宮沢賢治 トシ

クリス君 ノーラン 汗

ええっ!?

おかえもん 17歳

そうか、わかったぞ…

「トシ」を逆さにすると「シト」…

つまり「四十」だ…

クリス君 ノーラン 汗

は?

おかえもん 17歳

だって賢治は「無声慟哭」や「オホーツク挽歌」で、死んだトシを林の中の小鳥に喩えていただろ?

そしてそのままさびしい林のなかの
いつぴきの鳥になつただらうか
I'estudiantina を風にききながら
水のながれる暗いはやしのなかを
かなしくうたつて飛んで行つたらうか

つまり「雀トシ」を逆さにしたものが「四十雀」だよ!

クリス君 ノーラン 汗

そんな馬鹿な… ありえない…

きまた 木俣先生

ありえないは、ありえない…

この世にありえないことなどありえません。

クリス君 ノーラン 汗

しかしミス・キマタ…

きまた 木俣先生

『ゴジラ』だって、そうでしょう?

水爆怪獣ゴジラが栄光丸を襲った日付は「8月13日」でしたよ。

クリス君 ノーラン 汗

え?

きまた 木俣先生

この「13」とは、マーシャル諸島沖の水爆実験で第五福竜丸が被爆した日「3.1」を逆さにしたものです…

ゴジラ 栄光丸

クリス君 ノーラン 汗

「8月13日」に、そんな意味があったとは…

きまた 木俣先生

覚えておくといいでしょう。重要な意味を持つ数字を逆さにするトリックは、よく使われますから。

例えば、誰かの誕生日の数字を逆さにして…

秘密の金庫の暗証番号にするとか…

クリス君 ノーラン 汗

秘密の金庫?何ですかそれ?

きまた 木俣先生

深い意味はありません。例えば、の話ですよ。

クリス君 ノーラン 汗

そういえば『春と修羅』にも、不思議な数列があったな…

『蠕虫舞手(アンネリダタンツエーリン)』の「8γe6α(エイト ガムマア イー スイツクス アルフア)」だ…

あれはいったい…

きまた 木俣先生

その件については、またの機会にしましょう。

今は「ゴジラ」と「不貪慾戒」、四十雀の話ですから。

クリス君 ノーラン 汗

だけど「四十」が「トシ」のダジャレだなんて、やっぱり信じられません…

なぜ賢治は、そんな突拍子もない発想を…

きまた 木俣先生

「四十」と「トシ」の駄洒落は、賢治が考えたものではありませんよ。

歴史と由緒のある、とても文学的で風流な駄洒落です。

クリス君 ノーラン 汗

「四十」と「トシ」のダジャレが由緒あるダジャレ?

そんなまさか…

おかえもん 17歳

そういえば、一休さんのトンチ話で「四十」と「トシ」の駄洒落を使ったものがあったぞ…

『四十雀の引導』とか『一休さんの引導』と呼ばれる話だ。

クリス君 ノーラン 汗

一休さん? あのアニメの?

おかえもん 17歳

まだ一休さんが寺に入ったばかりの頃のある日、和尚さんが法事に出掛けたので一休さんは寺で留守番をしていた…

すると寺に老夫婦がやって来て、一休さんにお願いをした…

「我が子のように可愛がっていた四十雀が死んでしまいました。どうかこの子に引導を渡してやってください」と…

しかし一休さんはまだお経を覚えておらず、「南無」しか知らなかった…

そこで一休さんはトンチを利かせ、即興でこんなお経を唱えて引導を渡す…

「南無南無南無、人生わずか五十年、お前は鳥であれども、四十雀とはよく生きた、喝!」

クリス君 ノーラン 汗

は?

おかえもん 17歳

「しじゅうから」というのは昔の言い方で「四十の年(トシ)で」という意味なんだ。

一休さんは「死んだ四十雀」を「死んだ、四十の年で」の駄洒落にしたというわけさ。

人生五十年の時代、四十歳は初老の年だったから。

クリス君 ノーラン 汗

賢治は一休さんのトンチを引用したと?

「四十雀」と「トシ」には、あまり相応しいとは思えんが…

おかえもん 17歳

「散らけろ散らけろ」は「あの世へ飛んでいけ」という「引導」なんだよ。

それに賢治も一休さんみたいに「なむなむ」唱えていただろう?

「オホーツク挽歌」では「南無妙法蓮華経」の梵語読み「ナモサダルマプフンダリカサスートラ」が何度も繰り返される。

クリス君 ノーラン 汗

確かにそうだが…

「四十雀と一休さん」は「トシと賢治」のイメージとは程遠い…

きまた 木俣先生

「己が音の少将」と「芭蕉」なら、どうでしょう?

クリス君 ノーラン 汗

ばしょう? おのがねのしょうしょう?

「ばしょう」とは、日本が世界に誇るミニマム・アーティスト、十七文字の天才詩人、俳聖 松尾芭蕉ですよね?

松尾芭蕉 奥の細道 Basho_by_Morikawa_Kyoriku_(1656-1715)

Matuso Basho(1644-1694)

きまた 木俣先生

芭蕉の句に、こんなものがあります。

老いの名の 有りとも知らで 四十雀

どういう意味でしょうか?

岡江君、この句を現代語訳してみてください。

おかえもん 17歳

はい…

まるで衰えを知らないように歌を奏でる四十雀は、自分の名前が初老「四十の年」であることを知らないのだろう…

きまた 木俣先生

その通り。よくできました。

クリス君 ノーラン 汗

これは、当時では初老の年だった四十歳を過ぎても日本国中を旅して歩き、句を詠み続けた芭蕉自身のことでしょうか?

きまた 木俣先生

いいえ。芭蕉が才能あふれる女弟子の智月尼を「己が音の少将」に喩えて詠んだ句です。

「己が音の少将」の代名詞ともいえる歌を踏まえているのですね。

おのかねに つらきわかれは ありとたに
おもひもしらて とりやなくらむ
 
— 『新勅撰和歌集』 巻第十三 恋歌三 中宮少将

クリス君 ノーラン 汗

どういう意味なんだ、岡江君?

おかえもん 17歳

己が音、つまり自分の自慢の歌声に、つらい別れを暗示させる意味があるなんて、あの鳥は微塵にも知らず鳴いているのでしょう…

クリス君 ノーラン 汗

鳥? つらい別れ?

おかえもん 17歳

この「鳥」とは、夜明けの時を告げる「鶏(にわとり)」のこと。

つまり、朝早くに鳴く鶏は、その音が人を現実世界に引き戻し、愛する人と離れ離れにしてしまうことなど考えもしないだろう、という意味だ。

クリス君 ノーラン 汗

鳥… 早朝…

何だか「無声慟哭」の『永訣の朝』『松の針』みたいだな…

おかえもん 17歳

クリス君、確かに…

きまた 木俣先生

おそらく賢治は、自分を芭蕉に重ね、トシを「己が音の少将」に重ねていた…

「己が音の少将」こと藻璧門院少将は、トシと同じように優れた才能の持ち主で、十代後半の頃から将来をとても期待されていたから…

おかえもん 17歳

期待されていた?

きまた 木俣先生

先ほどの歌「おのがねの」で藤原定家に天才と認められ、人々は彼女の将来をとても期待していた…

しかし、仕えていた後堀河天皇の女御・九条竴子が崩じ、それに合わせて彼女も出家し世を捨てることに…

二十四歳で亡くなったトシと同じように、彼女も二十代半ばという若さで、人前から姿を消してしまったの…

琵琶湖のほとりで隠遁生活し、「少将の尼」と呼ばれるようになってからは、京の都から訪れて来る人たちと会うことはなかった…

かつて美しき才女ともてはやされた頃の面影を失った姿を、誰にも見せたくないからと…

おかえもん 17歳

よく似ている…「己が音の少将」はトシと…

やはり「四十雀」はトシのことで間違いない。

クリス君 ノーラン 汗

うーむ、そうなのかなあ…

きまた 木俣先生

ちなみに「少将の尼」は死後、愛する人の「夢の中」に現れ、その人の脳内にメッセージを植え付けたという伝説が残っています…

そうして死後も、新しい歌を発表したのです…

クリス君 ノーラン 汗

死んだはずの人間が、他人の夢の中にメッセージを残す?

そんなの妄想に決まってます。

きまた 木俣先生

それでは賢治が見たトシの姿も妄想だったと?

ダンテが見たベアトリーチェも妄想の産物?

クリス君 ノーラン 汗

当たり前でしょう!これらは創作物です!

いくら何でも現実と虚構の区別くらいはつきますよ!

きまた 木俣先生

ずいぶんと疑り深い性格なのですね、あなたは…

それでは次の心象はどうでしょう?

粗剛なオリザサチバといふ植物の人工群落が
タアナアさへもほしがりさうな
上等のさらどの色になつてゐることは
慈雲尊者(じうんそんじや)にしたがへば
不貪慾戒(ふとんよくかい)のすがたです

クリス君 ノーラン 汗

これはオリザサチバとターナーの心象…

おかえもん 17歳

折笹千葉とターナー?



つづく






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